と言うのはキートン自身と同じくこの作品の表の顔だと思うのです。なぜこんなにも面白いのか、それはキートンと言う人物が単なるヒーローではなく一人の命を持った人間だからだと思われます。作品中でキートンが出会う人々はそれぞれ個性的、問題のある人もいれば、本当に立派な人もいる。キートンがそんな人々と触れあう冒険は、実は私たちの心の冒険でもあるのではないでしょうか。キートンが解決するのは事件そのものだけでなく、その周りの人々の「心」でもあると思います。 心が痛む、または心が温まる、そんなお話でいっぱいです。哲学書といっても過言ではないでしょう。 もちろん、本当は冒険活劇です。こちらも最高ですし、絵も本当に上手です。
キートン、強すぎです。
ただ少し退屈なのは否定できない。文字が多くて眠くなるのは私だけかな…?でも危機一髪で危険を乗り越える主人公の技術と勇気は、きっとためになるはず。
第二次世界大戦中に、忽然と消えたジプシー達、彼等は一体何処に行ったのか?それを伝えるために一人の男は「ハーメルンの笛吹き男」の童話本を装って暗号を伝えようと、その本を仲間に託す。ジプシー達が消えたのは、ジプシーの中に裏切り者が居たからだ・・・それは、一体誰なのか。 スケールの大きな話に、圧倒されっぱなしの展開。
漫画を読まない人にも読んでもらいたい。楽しめて、見聞が広がります。
ロシアの剛胆なじいさんとキートンの雪中逃亡劇 「不死身の男」日本にも捕虜収容所があったという衝撃 「真実の町」1人の男を神聖視する英国の小さな村の狂気 「神の愛でし村」「聖者のいる村」日本人商社マンの悲劇 「メイド・イン・ジャパン」
など印象深いエピソードがたっぷり収められています。
この作品の素晴らしいところは、複雑な事件はもちろん、日常のささやかな出来事まで、手を抜かずにきちんと描いていることです。日常のホッとするエピソードの方が、ずっと心に残っていたりもします(笑)
何度読んでも、どこから読んでも楽しめる良質な作品です!
通常、長く続いた連載は、最後にアイデア不足に陥って寂しくなるのが多いと思います。
しかしこのマスター・キートンは、最後の最後に大きなテーマを持ってきて私をうならせてくれました。まさにケレン味たっぷりの豪快な大技です。そして終末はやっぱりキートンらしい終わり方。最後の少年の呼びかけは意味が深いですね。きっと彼は幸せになったのでしょう。
久しぶりに幸せな気分になりました。ありがとうございます。
このデータは、06年02月12日0時44分7秒現在のデータであり、現時点では変更されている可能性があります。