Freedom Suite評価:★★★★
58年録音のピアノレス、ワンホーンのトリオ・アルバム。 マックス・ローチ、オスカー・ペティフォードのサポートを後ろに、どこか物憂げながらも力強く前進するといった感じの演奏で、“Saxophone Colossus”などで聴かれた奔放かつ天真爛漫な雰囲気はあまり感じられない。それでも伸びやかなアドリブがそのままメロディと化すようなロリンズ独特の演奏は健在で、その点で失望することはまったくない。少しばかり渋みがかったロリンズをじっくり聴くのに適したアルバムかもしれない。 |
Tenor Madness評価:★★★★
テナー・サックスの50−60年代を代表する二人の唯一の競演盤。しかも標題曲のみで実質的にはロリンズのアルバムである。テナー・マドネスでは両者が「これでもか、これでもか」という豪快なトーンと特徴的なアドリブを繰り広げる。ロリンズは自由で自然発生的な太い音色、コルトレーンはシーツ・オブ・サウンズに近づきつつあるが、まだ発展途上の演奏といってよい。それでも、ゴツゴツした荒削りで無骨ながらも、一生懸命ロリンズに挑んでいる姿が印象的だ。若き大関と入幕数場所目の勢いのある幕内上位力士の取り組みのような状況か。結果はトーンにおいてもアドリブにおいても、やはり1日の長のあるロリンズに軍配が上がった形であろう。しかしまちがいなく、ロリンズを脅かす大器の片鱗をここで見せている。また、見逃されがちだが、それ以外の演奏では、さすがロリンズらしい歌心ある見事な演奏を繰り広げ、当時の好調ぶりを示している。 |
Saxophone Colossus評価:★★★★★
1950年代のイーストコースト・ジャズを代表するだけでなく、モダン・ジャズの最高傑作一つとしてあげられる本作は、ジャズのもつアドリブ芸術の一つの極点ともいえる。早くから、豪快なトーンとイマジネーティブな楽想を発揮していた、ソニー・ロリンズだったが、自らの過剰な才能を疑うかのごとく、数度の一時的引退によって雲隠れすることを繰り返した。この傑作は、復帰したマックス・ローチ=クリフォード・ブラウンのクインテット参加の後吹込みされたものであったが、成熟しつつあったロリンズがブラウンの死によって、一気に完成されたプレイを見せた奇跡的快演である。モリタート、セント・トーマス、ブルーセブンなどどれをとっても、音色、フレージング、リズム感、アドリブの意外性に優れた名演である。まさに50年代ジャズの古きよき時代を現代に伝えるモダン・ジャズの必須アイテムであろう。ワーデル・グレイの死、デクスター・ゴードンの低迷、ジョン・コルトレーンの未完成にあった56年におけるテナー・サックスのずば抜けた金字塔である。 |
Easy Living評価:★★★★
まさかS.ロリンズの作品にコメントをつけるようなことになるとは...(いや、私にとってのJazzとは、まだまだ恐ろしさの対象な訳で...)。別に、ファンでもない私がこの作品を手にしたのは、ひとえに[1]のお陰でして(^^; 生粋のファンの人にはどのように映るのか知る由もありませんが、私はひたすらハッピーにブローするこの作品はとっても気に入っています。素人の戯言とお許し願えるのならば、”やっぱり、Jazzはノリノリでないと!”。[2]の勢いときたらもう...。T.ウィリアムスのドラムもドンスカいっています(強力です)。かと思えば[3]ではクールダウン。そしてまたヒートアップ。そして一転、ムーディーな[5]。いやーいいです。 #G.デューク(key,p)の参加もきっとキーになっている #のでしょう。 あと、[6]辺りで聴くことができるチャールズ.I.ジョンソン(私は初見です)のギター。私、結構こういう音、フレーズって好きです。 #ジャズっぽいというより、ロックテイストがあるような。。 決して、S.ロリンズ入門書ではないと思いますが、楽しく聴きたい方にはうってつけだと思います。 |
The Solo Album評価:★★★★★
ソニーロリンズ テナーサックスの名人芸としか言い様がありません!一時間近い長時間のアドリブをノンストップで演ってゆく。いったいどこにこれだけのメロディを詰め込んでいるのだろうか。バックの演奏も無く、長時間でありなががそのあふれるようなメロディは聴き手を魅了してやみません。テナーサックスのみ、という本当の意味でのソロプレイなので、多少聴き手を選ぶかもしれませんが、一聴の価値は十二分にあります。 |
At Music Inn With Sonny Rollins Vol. 2 with Sonny Rollins評価:★★★★★
このアルバムはマサチューセッツのミュージック・インでのセッション。 きめ細やかなMJQに荒削りのソニー・ロリンズが加わるという興味ある競演です。 当時、別々にはよく聴いていたけど、競演と聴いておどろいたものだった。 CDを聴いてビックリしたのはステレオになっていたからです。 この前に買ったMJQのNo Sun in Veniceがそうだった。 No Sun in Veniceでは昔のLPジャケットにステレオをシングルにしたと断ってあった。 このミュージック・インのLPには何も書いてない。 まさかと思っていたのがステレオで、これまた儲けものっていう気持ちです。 おそらくマスターテープからのデジタル化だろう。 演奏は室内楽のMJQというより、リラックスした演奏が聴きどころです。 |
Sonny Side Up評価:★★★★★
私個人的にはこれ以上良いアルバムは無いと思う。 個人的な好みもあって、スティットとロリンズのテナーでのバトルが聞けるのは言うまでも無く素晴らしいし嬉しい限りだが、スティットもロリンズもディジーも最高の状態でプレイしているように感じられ、音楽的な内容も素晴らしいことをやっている。 これ以上スリリングで、ジャズの面白さが感じ取れるアルバムは他に知らない。 絶対に聞いて損は無いと思う。ジャズをやられる方には是非、聞いていただきたいアルバムです。 |
Volume 2評価:★★★★★
これは本当に楽しい作品。ロリンズを取り巻くメンバーは名手、大物ばかり。特にピアノはホレス・シルバーとセロニアス・モンクの2人。何曲かずつ参加しているのかな?と思わせておいて、"Misterioso" ではなんと途中交代! 2人とも一発で分かる個性の持ち主だからこそできた仕掛けも味わえます。もちろんロリンズのテナーも絶好調。ブルーノートのロリンズは全くハズレなし。必聴です。 |
Night At The Village Vanguard評価:★★★★★
悪いことはいわないから、2テイクある内の、最初の方の「チュニジアの夜」を聴いてみてほしい。私はアートブレイキーのこの曲のいくつかのテイクも聴いて、それぞれいたく感動したけれど、このロリンズ盤の燃焼度といったら・・・ドラムがややロックの乗りでテンポをかき立てているようにも聴こえる。この曲を始め、ジャズのスタンダード名曲を渋く、男っぽく演奏していく。どうしても端正なスタジオ録音だけが好きです、という人でなければ、皆気に入るアルバムです。 |
サキソフォン・コロッサス [XRCD]評価:★★★★★
これだけでいい。誤解を恐れずに言うならば、モダン・ジャズといわれるジャズをアルバムで1枚だけ選ぶとしたら、これだ。異説・諸説はあるだろう。対抗馬には、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーンあたりもいる。ただ、マイルスは存在自体がジャズであり、総体で捉えるべきだ。コルトレーンは、そのスタイルによって、はっきりアルバムの個性が分かれてしまう。ビル・エヴァンス?そんなこという奴は、日本人だけだよ。やはりアルバム一枚といえば、これだ。墓に持っていくなら、これ、しかも音質のいい盤じゃなければ嫌だ。 |
NOW JAZZ評価:★★★★★
本当に、ずるい。コンピレーションなら当たり前だが、まさにいいトコを集めたおした、という感じ。 ジャズの入門盤、としては最適なのではないでしょうか。この中から自分の好きな感じの曲を見つけ、その奏者のCDを探すも良し、そのジャンルや時代のCDを探すも良し。 ラストにハービー・ハンコックの処女航海を持ってくるあたり、にくい。 |
橋評価:★★★★★
第二次雲隠れから復帰後第一作目として、ロリンズの生涯で5本の指にも入ろうかと思われる有名作。 これぞロリンズ!と言いたくなるブッ太い音色と雄大なアドリブが、例によって素晴らしい。同い年の名ギター奏者ジム・ホールのマイルドな音使いとの好対照が聴いていて楽しくなる。そのホールも、ファーマーやエヴァンスとやる時より明らかに陽性の大きな音を出している様に思える。負けない様に張り切っていたのだろうか。 ロリンズでは、サキコロやウェイ・アウト・ウェストの次にお奨めしたい作品です。 |
ヴィレッジ・ヴァンガードの夜 完全版評価:★★★★
コンプリート盤で、なおかつ、演奏の合間のロリンズのナレーションも入っています。オリジナル盤で、ぼつになったものに関しても、何故ぼつになったのかわからないくらい、演奏のクオリティーは高いです。ロリンズファンの方又そうでない方にもお勧めです。 |
橋(紙ジャケット仕様)評価:★★★★
ソニー・ロリンズの代表作の1つ。アルバムタイトルの「橋」は、ロリンズが橋の上で練習していたことから名付けられた。ピアノではなく、ギターのジム・ホールが参加したカルテットだ。ジム・ホールの押さえたギターとロリンズの静かなテナーサックスが耳に心地よい。ロリンズのファンなら必携の1枚だ。 |
アルフィー評価:★★★★★
基本は映画のサウンドトラックだが、華麗なオーケストラのバッキングで、ある時は豪快に、またある時は可憐に、テナーのヴァーチュオーゾ、ロリンズが満喫できる。基本的なテーマが編曲違いで繰り返し演奏されているので、編曲によるのテイストの変化はもとより、ロリンズのアドリブの妙を存分に楽しむこともできる。誰が聞いても「楽しいジャズ」というだけでなく、ジャズファンも唸らせる仕掛けが随所に凝らされているのもうれしい。 |
サキソフォン・コロッサス評価:★★★★★
素晴らしい演奏と曲目です。 ノリがよいため初心者が聴くとJAZZをすぐに好きになるはずです 私が10年前にJAZZにハマってしまったのはこのタイトルを買ったからです。 また、JAZZが好きで何十年も聴き続けている人のベスト10の常連タイトルでもあります。私はリマスターCDが発売される度に何度買い換えたか判りません。 そして、最近プレイヤーを購入したのでやっとこのDVD-Aを聴くことが出来るわけです。 まだ、手元にはありませんが今から物凄く楽しみです。 |
ヴィレッジ・ヴァンガードの夜評価:★★★★★
ロリンズには珍しいピアノレストリオ。ピアノが入らないことで、ロリンズはかえってのびのび演奏している。「チュニジアの夜」「朝日のようにさわやかに」などの名曲は今聴いても新しい。当時、新鋭ドラマーだったエルビン・ジョーンズの演奏も素晴らしい。1957年のモノラル録音で、ニューヨークの有名ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」でのライヴだが、24ビット盤なので音は抜群。これで1500円はお買い得というもの。(松本敏之) |
オン・インパルス評価:★★★★
インパルスというレーベルは、コルトレーンしかり、キース・ジャレットしかり、皆、それまでの(又はそれ以降の)レーベルとは一味違った、何か"芸術性”みたいな味付けをアーティストに求めるようで・・。本アルバムで聴かれるロリンズ先生も、ウエイ・アウト・ウエストやサキソフォン・コロッサスのようなコミカルさは影を潜め、クールな語り口が印象に残ります。 圧巻なのが、一曲目のグリーン・ドルフィン・ストリート。テーマを絶妙に崩し、語彙を少なくし、イイタイコトだけを語る・・。 早口で雄弁なSAX奏者は多々いますが、一言で相手を黙らせるのはロリンズ先生だけですな。 |
ソニー・ロリンズ VOL.2評価:★★★★
ブルーノートにはワンホーンアルバムが何故か少ない。オーナー兼プロデュサーのアルフレッド・ライオンの意向(好み?)からか、二管、三管のレコーディングセッションが多い。ジョニー・グリフィンのブローイングセッションなどは四管(グリフィン、モブレー、コルトレーン、モーガン)だ。恐らくは営業上の戦略で、なるべく数多くのプレーヤーを一枚のレコードで紹介した後、彼らのリーダーアルバムを作り、レーベル全体のセールスを伸ばそうと考えたのだろう。ライオンは若くて優秀なプレーヤーをたくさん抱えていた。良く言えば一枚で二度三度美味しいサウンドとなるのだろうが、逆に言えば、イマイチ、リーダーに焦点が定まっていないと言えなくもない。そこでこのロリンズのVol.2(Blue Note1558)だ。二管(ロリンズ、J.J.ジョンソン)、二ピアノ(シルバー、モンク1曲?)にベース(チェンバース)、ドラムス(ブレーキー)の六人から成るセッションになっている。いきなりロリンズの豪快なテナーが炸裂する。絶好調のロリンズがしばらくアドリブをとった後、他のメンバーが順次ソロを引き継いで行く。皆ハードバップのエッセンスを詰め込んだような見事な演奏で圧倒される。息の合ったメンバー全員の相乗効果が素晴らしい力強いジャズだ。 だが、ブルーノートらしく、リーダー以外の演奏(特にジョンソンのソロ)にも耳が奪われるような構成になっている。ロリンズ好きの私には少々食い足りないもどかしさも残る。リーダーよりも、ブルーノートのレーベルカラーが優先された音作りがなされているようにも感じる。やはりロリンズと言えばあの延々と続く豪快なトーンによるアドリブだ。プレステージでのワンホーン作(ウイズMJQ、サキコロ、テナーマッドネス)の方が主役ロリンズにスポットライトがあたっていて好きだ。ブルーノートで言えば本作後のビレッジバンガード・ライブやニュクーズタイムのほうがよりコアなロリンズが聴ける。 |
ニュークス・タイム評価:★★★★★
むかし、ちょうどソニー・ロリンズがこのアルバムを録音したころ、ブルックリンドジャーズに、ドン・ニューカムという名選手がいた。ピッチャーとしてデビューし、新人王やMVPを取ったあと、打者としても活躍し、引退後の1962年には海を越えて中日ドラゴンズで一年間プレーをした。メジャーでも日本でも、最初の黒人選手の一人だった。 で、そのニューカムにロリンズがよく似ているのだ。それで彼も「ニューク」という同じニックネームで呼ばれたり、自分のことを「ドンおじさん」だと言っていた。 そのニックネームをそのままタイトルにしてしまったのがこのアルバム。(それと「ニューク」というのは、つづりは違うけど「原子爆弾」の意味もあって、米ソ冷戦のまっただ中で生まれた演奏、という見方もできるかもしれない) いつものように、豪速球のような、かつアトミックパワーをもほうふつとさせる根性のある演奏。それだけじゃない、有名な第四曲「飾りのついた四輪馬車」は、ドラムとのデュオだってことを忘れるほどの色彩感豊かな名演。すごい。 |
イッツ・デ・ラヴリー~コール・ポーター・コレクション評価:★★★★★
何とまあ懐かしいアルバムが入っていることでしょう。説明を読まないで全曲聴いてみて驚きました。はじめの2曲はPorterが歌っています。実に見事。 Shaw,Rollinsの演奏。クルーナー調の若いSinatraのNIGHT AND DAY,この唄は他に二つの楽団演奏のアルバムが入っていて、演奏者による変化を楽しめます。その他もろもろ。 大げさに言えばJAZZの歴史みたいなCDです。 |
ソニー・ロリンズ・ウィズ・ザ・モダン・ジャズ・クァルテット評価:★★★★★
50年代のロリンズはモダン・ジャズの牽引車として数多くのセッションで天才振りを披露している。50年代はマイルス、コルトレーン、クリフォード・ブラウンなど多くの天才的プレイヤーを輩出したが、中でもロリンズこそその才能を自在に、そして奔放に発揮した自然児のような存在だったといえる。モダンジャズ・カルテットと競演した本作でも、その自由さや大胆さは大いに発揮され、もう一人のソウルの申し子、ミルト・ジャクソンの演奏と相乗効果の中で高めあっている。ロリンズ節とはまさに言いえて妙。これほど歌うサックスは他に絶無である。 |
コンテンポラリー・リーダーズ+3評価:★★★★★
コンテンポラリーが所属する豪華なミュージシャンを集めて企画した名盤。ソニー・ロリンズにバーニー・ケッセル、シェリー・マンといった当代きっての名手が肩肘を張らず、リラックスしてそれぞれの実力をいかんなく発揮した演奏を聞かせている。ロリンズのユーモア精神、ケッセルのテクニシャンぶり、マンの洒脱なドラミングなど聴き所満載のアルバムに仕上がっている。アイヴ・トールド・エヴリー・リトル・スター、ロッカバイ・ユア・ベイビー、ハウ・ハイ・ザ・ムーンと続く流れもよく、メンバーが揃う前にたまらずに始めてしまったという、根っからのミュージシャン魂が楽しくもすばらしいセッションを可能にしたのであろう。アローン・トゥゲザー、月影のチャペル、ソング・イズ・ユーなどスタンダードを惜しげもなく聴けるのがうれしい。午後のひと時にでもゆったりと寛ぎながら味わいたいものだ。 |
サキソフォン・コロッサス評価:★★★★★
ロリンズと言えばワン・ホーンではピアノ抜きのトリオが有名だ。しかし、正直言うと、「ウェイ・アウト・ウェスト」や「ヴィレッジ・バンガード」と言ったいわゆる「名盤」はあまり感心しない。このロリンズの超有名盤のピアノは名匠トミー・フラナガン。しっかり手薄にならぬよう和音を補充してくれているだけではなく、小粒で粋なソロも聴かせてくれる。このアルバムが有名になったのは、「セント・トーマス」や「モリタート(マック・ザ・ナイフ)」という名曲の収録や、ロリンズの豪快なテナーのみならず、この縁の下の力持ち、フラナガンの好演あってのことだったのである。 |
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