ロボットのクレオパトラを作り自分の野望を果たそうとする科学者と、良心を持ち反抗するクレオパトラを描いた「エジプト陰謀団の巻」。脳を除いて機械化されたがゆえにロボットを憎み差別するが、アトムの活躍により、その差別意識がなくなるシャーロック・ホームスパンが登場する「人工太陽球の巻」。物質移送機を発明したが悪者に利用されてしまう科学者を描いた「透明巨人の巻」日本的宗教観をベースにした短編「ロボット流しの巻」
鉄腕アトムの作品群の中でも私の一番大好きな「ホットドッグ兵団の巻」は、子心や欲をテーマにしている。 短編だが中身の濃い「植物人間の巻」「溶鉱炉の怪人の巻」など第五巻は特に充実している。
短編だが、NHKやテレビ批判をしている「宇宙放送の巻」は、思わずニヤッと笑ってしまう面白さのある作品だ。
連載媒体が変わり、読者層が変わったので、内容がずいぶん深刻になった。ベトナム戦争や差別問題を直接扱っており、全体に明るさが減ってしまった。「少年」版アトムとは別の作品と考え、当時の時代背景を考えながら読むとまた違ったアトムの魅力を読み取れる。
私個人はテーマがむき出しの産経新聞版よりもストーリーの面白さで読者をひきつける少年版アトムの方が好きだ。
本来のアトムとは違った話ばかりだが、こんなパロディ集もまた面白い。
このデータは、06年02月12日0時51分33秒現在のデータであり、現時点では変更されている可能性があります。