イン・ストックホルム1960コンプリート評価:★★★★★
コルトレーンの退団を控えたマイルス・クインテットとコルトレーンの後釜としてソニー・スティットを迎えた同クインテットのヨーロッパツアーにおけるストックホルムでの実録もののカップリングCD。マイルスはその時代、時代でまさに進化を遂げたジャズ界の巨星であったが、個人的にはこの時代の録音、具体的にはプレスティジのマラソン・セッションからコロンビア移籍を経て、コルトレーンを擁していた頃の演奏に限りない愛着を覚える。この後の所謂「新主流派」と呼ばれるクインテットにも限りないグルーヴを感じるが、やはりマイルスとコルトレーンのコントラストの妙となれば、この時代をおいて他にない。やはり白眉はコルトレーンとの演奏を記録した、DISC1ということになるが、かの中山康樹氏が云われるほどスティットの演奏が退屈ということは無いし、むしろメインストリーマーとしての面目躍如といったところ。しかし、コルトレーンと比較すれば、スティットのそれはいかにも古臭い。マイルスが醸し出すグルーヴとも異種の感がするのは小生だけか?それと、本CDにはスティットとトリオの演奏、つまりマイルス抜けのセッションも記録されているが、これは全くテンションが違うように思う。演奏がまずいということではなく、ボスの統制がなければ、違う音楽になるということ。そういう意味でも貴重な音源と思う。このツアーは他にパリやコペンハーゲン等でも開催されたが、ライブ録音は海賊盤を含め数枚出ているようだが、このCDは公式盤だけに音質が良い点などから、買って損のない内容!コルトレーンの肉声も聞ける(インタビュー収録)オススメの4時間27分46秒である。 |
ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオVol.2評価:★★★★★
ウエスモンゴメリー(超有名ギター奏者)、ウイントンケリー(最高にファンキーでブルージーなピアニスト)の2大競演による上質のライブアルバム。このアルバムではウイントンケリートリオにモンゴメリーがゲスト出演という形で演奏されている。どこから沸いて出てくるのか不思議なウエスのギターフレーズ。そして、オクターブ奏法、微妙なタッチなど完璧なテクニック。彼こそジャンルこそ違うがセコビアと並ぶギターの巨匠だと思う。 このライブでは彼の想像力、演奏力が十分に楽しめる。 それをウイントンケリートリオがそれと対等な演奏を見せてくれる。 長年一緒にやってきたような素晴らしいバンドサウンド。 ロックファン(私はそうですが)にも是非お勧めの一品。 |
1958マイルス+2評価:★★★★★
マイルスのアルバムは沢山持ってますがこれは比較的聴く回数が多いアルバムです。なんといっても曲が良いです♪ジャケット・デザインもかっこいいですね!難しい理屈は抜きにして楽しめるアルバムですよ。数少ないビル・エバンスとの共演盤でもあります。この二人の共演は最高に好きで、できればもっと聴きたかったな−…。その意味では「カインド・オブ・ブルー」もお奨めです。 |
枯葉評価:★★★★★
「グレイト」「ミッドナイト」に続くヴィージェイ3部作のトリにあたる本作は“枯葉”をはじめスタンダードナンバーの多さとドラムがジミー・コブになったことでしっとりと落ち着いたムードで楽しめます。「アット・ミッドナイト」でのフィリーにプッシュされてグイグイいくのも気持ちよいが、この盤のようにリラックスしたケリーもまた最高です。コブシの気持ち良さとでもいうのかいわゆる“ケリー節“がたまりません。−のバラードなど一押しです、是非聴いてみてください。 |
ヒアズ・リー・モーガン評価:★★★★★
リーモーガンの魅力がもっともでているアルバムだと思います。マイルスの世界とは別のシンプルなトランペットな魅力があります。突き刺さるようなトランペットが聞きたい人にはおすすめ。 |
アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション(XRCD-24bit)評価:★★★★★
録音の良さで知られるコンテンポラリー・レコードの不世出の録音技師ロイ・デュナンの手によるもの。西海岸を感じさせるリアルでクリアな音質に驚ろかされるばかりだ。高出力アンプにJBLスピ−カーなどのよい音源で聞くと、その臨場感に圧倒される。また、オーナーのレスター・ケーニヒの肝いりで急遽決まったというセッションは、当事No.1といわれた一糸乱れぬマイルスのリズム・セクション+ウエスト・コーストを代表する天才肌のアルト、アート・ペッパーという千載一遇の顔合わせだ。のっけからYou'd Be So Nice To Come Home Toの名演一発で、しびれてしまう。すでに麻薬付けといわれていたペッパーだが、信じられないようなすばらしいプレイを聞かせ、生涯の最高傑作をものにしてしまった。同じく60年2月にコンテンポラリーに残したGettin' Togetherは当時マイルスのリズム隊のP・チェンバース、ウイントン・ケリー、ジミー・コブによるもので2匹目のドジョウをねらった感があるが、リズム隊の差という以上に、時代を経ことによるペッパー自身のイマジネーションの不足、体調不良によるダウン現象が如実に現れ、おまけに悲しいかなアルバムジャケットに映し出されたペッパーの美貌やデザインも含め比較にならない出来である。70年代に一度復活をはたしたものの、やはりペッパーのベストは50年代であろう。 |
キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ評価:★★★★
ボクにとって、このアルバムは、誰がなんと言おうとキャノンボールさんのワンホーンによる「2.アラバマに星落ちて」です。ウィントン・ケリーさんの美しいイントロに続いて、キャノンボールさんの歌いっぷりはもう文句なし!絶妙にじらす音出しには胸を締め付けられます。 |
ルグラン・ジャズ評価:★★★★
『ロシュフォールの恋人達』等の数々の映画音楽で知られるフランスの名作曲家ミシェルルグラン。 彼のジャズマンとしての才能を世に知らしめた記念すべき一枚。 若きフランスの音楽家がマイルスやコルトレーン、ハービーマンやビルエヴァンス等の名立たるジャズの巨星達を相手に指揮を取るという前代未聞のビッグバンド。スタンダードな選曲ですが、アレンジがルグラン節全開で面白い。 十八番とも言える転調しまくりのアレンジで魅せる『ザ・ジターバグ・ワルツ』に始まり、超高速『チュニジアの夜』、超豪華メンバーによる『ラウンド・ミッドナイト』等、聴き所も盛り沢山です。 しかし、これ程の内容ではありますが、この後に発表される事になるルグラン作品達と相対評価してしまうと星4つでしょうか。 |
コンプリート・ブラックホーク評価:★★★★★
マイルスの未発表音源がコンスタントにリリースされている。マイルスは、「もう俺のブックは閉じたんだ」と言うだろうが、ファンにとっては、貴重な宝を提供されて嬉しい限りです。ブラックホークのライブ音源がCD4枚分も有ったとは、驚きです。「朝日のようにさわやかに」は、以前、全くリリースされていない音源です。初版LPでは、マイルス以外のプレイヤーの演奏が部分的にカットされていたが、今回は全曲未編集。ファンとしては、アドリブ内容の是非にかかわらず、そのステージを再現されるのは、好ましいと思います。従来盤を持っている人も買いましょう。テナーがコルトレーンでなく、ハンク・モブレーなので、演奏は軽快です。その点では、アンチコルトレーン派も聴きやすいでしょう。必携! |
クール・ストラッティン評価:★★
−へそまがりかも知れませんが、僕は本作やMoaninに代表される、いわゆるファンキージャズ、ジャズ喫茶時代の名盤と言われるジャズは全く波長に合いません。とにかくオジン臭い。話題にされるのはいつもインプロヴィゼーションのパートではなくテーマの方ばかり。私は60年代のMiles QuintetやOrnett先生のGolden Circle−− Liveを解する人こそ本当にジャズの分かる人と認めたいですね。− |
ブルー・トレイン評価:★★★★★
マイルス・デイビスのオリジナル・クインテットが一時解散し、セロニアス・モンクのコンボに参加後の、成長著しいコルトレーンの姿を記録した貴重なアルバムである。ブルーノート唯一のリーダー作でもある本作は、サイドメンが充実し、3管編成の典型的なハード・バップに仕上がっている。曖昧なフレーズもなくなりバリバリと吹きまくるトレーンは、すでに東海岸の代表的なテナー・サックス奏者に成長し、自信に満ちたプレイを見せている。ブルー・トレインの単純なテーマからソロに入って一転、うねるようなアドリブで自在にブルースを音の織物にしていくコルトレーンの楽想は素晴らしく、58年のソウル・トレインと並ぶ50年代の金字塔であり、コルトレーン飛躍の記念碑アルバムとして絶対に欠かす事が出来ない。弱冠二十歳に満たない天才トランペッター、リー・モーガンも溌剌としたバイタルなプレイを聴かせ、カーティス・フラーが加わったフロント・ラインは重厚でアンサンブル的にも優れている。ジャケット・デザインがブルーノートらしく、かっこよく決まっている点も魅力だ。この後、再びマイルスのコンボに加入し、比類なきセクステットにおいてモード・ジャズの極点を目指し「マイルストーンズ」「カインド・オブ・ブルー」の吹込みへと続くのである。 |
ザ・シーン・チェンジズ評価:★★★
上のレビューで録音の際パウエルの唸り声みたいなのが気になるって描いてあるけど、正直私は気になりません。 乗ってきたら声を出す、そんな素直な出来事だと思います。 |
ベース・オン・トップ評価:★★★★★
ジャコ・パストリアス、マーカス・ミラーを引き合いに出さなくてもベーシストの魅力は良く知られるところだが(この2人はプロデュース能力もすごい)、ポール・チェンバースはご存知だろうか?この人はベーシストというより、ベースマンといったほうがピッタリのベース弾き職人である。精神的・肉体的に充実した時期に制作されたこのアルバムは、まさにベースという楽器の音楽図鑑のようである。 いつでも聞いていたいし、いつまでも聞きつづけたい。 |
リー・モーガン Vol.3評価:★★★★★
ブラウニーは、とても頭が良かったらしい。そのブラウニー亡き後JAZZ界が白羽の矢を立てたのがリー・モーガン。ブルーノートとサヴォイの両方から同時期に初リーダーアルバムを出してしまった彼もやはり天才なのだろう。そして彼もまた人生をまっとう出来たとは言いがたい最後を迎えてしまうのも何かしら感じる部分が有る。ブラウニーの親友でも有りモーガンとも旧知の仲だったベニー・ゴルソンがこのアルバムで音楽面での総監督をやっている。ブルーノートでの2度目の録音から彼のアルバムにアレンジャーとして参加しているがこのアルバムでは演奏にも参加している。 そして彼が作曲した亡き友に捧げる名曲「アイ・リメンバー・クリフォード」もここでのリー・モーガンの名演奏が初演だと言うことも考えると、こちらの勝手だろうが何がしか感慨深いものを感じてしまう。 勿論リー・モーガンの事を良く知っているベニー・ゴルソンに全体を任されたアルバムなのだからどの曲も素晴らしいできばえだ。 |
ソニー・クラーク・トリオ評価:★★★★★
ソニー・クラークは1957年,26歳でブルーノートレーベルから初リーダー作 "DIAL "S" FOR SONNY" をリリースしています。彼はその後,たった半年で矢継ぎ早に数枚のアルバムを録音しています。3管編成の "SONNY'S CRIB",本作 "sonny clark",そしてジャズ史に残るベストセラー "COOL STRUTTIN'" など…。彼は,このアルバム "sonny clark" 録音の2ヵ月後に,同じメンバーに2管を加えて,"COOL STRUTTIN'" を録音しています。そんな,まさしく当時の最高のレーベル,最高のメンバー,しかも最高に乗りに乗った時期に録音されたこのアルバムが,最もピアノトリオらしいピアノトリオのアルバムの一枚であるといわれているのも納得できます。 それがこの価格で聞けるのですから,ピアノトリオが好きな人は,コレクションに一枚入れてみてはいかがでしょうか。 曲は,どれも素敵です。特に名演といわれている「朝日の…」もですが,他のどれも心地よく聴く事ができます。 |
ソウル・ステーション評価:★★★★★
ブルーノート・レーベルを代表するだけでなく、ハード・バップを代表する一枚がこの「ソウル・ステーション」。1930年生まれのモブレー30歳の時、1960年の録音。ウントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・ブレイキー(ドラム)と当時の黒人のトップ・ミュージシャンをバックにモブレーが吹きまくる。モブレー作曲の「ディス・アイ・ディグ・オブ・ユー」に加えて、表題曲の「ソウル・ステーション」がごきげん。ウイントン・ケリーのピアノのスイングぶり、ブレイキーのドラムソロも素晴らしい。まちがいなくハンク・モブレー生涯のベスト。オリジナルの録音はルディー・ヴァン・ゲルダーで24ビットリマスターなので、音も最高。安い。(松本敏之) |
ソニー・ロリンズ VOL.2評価:★★★★
ブルーノートにはワンホーンアルバムが何故か少ない。オーナー兼プロデュサーのアルフレッド・ライオンの意向(好み?)からか、二管、三管のレコーディングセッションが多い。ジョニー・グリフィンのブローイングセッションなどは四管(グリフィン、モブレー、コルトレーン、モーガン)だ。恐らくは営業上の戦略で、なるべく数多くのプレーヤーを一枚のレコードで紹介した後、彼らのリーダーアルバムを作り、レーベル全体のセールスを伸ばそうと考えたのだろう。ライオンは若くて優秀なプレーヤーをたくさん抱えていた。良く言えば一枚で二度三度美味しいサウンドとなるのだろうが、逆に言えば、イマイチ、リーダーに焦点が定まっていないと言えなくもない。そこでこのロリンズのVol.2(Blue Note1558)だ。二管(ロリンズ、J.J.ジョンソン)、二ピアノ(シルバー、モンク1曲?)にベース(チェンバース)、ドラムス(ブレーキー)の六人から成るセッションになっている。いきなりロリンズの豪快なテナーが炸裂する。絶好調のロリンズがしばらくアドリブをとった後、他のメンバーが順次ソロを引き継いで行く。皆ハードバップのエッセンスを詰め込んだような見事な演奏で圧倒される。息の合ったメンバー全員の相乗効果が素晴らしい力強いジャズだ。 だが、ブルーノートらしく、リーダー以外の演奏(特にジョンソンのソロ)にも耳が奪われるような構成になっている。ロリンズ好きの私には少々食い足りないもどかしさも残る。リーダーよりも、ブルーノートのレーベルカラーが優先された音作りがなされているようにも感じる。やはりロリンズと言えばあの延々と続く豪快なトーンによるアドリブだ。プレステージでのワンホーン作(ウイズMJQ、サキコロ、テナーマッドネス)の方が主役ロリンズにスポットライトがあたっていて好きだ。ブルーノートで言えば本作後のビレッジバンガード・ライブやニュクーズタイムのほうがよりコアなロリンズが聴ける。 |
ロール・コール評価:★★★★★
〔2〕、〔4〕、〔5〕が良いかな。特に〔5〕は『ソウル・ステーション』の雰囲気。6曲中5曲がモブレーのオリジナルですね。個人的には、『ソウル・ステーション』のワン・ホーンで自由奔放なPLAYの音肌が(艶、groove感により、シンパシーを感じる)良いような気がして好きです。バッキングは『ソウル・ステーション』のメンバーにFREDDIE HUBBARDが加わったものですが、特に、モブレーはWYNTON KELLYのバッキングと相性が良いと思います。 |
ソニー・クラーク・クインテッツ評価:★★★★★
Blue− Noteの1500番代で唯一番号が決まり、カタログにも掲載されながら発売されなかったレコード。当時の「クール・ストラッティン」(1588)の売り上げが不振だったため、見送られたというのが有力な説になっている。既に名盤としてのステイタスを確立した「クール・ストラッティン」のアウトテイク2曲、「ロイヤル・フラッシュ」「ラヴァー」を含むこのアルバムは、何−−故発売が見送られたか訝しむほどクラークの出来がいい。「クール・ストラッティン」が気に入った人なら間違いなく買って損はない。− |
ウィムス・オブ・チェンバース評価:★★★★
ハードバップの多くのセッションに参加しているのがポール・チェンバース。技巧、バランス全てにおいて完璧なベーシストです。 その彼がブルーノートに残した作品の一枚で全曲が満足できる内容。 「tail of fingers」はベースの魅力を堪能できる一枚です。又 コルトレーンやホレス・シルバーも参加しておりバップファンには、お勧めの一枚です。 |
ハンク・モブレー・セクステット評価:★★★★★
モブレー、モーガン、ドナルドバード・・・あなたが演奏家としてのこの三人の中の一人でも好きなら買って絶対に損はないと思います。少なくとも、ブルーノートだから、お洒落だから、って理由で何も知らずに買う類の作品ではないでしょう。 本作は全曲モブレーのオリジナルですが、中々に良いアレンジが施されており、ホーンズが暴れやすいようになっております。特にモーガンとバードのバトルは圧巻!横でモブレーがニヤニヤしているのが目に浮かびます。 |
マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ評価:★★★★★
Bag’s Groove とならぶ名盤が廉価版で! Monkとの緊張感あふれるThe man I love やColtraneとのおなじみRound about midnightなどなど・・・。お買い得です。 個人的にはこの頃のMilesの作品は彼の演奏より共演者の演奏のほうに興味があります。失礼! |
コルトレーン評価:★★★★
1957年5月31日、ニュージャージー州、ハッケンサックで録音。Prestige7105。 1987年にカーク・フェルトンの手でデジタル・リマスターされている。メンバーは1-3がレッド・ガーランド、4-6がマル・ウオルドロンのピアノ。ポール・チェンバースのベースにアルバート・ヒースのドラム、それにトランペットとバリトン・サックスが加わるといったかなり珍しい構成である。 ジャケット写真のコルトレーンは若々しく、テナー・サックスが良く似合う。(●^o^●) 曲は未だ自らのスタイルを確立するには至っておらず、逆に言えばいかに急激にジョン・コルトレーンは成長したが知れることでもある。まだソプラノ・サックスには到達していない。そういうコルトレーンのスタート地点を知ることが出来るアルバムとも言える。この3年後、1960年10月21日から26日までの6日間にコルトレーンは3枚のアルバム分以上の驚異的なレコーディングを行い、これが編集して出来上がったアルバムが、『マイ・フェイバリット・シングス』・『コルトレーン・プレイズ・ブルース』・『コルトレーンズ・サウンド』となるわけだが・・・・夢のようである(●^o^●)。養老先生が言っていた。その人の未来はその人自身の中にあるのだ、と。ジョン・コルトレーンの成長はまさにそれを実地でいっている。しかも物凄い速さで。 |
ラッシュ・ライフ評価:★★★★★
コルトレーン、ソロ作第2弾(だったっけ?)。 1曲目“Like Someone In Love”の出だし1発目のフレーズでメロメロ! ベースとドラムが後から続き、トレーンをサポート。 トリオ演奏なのに、重厚な、それでいて甘−いバラードとなってます。 聴いている自分が素敵だと感じてしまう(?)ほど、すばらしい演奏です。 ジャズが苦手な方にも聴いてほしい、押し売りしたくなる1枚。 最高! |
ア・ガーランド・オブ・レッド評価:★★★★
1956年8月17日録音。ということは、マイルスのマラソン・セッションの途中で録音されたんですね。このトリオの初録音はマイルスの「ワーキン」に入ってる「Ahmad's Blues」ですが、レッド・ガーランドのトリオ作品として、またリーダーとして最初にリリースされたアルバムになります。(スタイルの大きな変化がなかった人ですから、正直、初リーダー作というのに今日はじめて気がつきました・・・。) |
レッド・ガーランズ・ピアノ評価:★★★★★
ジャズの初心者にピアノ・アルバムのお勧めを聴かれたらどうしてますか?勿論これまでその人が聴いてきた音楽によるでしょうが・・・・キースは古典的なジャズから逸脱して分かりにくいし、エヴァンスの聴かせてインタープレイなんて話しても分かるはずないし、モンクはちょっとへヴィすぎるし。僕は初心者にはまずテーマを明快に弾くガーランドがいい、と思ってます。で、ガーランドというと普通まず「Groovy」が挙がりますが、「Groovy」とほぼ同時期(一部同じ日)に同じメンバーで録音されたこのアルバムがいいように思います。理由は、こっちの曲の方がメロディが分かり易いスタンダードが揃っているように思うので。どうでしょうか? |
ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン評価:★★★★
−タイトルを見るとデュオアルバムかと思ってしまいますが、Tommy Flanagan, Paul Chambers, Jimmy−− Cobbのピアノトリオをバックにバレルとコルトレーンが共演する、オーソドックスなハードバップです。 全体の雰囲気はコルトレーン色が強く、バレルのブルージーなテイストはあまり表に出ていません。また、ピアノがいるためか、バレルはソロに徹しておりバッキングはほとんどやっていません。唯一M4のバラードWhy Was I−− Born がバレル&コルトレーンのみの純粋なデュオ演奏で、バレルらしい繊細なコードワークとコルトレーンゆったりと歌うソロのコンビネーションがすばらしいです。− |
ジャッキーズ・バッグ評価:★★★★
モード・ジャズとフリー・ジャズが50年代終わりから60年代初めに吹き荒れていた時期の録音。ハード・バップやファンキー元禄の追い風の中で、大きな曲がり角に差し掛かったジャズがどこに向かうのか予測だにつかない状態の中で、ジャッキー・マクリーンは確実に個性を確立し、新たな胎動へ対峙した自らの音楽を模索しつつあった。このアルバムはそうした状況の中で制作された彼の代表作のひとつである。Quadrangleではすでにフリー・ジャズ的パッセージが感じられるが、他のメンバーは依然としてハード・バップのコンセプトを引きずっているのがなんとも不思議で不安定な気がする。個性が強く職人的アルト奏者でもあるマクリーンだが、冷静にその変遷を省みると常に時代と苦悩しながら試行錯誤してきた姿勢がうかがえる。個性と革新性という二律背反は、大いなる矛盾の中で弁証法的に彼を成長させたのだろう。 |
マイルス~ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット評価:★★★★★
飽きない和食といった おもむき。レコード屋で店員の女の子が推薦したので買った。一人で聞くのに 向いている。 |
ア・ブローイング・セッション評価:★★★★★
コルトレーン、モブレーなどの超有名テナー奏者と共演した、タイトル通りのブロー合戦。かと言ってただただ熱いだけでない。よくあるジャム・セッションのようなマンネリズムに陥らないところは、さすが総帥アルフレッド率いるブルー・ノート盤だ。とにかく黙って聴くべし、大音量がいいね!(許せる範囲で) |
フル・ハウス+3評価:★★★★★
1968年、わずか43歳で永眠したウエス・モンゴメリーがリバーサイド・レーベルに残した傑作。1962年の録音で、後年、演奏力の衰退がはなはだしかったウイントン・ケリー(ピアノ)もこの当時は絶好調。決して一流とは言えないジョニー・グリフィン(テナーサックス)もライブとあって渾身の演奏を聴かせる。ポール・チェンバースのベースはもちろんいい。表題曲のフルハウスのノリもいいが、一転して静かな2曲目の「アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス」や「降っても晴れても」「ボーン・トゥ・ビー・ブルー」など、いい曲が目白押し。後年のA&Mレーベルのイージーリスニングジャズ路線もいいが、後年のウエスしか聴いたことのないファンにぜひ勧めたい一枚。(松本敏之) |
ワーキン評価:★★★★★
マイルスが1956年、CBSと契約をするために、5月11日と10月26日の2日間だけで完成させた4部作、通称「マラソンセッション」の中では、「クッキン」、「リラクシン」の陰に隠れている存在なのですが、1曲目、ガーランドの静かなピアノ・ソロから始まる「It Never Entered My Mind」のマイルスのトランペットには、凡百のジャズ曲が及ばない優しさに溢れた演奏に参ってしまう事、請け合いです。15年ぐらい前に、一ノ関のジャズ喫茶「ベイシー」を訪れた時、このA面がかかっていました。当然、オーナーは菅原さんですから、LPをかけていましたが、針音もソフトで、JBLの自作スピーカー(当時、12インチウーハーを片チャンネル4本使用、中音、高音は当然ホーンスピーカー、現在はまた改良されています)から流れる音楽の素晴らしさ、LPの情報量の高さに驚き、1時間程、席を立つ事ができませんでした。LPは4曲目までで、「テーマ」で締めくくられている構成です。CDになり、それが分かりにくくなりましたが、その時の体験がきっかけで、しばらく遠ざかっていたジャズにのめり込む事になりました。思えば、罪なアルバムですが、有りがたい気持ちで一杯です。私の人生を変えた傑作アルバムです。是非、貴方もいかがですか? |
ケリー・ブルー+2評価:★★★★★
「ケリー・グレイト」「ケリー・アット・ミッドナイト」「枯葉」などの名盤がウイントン・ケリーにはあるが、やはりケリーの愁眉はこのアルバムだろう。まず冒頭の「ケリー・ブルー」。この美しい一曲だけを聴くためにこのアルバムを買ってもいい。思わず口笛でもふきたくなる。軽快だけどブルージーで、これぞジャズ・ナンバーというような名曲。ナット・アダレイ(コルネット)ベニー・ゴルソン(テナーサックス)ポール・チェンバース(ベース)など最高のミュージシャンとのコラボレーション。秋の夜長によく似合う一枚。(松本敏之) |
チェット+1評価:★★★★
世紀の「名盤」というのがある。マイルスのカインド・オブ・ブルーとか、ロリンズのサキソフォン・コロサスなどだ。この盤はチェットの「シングス」ほど「名盤」あつかいされないが、しみじみと聴けるアルバムだ。なにより、トランペッターとしてのチェットがいいし、ビル・エヴァンスとの共演は珍しい。曲も「セプテンバー・ソング」「あなたと夜と音楽と」「ティス・オータム」など名曲、スタンダードが満載。世紀の名盤ではないが、また、出来も星5つとは言えないが、時々、CDラックから取り出して聴きたくなる一枚。ジャケットも美人の女性がチェットに寄りかかるソフト・ファーカスの写真で、ロマンチックでチェットらしい感じがする。珠玉の一枚。(松本敏之) |
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