ジ・エミネント・J.J.ジョンソン Vol.1評価:★★★★★
僕は基本的に1950年代前半のアルバムが好きだ。洗練度からすればハード・バップや60年代以降のモダン・ジャズに劣るはずだが、編曲や選曲にいいセンスの作品が少くないからだ。この時代の優れた作品はジジ・グライスやジョン・ルイスといった作曲やアレンジにただならぬ才能を発揮したミュージシャンの存在が大きいのではないかと思われる。 2曲目の、JJのラヴァー・マンのソロは情感がこもりメロディアスなアドリブに驚かされる。30歳に満たない時期の成熟した表現力からしてやはり彼は天才なのだと思う。ゲット・ハッピーのようなビ・バップの曲でもバランスの取れたパッセージで変化にとんだソロを見せる。天才といえばブラウンの明るくつややかで魅力的なハイノートを駆使したきらめくトランペットは、他の追随を許さぬ才能を感じる。JJとブラウンという豪華な顔合わせは、時代こそ違え、ブレイキー、ローチなどとの共演に匹敵するだろう。スケッチ・ワンもアレンジと曲のよさでひきつけられる。編曲はジョン・ルイスによるものか。全体に明るく深みがあるサウンドが印象的だ。カプリではサックスのジミー・ヒースがブラウンに劣らぬ素晴らしいソロを見せているし、オールド・デヴィル・ムーンではコンガが効果的に使われキューバ的な雰囲気をうまく演出している。 このアルバムは3つのセッションからなっているが、いずれのセッションも甲乙つけがたいほど素晴らしい。成功の秘訣は選曲、編曲のよさ、JJとブラウンの天才的演奏のさえ、さらにジミー・ヒース、ジョン・ルイス、ウイントン・ケリー、チャールス・ミンガス、パーシー・ヒース、ケニー・クラークといった共演ミュージシャンの豪華さによるものだろう。懐かしさと新鮮さをもったモダン・ジャズの歴史の中でも屈指の名演といっていい。 |
ザ・ビギニング・アンド・ジ・エンド評価:★★★★★
聴きどころは3曲目から。生前のブラウニー最後の演奏と言われているジャムセッションの音源です。音質は悪いし、共演者のレベルも高いものではないが、そんなことはぶっ飛ぶほどブラウニーが凄い。とにかく凄い。 |
クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム評価:★★★★★
ふたつのセッションをCD一枚に収めてある。ルー・ドナルドソンやエルモ・ホープらと共演したものジジ・グライスらとのもの。前半ではエルモやルーの作品が、後半ではクインシー・ジョーンズやジジの作品が楽しめる。ブラウニーは絶好調で、特にエルモの作品で楽しげに力強く吹きまくっているのが印象的。スタディー・イン・ブラウンとは違うチェロキーも入っている。前半のドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズで後半がアート・ブレイキーであるのもセッションの雰囲気が変わるのにドラムが果たす役割の大きさを実感させてくれる。一曲目のベラロッサ冒頭からすっかりいい気分にさせてくれます。 |
バードランドの夜 Vol.2評価:★★★★★
イントロダクションに続いて、一曲目から飛ばすブレイキーさんのドラムからです。ツーホーンテーマが飛び出した瞬間といったら、もう堪りません。熱いですねぇ!2曲目ではvol.1でのブラウニーさんのワンホーンに対抗(?)してルー・ドナルドソンさんのワンホーンです。演奏時間は3分29秒と短いですが、なんとも、心をくすぐる演奏です。4,5とパーカーナンバーで締めです! |
バードランドの夜 Vol.1評価:★★★★★
このアルバムでぼくは、ハードバップの熱気に触れました。イントロダクションが終わり、元気よく飛び出すツーホーンテーマが多少合わなくても関係ない。さぁ、行くぞ!という気合が感じられてしまう。そして、2曲目クリフォード・ブラウンさんのワンホーン。言葉を失う。シミジミとしたテーマ吹奏から、火の出るようなアドリブ。そして、途中からのホラス・シルバーさんのピアノの「ン、チャチャ!ン、チャチャ!」というバッキング「ぬぉー!」と唸るしかないです。アルトのルー・ドナルドソンさんは、4曲目のアドリブ第一声で僕を昇天てさせてくれました。 とにもかくにも、熱い熱すぎます火傷しそうです。 |
イン・コンサート−コンプリート・ヴァージョン評価:★★★★★
文春新書のシリーズに「ジャズの名盤」というタイトルの本がある。アーティスト別に、3人の評論家が名盤を紹介している。この本に紹介されているのがこのCDである。流れるような心地よいリズム感と幾分哀愁を帯びたトランペット、マックス・ローチのこ気味よいドラムは、このCDの世界に知らず知らずの内に引き込まれてしまう。録音もよく、このアーティストを知るためにもう1枚別の演奏を買いたいと思わせる1枚である。 |
ジャズ・ミレニアム評価:★★★★★
「ジャズ・ミレニアム」シリーズ第一弾。 その後に出た、他のジャズ・コンピシリーズと比べると曲数は少なめですが、どこかで耳にした事のある有名曲、そして名演がズラリ!!で、取っ付き易く、入門には最適でした。 曲数もむしろこのくらいの方が聞き込み易いのでは?音もしっとりと温かみのあるリマスタリングが施されており、半世紀近く前の録音とは思えないほど、鮮明。 また、このシリーズは紙ジャケット(「デジパック」というのかな?)仕様で、「大事に持っていたい」、「シリーズを揃えたい」という気持ちにさせられたのも、魅力のひとつ。 |
バードランドの夜 完全版評価:★★★★★
若くして夭折した天才トランペッター、クリフォード・ブラウンを聴ける数少ないアルバムの一枚。メンバーはブレイキーのほかに、ルー・ドナルドソン(アルト・サックス)ホレス・シルヴァー(ピアノ)など。「チュニジアの夜」「クイックシルバー」などブレイキーの十八番の曲ばかり。1954年だから50年も前の当時では珍しいライヴ録音だが、名手ルディー・ヴァン・ゲルダーの録音。(松本敏之) |
ブラウン・ローチ・インコーポレイテッド+3評価:★★★★★
確かに凄い。今もってモダンジャズ史上最高のトランペット奏者と言う評価に、私も一票投じよう。 テクニックと音楽性が極めて高次元で両立している。急テンポの一曲目とスローバラッドの二曲目が、同じ一人のタラコ唇から発せられているなんて。こんな凄い人に限って、何で夭折してしまうのだろう。個人的にはローチの太鼓はチトうるさいが、クインテットの全員がリラックスして演奏している様が伝わって来る様。ジャズ初学者にもお奨め。 |
ダイナ・ワシントン・ウィズ・クリフォード・ブラウン評価:★★★★★
とにかく楽しい!!セッションてこういうものだよねって感じです。超一流プレイヤーたちのスリリングな掛け合い、迫力あるボーカル、観客の拍手、歓声や手拍子。会場の楽しさが多分に伝わってきます。 あー・・・この場にいたかった・・・ |
JAZZ TIME(白盤)評価:
「ジャズ・タイム」は東芝EMI、ユニバーサル、ビクターの3社が合同で企画したモダン・ジャズのコンピレーション3点セット。東芝盤は『青盤』、ビクター盤は『赤盤』で、ユニバーサルから発売の本作は白盤。 冒頭の<1>はオスカー・ピーターソンの人気作『プリーズ・リクエスト』からのナンバー。続くウエス・モンゴメリーの<2>はウイントン・ケリーと共演した1965年のハーフノートの実況盤から。ここに聴かれるウエスのオクターヴ奏法はほんとにカッコいい。「ジャズ・タイム」シリーズ3作は、モダン・ジャズの魅力に焦点にあてた企画なので、その音源は50−60年代に集中している。その中でも白盤は、あらためてその時代のジャズがいかに充実していたか肌で感じることができる内容だ。チェット・ベイカーのしゃれた歌と演奏、躍動感みなぎるクリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クインテットの熱演、ジョン・コルトレーンの叙情的なバラード、ハービー・ハンコックのファンキーな演奏と、ここにはジャズの楽しさと魅力がぎっしり詰まっている。サッチモの<13>はモダン・ジャズとはちょっと違う気もするが、この人は別格的な存在なので、これもありだ。(市川正二) |
サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1評価:★★★★
サラの歌に期待すると少しがっかりする。 サラの全盛時代はこのマーキュリー時代だが、「スインギン・イージー」「ノー・カウント・サラ」などの歌唱の方が圧倒的に素晴らしい。また、もう少し後のものには「アット・ミスター・ケリーズ」などという傑作ライブ・アルバムもある。 ということで、ブラウンを聴くアルバムとしては申し分ないのだが、サラの歌にくつろぎがやや欠ける分減点となる。 |
クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス評価:★★★★★
これはジャズではない、スイングしていない と言う人ももいる。 確かに、ただメロディーを吹いているだけである。だけど、すごくイイ どうイイかというと、良いもは良いのである 心の中にしみてくるような、音の中に身をゆだねられる。 ジャズとか、そんなジャンルの問題ではなく音楽としてすばらしいと思う。夭折した天才のテクニックとハートを聞いてみてほしい |
クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2評価:★★★★★
モダン・ジャズ史上最高のトランペッタ―の代表作の一つ。全編にわたって、ブリリアントに光り輝く天才ブラウニーのプレイが堪能でき、またマックス・ローチはじめ他のメンバーも好調そのものである。中でもブラウン自作の−は素晴らしく、全吹込み中最高のアドリブプレイとも評されるブラウニーをはじめ、クインテット全員が絶好調の演奏を聴かせてくれる。ローチのドラミングはまるで唄っているようだ。他にも−−など名曲の名演が目白押し。 |
コンプリート・パリ・セッション Vol.3評価:★★★★★
ブラウニー初期の録音であり、一連のパリセッションの中、決まった形でのアルバムリリースに恵まれないせいか、ここに聴かれる演奏の知名度は低いが、間違いなく最良のジャズ演奏の一つである。「春のごとく」「ソング・イズ・ユー」「降っても晴れても」などのスタンダード曲を、いとも軽々と歌心あふれるフレーズをあふれんばかりに紡ぎ出してトランペットで「歌って」いくので、その天才性にしびれてしまう。その一方、もしブラウニーが長生きしていたなら、もしかすると時代の変化に対応できず、苦しんだのではないかという想像も頭によぎった。「伝統=ブラウニー、価値破壊=マイルス」ということか。 |
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン(紙ジャケット仕様)評価:★★★★★
マックス・ローチのドラムを歌うドラムだという表現をする事がある。リズム楽器ながらメロディが聴こえてきそうな豊かなイマジネーションが横溢しているからだろう。では、歌手のバッキングで歌うホーンはというと、これはそのまま歌詞のない歌を歌う楽器であり、インストルメンタルとは異なった独特の世界が広がる。ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマン共演盤などはコルトレーンというもう一人の歌手が歌い上げ、情感豊かに語りかけてくる様子がうかがえる。ヘレン・メリルの畢生の傑作である本アルバムは、まさにクリフォード・ブラウンという最高の歌い手との競演によって自らの限界を超えた彼女の最高のハートが表出したといえよう。ドント・エクスプレイン、ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥなど技術を超えた心の本質がつむぎだされている。ブラウンのソロも優しく、自由に流れるようなフレーズで間奏を入れる。ホワッツ・ニュー、恋に恋して、イエスタデイズなどどれをとっても名曲であり、ヘレン・メリルの存在証明を過不足なく伝えている。このアルバムに加え、サラ・ボーン、ダイナ・ワシントンといった異なった実力派とクリフォード・ブラウン共演の3部作のセッションは、エマーシの優れた企画として永遠にアーカイブされるであろう。 |
サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1(紙ジャケット仕様)評価:★★★★★
1954年12月18日録音。サラ・ヴォーン(ボーカル),クリフォード・ブラウン(トランペット),ハービー・マン(フルート),ポール・クイニシェット(テナーサックス),ジミー・ジョーンズ(ピアノ),ジョー・ベンジャミン(ベース),ロイ・ヘインズ(ドラムス)。白人歌手では可愛すぎる(別にいいけど),エラでは明るすぎる(嫌いじゃないけど),ダイナでは濃すぎる(好きだけど),ビリーでは特別すぎる(大大大好きだけど),カーメンは声が好きになれない(ごめんなさい)。だからサラが好きだ。特にバラード。サラはやや低めの声で,しっかりと,じっくりと歌う込む。抜群に巧く,それが(ぎりぎり)嫌みにならない。1度聴いて思わず感動,2度聴いてその表現に納得なのだ。本作はそんな彼女の最高傑作の1つ。 本作での楽しみはサラの歌だけではない。バックがいいのだ。しかも歌もののアルバムにしてはソロがまずまず長めで,彼らのプレイを堪能できる。特にクリフォードは短くても長くても破綻のない抑制されたソロを聴かせる。歌への絡みだって巧い。やっぱり流石だね,というところ。でも本作のバックの中で私が一番好きなのはポール・クイニシェット。レスター・ヤング譲りの優しさ溢れる音,滑らかなノリ,フレージング。レスターに及ばないとはいえ,これだけ吹いてくれればありがたいではないですか! ハイライトは−−−−。−「バードランドの子守歌」は,まず,印象的なイントロが曲のクールな雰囲気をセット。テーマのあと,ピアノ→ベース→ドラムスのソロという意表をつく展開から,サラのスキャットとホーン陣の掛け合いへ・・・。歌もアレンジも最高。−「パリの4月」は特にジミー・ジョーンズのソロが美しい。−「ジム」はしっとりしたバラードで,語りかけるようなサラの歌が素晴らしい。最初と最後のアレンジもこの上なく美しく(誰なんだろうアレンジャーは?),クリフォードのダブルテンポのソロもいい。−「セプテンバー・ソング」では,クリフォードのソロが終わった直後の入り方からラストまで,サラの感動的な歌唱に思わず溜息がでる。 10点中9点。 |
クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス(紙ジャケット仕様)評価:★★★★★
美しいです。 その美しさは、袖の下に隠しながら剃刀の刃を手首にあてているような狂気を感じます。 純粋に美しさを求め過ぎたゆえにブラウニーの持つ本質的な狂気が表面化されてしまったように感じました。 夜中に一人雰囲気を楽しむ為にJAZZを聴くと言う話を聞きますが、 このアルバムはそう言う聴き方をするには危険過ぎるかもしれません。JAZZを語る人にも手に余る作品かもしれません。 その美しさゆえにJAZZと言う言葉を越えたうえでJAZZが成り立っています。 結果的にキャノンボール等のウィズ・ストリングスとは少し志向の違うものになっています。 |
バードランドの夜 Vol.1評価:★★★★★
若くして夭折した天才トランペッター、クリフォード・ブラウンを聴ける数少ないアルバムの一枚。メンバーはブレイキーのほかに、ルー・ドナルドソン(アルト・サックス)ホレス・シルヴァー(ピアノ)など。「チュニジアの夜」「クイックシルバー」などブレイキーの十八番の曲ばかり。1954年だから50年も前の当時では珍しいライヴ録音だが、名手ルディー・ヴァン・ゲルダーの録音が、24ビットで迫力、音のクリアーさも、より一層増した。(松本敏之) |
バードランドの夜 Vol.2評価:★★★★★
クリフォード・ブラウンの演奏を聴くたび「ほんま、ええ奴っちゃなぁ」と思う。性格が誠実そのもので誰からも愛される、そんな若者がそこにいる。 次々とほとばしりでるフレーズに香る「歌心」。これこそブラウニー天才の証で、80年代、メッセンジャーズが最後の光を放つきっかけともなり「クリフォード・ブラウンの再来」とも騒がれたウィントン・マルサリスからも帝王と呼ばれたマイルスからも得られないものだ。 このセッションの後ブレイキーとシルヴァーはジャズ・メッセンジャーズを、ブラウンはマックス・ローチと双頭コンボをそれぞれ結成。共にハード・バップ期の最も重要な存在となったことは周知のとおり。 バードランドの名物司会者ピー・ウィー・マーケットもライヴ気分を盛り上げるのに一役買っている。 |
ザ・ビギニング・アンド・ジ・エンド評価:★★★★★
夭折した天才ジャズメンは数多いが、その後その才能を超えるプレイヤ−が現れないという意味で(マルサリスについては異論を唱える方もいらっしゃるとは思うが)、ブラウンほど特別な存在はないと思っている。 そんなブラウンの名演の中でも、このアルバムは20年以上前に輸入版のレコ−ドで購入して以来、長らく私の愛聴版の一つとなっている。アルバムタイトル通り、全てライブ録音でブラウンの初期の演奏3曲(1−3)と非業の最期を遂げる直前の2曲(4、5)が収録されている。録音状態はこの時代のライブ録音としては標準的なものだと思うが、そんな瑣末なことは少しも気にならない。 特にお勧めは後半の2曲であり、ミディアムテンポ(チュニジアの夜)でもアップテンポ(ドナリ−)でも、豊かな音色で歌い上げる彼のフレ−ズは、本当に陳腐な言葉ではあるが、まさしく神がかっており、自分の死を予感していたのではとさえ感じさせるほど素晴らしいものである。 |
コンプリート・パリ・セッションVol.1評価:★★★★★
ヴァイヴの大御所ライオネル・ハンプトンのビッグバンドに所属していたブラウンは、欧州楽旅の際に、御大の厳しい監視の目をすり抜けて、同僚と共に欧州のスタジオでCD4枚分の録音を残した。その秘密録音の内の3枚がこのパリのセッションで、もう1枚がストックホルムでのものである。 この時のためにか、クィンシー・ジョーンズもよくアレンジをため込んでいたものである。 彼らの若き情熱の勝利と喜びとが、一つ一つの曲からあふれ出て、感動を誘う。 |
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン評価:★★★★★
気した男のウソに「言い訳しないで」という女心を歌った「ドント・エクスプレイン」、「ホワッツ・ニュー」、「スワンダフル」とか、ジャズのスタンダード・ナンバーの名曲がざくざく。これを5ツ星としないで、他に5ツ星の女性ヴォーカルのアルバムはあるのだろうか。ただ、ジャケットは1ツ星。人肉を食うオババのように写っている。ヘレン・メリルはもっと美人なのに・・・・。(松本敏之) |
サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1評価:★★★★★
美しい音色と気品溢れるインプロヴィゼーション(即興演奏)でジャズ史上最高のトランペッターとも言われるクリフォード・ブラウンは,1956年6月交通事故により,わずか25歳とういう年齢で天に召された。 このディスクは,そんな不世出のトランペッターであるブラウニーが,死の1年半前に,ジャズ・ヴォーカルの女王への道を駆け昇りつつあったサラ・ヴォーンと共演したもので,両巨頭のコラボレーションが心行くまで堪能できる。 サラ・ヴォーンのたっぷりとした声量,完璧なテクニック,そして深い情感に満ち溢れたヴォーカルに,ブラウニーの美しく香気に満ちたトランペットがスマートに絡み付き,いつまでも音の美しさに身を委ねていたくなる。 Lullaby Of Birdland,April In Paris等の選曲も素晴らしいし,September Song等で聴くことの出来るハービー・マンのフルートも絶品だし,Embraceable You等でのジミー・ジョーンズのピアノも切なく心に響く。 この素晴らしいコラボレーションをもっともっと聴きたくなるが,一期一会であるが故に,このディスクは,特別な輝きを放ち続けている。 私は,このディスクから,ジャズ鑑賞の世界に入り込んでいったが,いまだに,私にとってのナンバーワンディスクの一つでもある。 ジャズ初心者にもお勧めできる名盤である。 |
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