Cookin' With the Miles Davis Quintet評価:★★★★★
背伸びしたくてジャズが好きと言っていた学生時代、本物のジャズ好きにしてくれた一枚です。 名曲マイ・ファニー・ヴァレンタインから始まり、絶妙に切り替わるチューン・アップ/ホエン・ライツ・アー・ローで終わる。エレキに走る前のマイルスが気持ちよく曲に浸っている珠玉の一枚です。もちろんエレキのマイルスが好きという人もいるでしょうが、やはり初心者にはこのあたりがお奨めです。 ジャケットのトランペットにジャズらしさを感じて、背伸びしたさに偶然手にしたのですが、後で気づけば、マイルスの歴史に残るマラソン・セッションの中の一枚。ジャズの真の力に出会った瞬間です。この一枚で、背伸びをする必要が無くなりました。 |
Relaxin' with the Miles Davis Quintet評価:★★★★★
このアルバムを聴くまでマイルスの50年代のアルバムは良く分からなかったのですが、このリラクシンを聴いてからは50年代もいいなーと思えるようになりました。コルトレーンの成長とか50年代最強のコンボだとかは置いといて、楽な感じで聴くと楽しめますよ。マイルスなだけにリラックスばかりではありませんがね。曲のバランスもよく飽きずに最後まで聴けると思います。購入するなら高音質なXRCDが良いと思います。まだあるかなぁー? |
Bags Groove評価:★★★★★
なななんだか役者達が『濃いなあ』。やっぱセロニアスモンク、存在感あります。ミルトジャクソンだとすぐわかる『気品のあるビブラフォン』。音色を慎重に選びながら演奏するマイルス。タイムラグが50年あるわけだけれど、古さはかんじないねええええ。あっそうかそれが傑作ね。陰影がきちんと出せているのでいいねえ。10点中9点 |
Pangaea評価:★★★★★
マイルスのミュージッククリエータ−としてピークの瞬間をとらえた作品。このツアーを終えた半年後、マイルスは音楽的にやり尽くしたと 感じ、長期引退に入る。 見えない闇に突き進むメンバー。 メンバー全員がMILES化して音をつくり出す。 とにかく大音量にして聴くこと、そうしないと全貌は見えてこない。最初は何回聴いてもわからなかったが、幾度か聴いたら ”わかった”という瞬間がやってくる。 まぎれもなく、JAZZ,rockの平和な結婚式でしょう。 |
Kind of Blue評価:★★★★★
これぞ至高の極み。どこまでも切なくて、はかなく、そして美しい、無駄なものを一切はいしたわびさびの世界。このCDはトレーにのせてplayボタンを押した瞬間、私を至高の空間へ誘ってくれます。あなたも是非体験して下さい。 |
Live-Evil評価:★★★★★
ファンキーとアブストラクトなど相対するものをコンセプトとして構成されたアルバムで、1970年のワシントンD.C.のクラブ、セラードアーで行われたライヴと、ブラジルの異才エルメート・パスコアールを招いてのスタジオセッションが交互に配置されている。前者のライヴは、エレクトリック・マイルス時代で最強のバンドとも思われる強烈な個性のメンバーが揃ったもの。ここでのマイルスのテンションは鬼気迫る程高く、リーダーに触発されたメンバー、特に今では考えられないジョン・マクラフリンとキース・ジャレットの火花散る凄まじい演奏には圧倒される。また、新たに参加したマイケル・ヘンダーソンのソウル/ファンク・ベースがバンドに新鮮で熱いグルーヴをもたらしたのは確かで、ジャック・ディジョネットやアイルト・モレイラを含むリズム隊も燃え上がるテンションでソロプレーヤーを鼓舞している。このライヴを眼前で聴いた幸運な人間がいるなんて信じられないほど羨ましい。一方のエルメートとのセッションは、ウェザー・リポートにも通じる抽象的で摩訶不思議な小作品であり、マイルスの先進性を象徴する一面を見ることができる。 |
Sketches of Spain評価:★★★★★
アンクルおさむさんと同意見で、私も「Kind of Blue」の全編を通した素晴らしさに圧倒されるものです。Kind of Blueはクルマで時々聴くのですが、先日久しぶりに「Sketches of Spain」を聴いてみました。
Kind of Blue中の「All Blue」等のスペイン的な要素は3 - 5曲めに特に感じました。しかし、タイトル曲の「アランファス」には冷徹した叙情とでもいえばよいのか、いささかの無駄もないマイルスのソロに圧倒されました。全然無駄がない、物凄い完成度という点では「アランファス」はアルバムKind of Blueに共通すると思います。しかし、トータルアルバムとして聴きたいとは思わず、前半の抑制された感情美、そして後半のオペラが展開してゆくかのような3 - 5曲がセットになっているのだと思いました。
さらに3曲ボーナストラックが入ることで、このバランスに影響が出る気もしますが。まあ、アランフェスのマイルスのソロは音がよければよいほど堪能できるのは間違いないので、リマスターということを評価、ボーナストラックは本来の5曲とは別に聴く方がよいと思いました |
Tutu評価:★★★★★
ワンマンバンド的とのレビューであるが、実際にマーカス・ミラーがバックトラックを全て作ってしまって、その上にマイルスが演奏を重ねた作品であるから(中山康樹著の「マイルスを聴け!!」径書房による)文字通りワンマンバンドなのである。私は最初にこれを聴いて、帝王の老後の余興かと思った。貧乏旅行の野宿中に鳥取県の倉吉駅の駅前で夜通し繰り返し聞いていたことを思い出す。この作品を聞くたびに生まれて初めて警察の職務質問というものを受けた記憶がよみがえる。まあそれはそれでよいが、それから 10年以上、ただの余興と思ったのなら聞くのをやめれば良いものを、なぜか聞き続けている。何か取り憑かれたかのような感じがする。 帝王の老後の余興という最初の感想は完全に間違っていたとは思えない。 ただ、たとえ余興であってすら、帝王の余興であれば、背筋を伸ばし 刮目して聴くべしということなのだと思う。 |
Amandla評価:★★★★★
マーカス晩年の最高傑作の一つ。もっと注目されていい作品だと思う。 曲が良く、演奏がいい。他に何が要る? スローナンバーのタイトルチューンも良いが、4曲目の「ハンニバル」がカッコいい。これらを含めほとんどの曲はマーカス・ミラーの作曲だが、改めて彼の作曲能力の高さを証明している。マーカスを始めとするメンバーに全幅の信頼を置き、曲を高みから見下ろすようにして、思うがままにシャープなプレイを展開する帝王マイルスは、決して色褪せることがない。 奇しくもマーカス・ミラーの最新ライブ「the ozell tapes」のラストは、ハンニバル、アマンドラ、TUTUのメドレーだった。まさに時代を超えて歌い継がれる名曲たち。TUTUの好きな人も、マーカスファンも必聴の傑作だ! |
Doo-Bop評価:★★★★★
老いてもなお衰えを知らない才能と魂。ヒップ・ホップに見事な程マイルスの超クールなトランペットが乗っかっています。1992年度グラミー賞Best R&B Instrumental Performance 受賞作品。 |
Live Around the World評価:★★★★★
ご老公やっぱり息切れしてまっせ・・・晩年のライブだということだがマイルスの呼吸機能が衰えていたのが音から響いてくる。相当辛かったのじゃないかな。マイクで増幅してバックと張り合っても、どうしても隠せないものがある。音を外して観客がブーブー言うシーンもある。肺炎になってあっという間に亡くなったのもなんか分かるような気がする(評者は医師です、一応)。一方で、たとえば(10)のtime after timeでオープンで歌い上げるメロディーはもう涙ぼろぼろ。この曲を聴くだけでも値段の価値はあるから星5つ。ただ・・やっぱり息切れしてしまってミュートに逃げている(ミュート使うとオープンより楽なんです。トランペットって)。 ステージですごいしわがれ声でなにか言って観客が沸いているというシーンもあり、マイルスとケニー・ギャレットが交互に演奏しているところで客が声を合わせて歌ったら客の歌うメロディーに合わせてマイルスがメロディーを変えて客が大喜びしたり、無愛想に自分の吹くところだけ吹いてさっさと引っ込んでしまう若いころのスタイルから変化があった模様。帝王も丸くなったということか? ケニー・ギャレットが晩年のマイルスに助や格みたいに付き従って良い演奏をしている。この人だけはマイルスを尊敬していたのだろうと思う。パワー満点だがご老公をいたわっている気持も十分。芸と言うより力押しなのでうっかり八兵衛というよりやはり助や格。 |
ストーリー・オン・ダイアル Vol.1評価:★★★★★
ノイズ交じりの劣悪な録音、古色蒼然たる音の響き、今では考えられない演奏フォーマットなど、Parkerのどこが凄いのかまったく理解できなかったのが最初の印象。その後、懐古趣味も手伝って数十回聴いているうちに、あんたの気のせいと言われそうだが、ある日突然「目からウロコ」状態。私にとってParkerは特別な存在になった。あらゆる角度から解釈され尽くした感のあるParkerだが、個人的な体験から彼の特異性を表明するなら、「Charlie Parkerはリアルだ」ということ。そもそも音楽を聴くという行為は、LPやCD、最近ではデータに定着された「過去」をトレースし直すという作業と言い換えることができる。しかしそれはあくまでも追体験であって、演奏するプレイヤーやライブ盤なら観客などその場にいる当事者ほどの臨場感を獲得することはどうしても不可能だ。これは音楽に限ったことではなく、メディアに収録され得るすべての芸術に共通する宿命である。では、Parkerは? いつでも、私たちの目の前に「イマ」を現出する世界を展開してくれる。こう思う時がある、Charlie Parkerとは次元の高いJazzの演奏家ではなく位相の異なる文化の創造者ではないか、と。1940年代後半のDialとSavoyは彼の絶頂期を収めた2大レーベル。国内外のレコード会社からさまざまな形とボリュームで発売され続けている。決して押し売りはしないけれど、Parkerを聴くならBGMとしてでもいいから何度もできるだけ繰り返し聴いて欲しい。 |
Nefertiti評価:★★★★★
まず私の好きなピノキオから。別テイクは無視してもらっても良い。(うーんのりが...)本テイクのできはすばらしい。冒頭のマイルスのソロ文句無し。ハンコックも途中でバッキングをやめてしまう。邪魔になると思ったか?それほどマイルスのソロはすばらしい。ショーターにソロが移行してもマイルスの作った雰囲気が保たれる。ここでいつも感じるのがショーターのソロになるとトニーのドラムの音が大きくなるように感じる。ミックスダウンの問題かそれともマイルスのソロに影響されたか?。わたしは後者と思いたい。ただただマイルスのソロはすばらしい。1曲目のネフェルティティはこの曲の決定バージョン。ほかのメンバーでのこの曲はどうもいかん。燃えんのだ!!まあこのアルバムを良いと言わない人は保守派なんでしょう。ほんとにホープレスといったとこでしょうか。 |
Miles Smiles (Reis)評価:★★★★★
60年代クインテットは、50年代のそれに比べて、やや人気の面で落ちるようだが、それは音楽の緊張感にあるのかも。収録曲もスタンダードが一切無く、マイルスおよびメンバーのオリジナルのみ、というのがさらに拍車を駆ける。しかし、当然ながらというか、音楽としての完成度は全く引けをとらない。いや、個人的にはむしろ、こちらをとる。フリーという方法論(ないしは生き方)にどっぷり浸ることなく、ジャズを昇華させるには、このやり方しかないのかもしれない。一つ一つの音が有機的に絡み合い、全体として見た時に、不可解なまでに完成されている。にも関わらず、各楽器の演奏は奔放な印象をうけるのだから、もう文句のつけようがない。ジャズ・ファンのみならず、いわゆる「音響派」と呼ばれる音楽を好む人にこそ、お勧めしたい。本当に凄い音楽だ。 |
E.S.P.評価:★★★★★
1965年録音の黄金のクインテットによる第一作。待ち望んでいた Wayne Shorter の加入によりバンドとしての緊密度が高まり、『Kind Of Blue』の世界を、よりダイナミックに、より高いテンションで展開した作品となった。録音当時はフリージャズの嵐が吹き荒れていたが、Milesはあくまで伝統的なスタイルを継承しつつ、緻密に構成された音空間を作り上げた。それは現代のメインストリーム・ジャズにも引き継がれている。このアルバムでは Tony以外の4人がすべての曲を提供しているが、とりわけ Wayne の表題曲 "E.S.P."と"Iris"が光る。Milesも久々に高い音で吹いている。また、リマスタリングによって音の輪郭がくっきりし、凄まじいTonyのドラミング(ブラッシュ・ワークも繊細だ)や、Herbieの無駄のないピアノのタッチを堪能できるようになった。聴いていて引き込まれるようにグルーヴする曲、一方では夜の都会の静けさを持つスローな曲、これがJAZZだ、と納得するアルバムだ。 |
Bitches Brew評価:★★★★
CDで2枚組の大作、さて一聴するなり眼前に広がるムウっとした熱気。気だるい蜃気楼のような音のゆらめき、展開しそうでしないムラムラとした閉塞感、何の解決も呈示されずにそのまま長い一枚目は過ぎていく。2枚目。冒頭いきなりのスパニッシュ・ムードで俄然緊張が高まって急展開、「Miles Runs The Voodoo Down」から「Sanctuary」のクライマックスに至る頃には、ワケもわからず興奮状態、夢中から覚めてみると、再び気だるい蜃気楼のような音響の最終曲に身を浸して茫然としている自分に気づく。発売当時、ある種の前衛作品として激しい毀誉褒貶にあった当作、30年以上経った今でも、こんな長くてワケわかんないもん聴けっかよ、と初めて聴くときは誰もが思うんじゃないか。まあ、物事にはガマンというヤツも必要でね。お手軽バラエティばっかりのテレビじゃガマンは教えてくんないけどさ、ガマンしないとわかんないことって世の中たくさんある。年寄り臭いな(笑)。暑い夏なんかに、エアコン切って、じっと汗かきながらこれをきいてみる、という時間をつくってみるのも、長い人生悪くはないんじゃないかと思う。 |
Someday My Prince Will Come評価:★★★★★
このCDを飾るポートレートは当時のマイルス夫人のフランシス・テイラーであるが、どうもデザイン的に軟弱という意見があるらしい。何かマイルスという人、コワモテのイメージが定着していてこのCDのタイトルもタイトルだけに、余計引っかかるようだが、小生はタイトルもデザインも双方気に入っている。さて、このCDの白眉は1と5。1のタイトル曲はマイルスお得意のハーマン・ミュートでのバラードであるが、これがいつになくイカす。メロディーを分解せず、原曲に忠実に吹いている。新参のモブレーの湿った音も良いし、これに続くコルトレーンも当然にヒップであるが、この2人のテナー奏者がいなくても良かったかも、と考えてしまう程、マイルスの吹くテーマが素晴らしい。正にマイルス・ワールドそのものであり、他者が入り込めない雰囲気を作ってしまう。至芸と云うべきだろう。ワンホーンで演っていたらと、しみじみ思うのである。逆に、5はコルトレーンを聴くべきトラック。この曲はワルツで、コルトレーンの高名な「My Favorite Things」もワルツであることを考えれば良い演奏は事前に予想出来たかもしれないが、男性的で強面のの音はマイルスと対をなすコントラストである。ドラムスがエルビン・ジョーンズであれば正にコルトレーン・カルテットの音になった。その点でジミー・コブのドラムスは小生には些か物足りなく映ってしまった。カインド・オブ・ブルーのような革新性は無く、録音順としてはその後だけに進取の気象が逆転した内容、という人もいるが、内容は文句なしの★★★★★星。それ以下にする理由は小生には全く思い当たらない。 |
1969マイルス評価:★★★★
正直いうと、このアルバムはセールス的にも最高傑作「Bitche's Brew」からの名曲が聴ける点が好きなのだけれど、途中のキーボードのソロは多少退屈だと思っています。ファンとしては、Miles runs boodoo downやFootprint(マイルススマイルズより)、Sanctuaryのイントロをマイルスが始めるだけで、ゾクッとします。 |
Kind Of Blue評価:★★★★★
これぞ至高の極み。どこまでも切なくて、はかなく、そして美しい、無駄なものを一切はいしたわびさびの世界。このCDはトレーにのせてplayボタンを押した瞬間、私を至高の空間へ誘ってくれます。あなたも是非体験して下さい。 |
アガルタ評価:★★★★★
1967年7月17日、コレクティブ・インプロビゼーションというベクトルを指し示していたジョン・コルトレーンが死んだ。多くのジャズ・ミュージシャンの精神的支柱であった彼の死後、もう一人の精神的支柱であるマイルスがどう動くか、ジャズ全体が彼の動向に注目していた。それが60年代の終わりのジャズの渾沌とした状況だった。そしてマイルスはジャズ・ファンクに突っ走る。 なぜ、ジャズ・ファンクか?その答えは同じ1967年にデビュー作『アー・ユー・エクスペリエンスト?』を発表したジミ・ヘンドリックスの音楽である。彼の音楽がいかにマイルスのジャズ・ファンク傾倒に火をつけたかをロックを聴き続けてこの時期のマイルスの音を聴いたものは誰しも感じずにはいられないだろう。一言で言ってマイルスはジミ・ヘンドリックスの音を自分のものにしたかったのだ。 よってこの時期のライブはロックを聴き続けてきてこの作品を聴く者と、ジャズをピュアに追いかけてきてこの作品を聴く者とではまったく違って聴こえてしまう。特にギターがだ。 マイルスはジミ・ヘンとファンクしたくてたまらなったに違いない。故にロックとして聴けばここでのギターは単なるジミ・ヘンの偽物である。このパラドックスと渾沌が火の玉のように燃える。 そう、1969年8月の3日間CBSスタジオで録音された『ビッチズ・ブリュー』から、マイルスが一時沈黙するまでの間に演奏された作品群は、ジャズ・ファンクという強烈なベクトルに、才能あるミュージシャンを次々と放り込み、その渾沌から何が見えてくるかをマイルス自身も若手も同時体験した時期だったと僕には思える。 こういうことはマイルス以外誰もしなかったし成しえなかった。年齢がいったミュージシャンのほとんどは自らの年齢を鑑み、冒険を忘れ、スタイルを固定し、ひたすら枯れて行くような静的方向へと固まるばかりだ。しかしマイルスにとって年齢とは単なる数字であって、今日は昨日に1を足した前進の加算でしかなかった。真の天才は年齢がない。 このパラドックスと渾沌が火の玉の経験が後に自らの音楽とは何かを参加したミュージシャンに問うこととなる。それが、チック・コリアのスパニッシュ回帰であり、キース・ジャレットの静寂である。そしてそれらの開花がジャズを一段上の次元の音楽に押し上げたことはまちがいところだ。 本作はそういうジャズやロックの様々な変容を頭に入れた上で聴くべきギグなのだと僕には思える。 |
Get Up With It評価:★★★★★
うーん、おどろおどろしい。そしてこのビートの重く凶暴なこと。 なんという革新的なリズム。"Rated-X"なんてジャングルビートである。言っておくがこれは30年前に作られたアルバムである。そして"Calypso Frelimo" これ以上パワフルで恐ろしいファンクはない。断言する。 このアルバムの良いところは各曲がきちんと構成されていることだろう。あの時期のデイビス氏にありがちだった悪く言えばだらだらといつまでも続く実験性はありません。何をやるのか演奏する前にかなり決めてからレコーディングに入った、という印象が強い。 トランペットも絶好調。けれど、これはトランペッターとしてのデイビス氏よりも、新しい音楽を創造する偉人としての彼を堪能できるアルバムだろう。"Bitches Brew"をもっと激しく暗くした音である。 "On the Corner"を買ってあのアルバム全般を貫く単一のビートに引いてしまった若いブラックミュージックファンのあなた、このアルバムにその心配はありません。あれをもっとバラエティー豊かに、そしてもっと強力にしたものです。 そして全てのファンクファン、これは絶対に聴くべきです。ファンカティアーなら、これを聴けば人生がかなり豊かになりますよ。 |
On the Corner評価:★★★★★
ジャック・ディジョネット、ドン・アライアスがぶち切れてやってますね。いい事です。(笑)スライ&ファミリー・ストーンを研究してこのサウンドが出来た? いやあ、単にマイルスが好きで聴いてただけとちゃいますか? これはマイルス以外の何者のサウンドでも無いですね。影響を受けたというだけの事でしょう。まずジョン・マクラフリンのギターがやっぱりかっこいいです。この頃の彼は音が立ってましたね。今みたいに派手なことをやっている訳ではないが、印象に残る。また、時折はっきりと聴こえてくるマイルスのオルガンの演奏は彼のサウンドとしか言いようがない。不思議感覚いっぱいでマイルス・メーターが振り切れています。特に4が好きですね。カルロス・ガーネットのテナーソロがかっこ良くて痺れます。バダル・ロイ。いっちゃってますね。実に良い事です。音楽はこうでなくっちゃね。でも、リズムはかなりばらついてると思います。そこがいいのかな?全部聴くと疲れるのは確か。でも、何度も聴いているとはまります。(^_^) 確かにタブラが入ってインド風味なんですけど、マイルスそのものには、かなりジャマイカ、キューバ等の南の風が吹き出して、トランペットの音自体(ワウワウだろうがなんだろうが)が、アコースティック自体とタッチが変わってきたと思います。南の音がトランペットから出てきている。それが音楽をキュートにしていると感じますけど、これはかなり個人的な聴き方かも。人によって受ける印象が違うのは当然なんですが、僕はキュートな音楽だなあと思いますよ! |
BIRTH OF THE COOL評価:★★★
クールジャズを世界に知らしめた事は、歴史的意義が高いが、この演奏を聴いて、正直あなたは面白いですか?マイルスはギル・エバンスと組んで、「俺にはこんな音楽も出来るんだぞ」と知らしめた記録であり、この後、マイルスはクールジャズを演奏していない。この後、白人はこぞってクールジャズにはまりこんだが、マイルスはせせら笑っていたに違いない。「俺の真似をしても俺にはかなうまい。俺はさらに前進するんだ」と思っていたに違いない。 1回聴けばそれで良いアルバムです。 |
Milestones評価:★★★★★
この頃の典型的なハードバップ。タイトル曲の「Milestones」はテーマ、演奏ともに素晴らしく、既にジャズクラシックにもなっている。(マイルス自身も、長くライブで演奏し続けた。)もちろん、それ以外の「DR.JACKYL」 、「SID'S AHEAD」「Straight No Chaser」など、どの曲をとってもとても良い、駄曲駄演のない好盤である。後にモードジャズの推進という観点でマイルスに大きな影響を与えたビルエバンスはまだ参加していないが、その方がこの作品の雰囲気にはあっている。 |
'Round About Midnight評価:★★★★★
1955年10月27日、1956年6月5日・9月10日、ニューヨーク、コロンビア799セブンス・アベニューおよび30thストリート・スタジオで録音。 本作はマイルスのコロンビアにおけるデビュー・アルバムである。タイトル曲はご存知喧嘩仲間のセロニアス・モンクの曲だが、ギル・エヴァンスがアレンジしたようだ。コルトレーンがテーマのバックで吹くメロディは本来オーケストラのために書いたものだったのをいつものようにぶらりギルのアパートにやって来て勝手に雑誌を読んだり飲み物を飲んだりしていたマイルスが聴き覚え、自分のレコーディングに使っていいかを尋ね、許可をもらったそうだが譜面は渡さなかったそうだ。しかし、その内容をマイルスは正確に覚えていて、マイルスとコルトレーンの2管編成に直して吹き込んだのだ。閑話休題。本作そして『Kind Of Blue』はマイルスのアルバムの中で有名評論家諸兄によって代表作としてあげられ、いまだにマイルスのアルバムの中でトップ・セールスを記録しているようだ。ジャズ評論家は各ミュージシャンから3枚くらいずつアルバムを選びだして、『決定盤ジャズ百選』みたいな本を出しているが、その際には本作と『Kind Of Blue』は必ず入ってくる。しかしながら、そんな聴き方・選び方はマイルスの場合2つの意味で間違っていると僕は思う。 1.マイルスのような多作かつ偉大なミュージシャンの数枚のアルバムで他のミュージシャンのように理解かつ楽しめる分けがない。 2.マイルスほど最初の『クールの誕生』から遺作『doo-bop』まで変貌を続けたミュージシャンはいない。それを数枚のアルバムで知ることなど不可能だ。 プレスティッジでのマラソン・セッションで録音された4部作や渾沌に満ちたジャズ・ファンクの『ビッチズ・フリュー』、最晩年のマイケル・ジャクソンの『ヒューマン・ネーチャー』の演奏を聴かずしてマイルスを理解し、その偉大な音楽を楽しむことなどできません。それは人生の一番楽しい部分を放棄していることでもあると僕は思うのだがどうだろう。 |
'Round About Midnight評価:★★★★★
説明不要の名盤がSACDで登場。 このCDが大好きだったのでうれしい限りです。 また未発表曲も収録されてファン感激も1枚です。 これからJAZZを聴こうと思ってる人も 是非聴いてみて下さい! |
ザ・キング・イズ・ゴーン評価:★★★★★
マイルス亡き後のジャズシーンを牽引する正当な後継者は誰だろうか?邦題「ザ キング イズ ゴーン」というタイトルの通りこの作品はマーカス・ミラーによるマイルス・ディヴィスへのトリビュート作である。と同時に、後継者は自分だという宣言とも思えるだけの傑作である。このアルバムでは彼自身に影響を与えた偉大なるミュージシャン達、マイルス、ジャコ、スティーヴィー・ワンダーへのレスペクトが、彼自身の音楽的なルーツを物語ると同時に、90年代のジャズの新しい可能性を切り開いて見せている。それはただ懐古的に偉人達の足跡をなぞるだけではなく、様々なエッセンスを取り入れながらも現代性を持ち合わせていることである。(日本のジャズファンは視野が狭いのか、もうジャズというものが進化する事を拒んでいるようかのように思われる)参加メンバーはあまりにも豪華であり、その意味は90年代を代表するジャズアルバムであろう。このアルバムを何かに例えるならば、極上のエスプレッソコーヒーを大きなマグカップで飲んでいるような感じである。その芳醇な香りと苦味は、時代を超えて黒人音楽のルーツへ遡上する旅にと誘うのである。 |
1958マイルス+2評価:★★★★★
マイルスのアルバムは沢山持ってますがこれは比較的聴く回数が多いアルバムです。なんといっても曲が良いです♪ジャケット・デザインもかっこいいですね!難しい理屈は抜きにして楽しめるアルバムですよ。数少ないビル・エバンスとの共演盤でもあります。この二人の共演は最高に好きで、できればもっと聴きたかったな−…。その意味では「カインド・オブ・ブルー」もお奨めです。 |
I LOVE JAZZ(2)評価:★★★★
前々からジャズには興味があったが、何を聞けばいいか分からなかったのでこのCDを買ってみました。歌が少なく、少しイメージしていたものとは違ったが、普段パンクやメロコア、ラウドロックばかり聞いている自分には、いつもと違った気持ちになれたかもしれない。たまにはこういうのもいいかな?と感じたし、もっとジャズを聞きたくなった一枚だった。 |
マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ評価:★★★★★
Bag’s Groove とならぶ名盤が廉価版で! Monkとの緊張感あふれるThe man I love やColtraneとのおなじみRound about midnightなどなど・・・。お買い得です。 個人的にはこの頃のMilesの作品は彼の演奏より共演者の演奏のほうに興味があります。失礼! |
マイルス・デイビス・アンド・ミルト・ジャクソン評価:★★★★★
1955年8月5日、ハッケンサックで録音。1982年にデジタル・リマスターされている。(1982年にデジタル・リマスター技術なんてあったのかなぁ・・・・大丈夫かプレスティジ) 全部でオリジナルは4曲。ジャッキー・マクレーンが1と3の2曲。2がサド・ジョーンズ、4がレイ・ブライアントの曲である。当時超若手だったレイ・ブライアントのピアノが聴けるのがこのアルバムの魅力の一つでもある気がする。(●^o^●)このアルバムは『めちゃくちゃ有名な』ミルト・ジャクソンと嫌友セロニアス・モンクとの1954年のクリスマス・イブ・セッションの丁度半年後に行われている、ということも興味深い。いろいろ考えを廻らせながら聴いてしまうアルバムである。 |
マイルス~ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット評価:★★★★★
飽きない和食といった おもむき。レコード屋で店員の女の子が推薦したので買った。一人で聞くのに 向いている。 |
ワーキン評価:★★★★★
マイルスが1956年、CBSと契約をするために、5月11日と10月26日の2日間だけで完成させた4部作、通称「マラソンセッション」の中では、「クッキン」、「リラクシン」の陰に隠れている存在なのですが、1曲目、ガーランドの静かなピアノ・ソロから始まる「It Never Entered My Mind」のマイルスのトランペットには、凡百のジャズ曲が及ばない優しさに溢れた演奏に参ってしまう事、請け合いです。15年ぐらい前に、一ノ関のジャズ喫茶「ベイシー」を訪れた時、このA面がかかっていました。当然、オーナーは菅原さんですから、LPをかけていましたが、針音もソフトで、JBLの自作スピーカー(当時、12インチウーハーを片チャンネル4本使用、中音、高音は当然ホーンスピーカー、現在はまた改良されています)から流れる音楽の素晴らしさ、LPの情報量の高さに驚き、1時間程、席を立つ事ができませんでした。LPは4曲目までで、「テーマ」で締めくくられている構成です。CDになり、それが分かりにくくなりましたが、その時の体験がきっかけで、しばらく遠ざかっていたジャズにのめり込む事になりました。思えば、罪なアルバムですが、有りがたい気持ちで一杯です。私の人生を変えた傑作アルバムです。是非、貴方もいかがですか? |
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