サウンドはとてつもなく強力。コルグペペなんぞを使用しててなかなかに面白い技を繰り出しています。現在の音楽シーンでここまで面白い音楽を作れるのはパットメセニーとジョーザビヌルだ。そんなことを考えてしまうザビヌルのコンセプトが具現化されたアルバム。リズム構築とシンセサイザーの音色選択がかなり厳密である部分とやはり卓越したインプロバイザーぶりが突出している。ボナの活躍もすごい。10点中10点 やっぱこれじゃああトライバルテックがかすんでみえちゃうわな。
「5.フロム・ウィーン,ウィズ・ラヴ」や「11.ミッドナイト・ムード 」などの名曲も今聴いてみると、ザビヌルの卓越した作曲能力に驚く。
彼の70年代以降の活躍はもう言うまでも無いが、60年代の初期ザビヌルも本当に素晴らしいと感じる。
ぜひ、聴いておきたい名盤である。
だけど、この作品自体は、聞き手を楽園に連れて行ってくれたりはしないので要注意。それどころか、素っ裸でアフリカのジャングルに放り出され、土人たちに狩り立てられる夢を見そうな感じがする。とにかくリズムがグネグネと迫って来て、恐ろしい気持ちになって来る。そう言う意味での迫力は凄い。マイルスのラッパが恐ろしい物語をナレーションし、ベニー・モウピンのバスクラや数々のリズム楽器がBGMを奏でる … そんな感じ。 人に薦めはしないけど、一度は聴いておかないと、話になりません。日本語のタイトルを付けるなら、「ビッチズ・ブルー」とするべきでしょうね。
いうまでもなくザビヌルの音楽はウェザー・リポートの時代からすでにジャンルの枠を遙かに越えていた。そのサウンドの現在形であるこのアルバムでは、枠を飛び超えてゆくその気持ちよさをじっくりと堪能できるだろう。強いてカテゴリーに分けるとすれば、これはもう「地球の音楽」と言うジャンルを作って入れるしかない。もし宇宙人が地球に来たら、私は、最初にぜひこのCDを聴かせたい。
ですがオリジナル輸入盤は二枚組です。ご確認のうえ、好みの方を・・・
このデータは、06年02月12日1時5分24秒現在のデータであり、現時点では変更されている可能性があります。