ゴルゴ13-コンパクト版セット一式をまとめ買いしませんか?

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ゴルゴ13 (Volume1)

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購入者の感想

ゴルゴ13 (Volume1)

評価:★★★★★

−「ビッグ・セイフ作戦」では受けないジョークやウィットも効かせてみせるところが微笑ましい。

「デロスの咆哮」でも、敵との会話の妙が楽しめる。背景となる冷戦状況の説明にも熱が入っており、この時代独特の雰囲気がある。

「バラと狼の倒錯」では両性具有という主題も登場し、いわゆるスパイものと一線を画す。

−−
「色あせた紋章」は東西対立ものの王道として、ゴルゴ以外の登場人物の生きざまも胸をうつ。

初期ゴルゴにしかない独特のもえたぎるようなテンションが実にいい。ゴルゴの若さは当時の筆者の若さでもあるのかもしれない。

−−
最初の10話くらいで終わりにするつもりだった、と、さいとうたかを氏は述べているが、確かにいつやられてもおかしくないくらいの非情のテンションがある。後年のスーパーマン化したゴルゴしか知らない人には、ぜひ初期の作品をおすすめしたい。−

ゴルゴ13 2 (2) SPコミックス コンパクト

評価:★★★★★

「檻の中の眠り」は脱獄ものの原点であり、人気の高い傑作。ギリシャ神話やダンテの引用なども雰囲気を盛り上げる。
「白夜は愛のうめき」はヒロインの女性が美しく、死のうと生きようとどうでもいいという彼女にゴルゴが言う台詞が素晴らしい。
「ブービートラップ」は情け容赦のない殺し合いで息もつかせないが、相手の見破り方がなかなかすごい。

「黒い熱風」はアフリカもので、いきなり殺される寸前から始まるので、どう助かるのかドキドキしながら読むことになる。
「南仏海岸」短編で、ストーリーのひねりも少ないが、相手の盲人の狙撃屋が圧倒的な存在感を誇っており、強烈な印象を残す。

「ゴルゴin砂嵐」中東ものの原点で、同行する二重スパイが愛らしい。ここでも二重三重に仕掛けられ関を紙一重で切り抜けるたくましさが見事。
 このころのゴルゴは、作品が比較的短い分展開が早く、後の作品と違った味わいがあって良い。

ゴルゴ13 (Volume3)

評価:★★★★★

「狙撃のGT」中共もの登場。数ある狙撃の中でもこれだけのインパクトのあるものも少ない。せむしの調達屋初登場。狙撃シーンの描写も最高。
「駅馬車の通った町」シリーズ全体から見ると異色作ともいえるが、こういう方向性もあったことは知っておきたい。

「メランコリー・夏」男を待つ女。ヒロインを軸に動く作品という系譜の一つ。下宿屋のおばさんがいい味を出している。
「猟官・バニングス」いわば刑事ものの原点の一つ。ICPOというと銭形刑事だが、こちらはもっとシビアである。
「ベイルートVIA」パレスチナもの。肩を撃ち抜かれるゴルゴ。しかしより大きな敵は次の「虫」だった。冒頭がなかなかいい。

「最後の間諜・虫」「虫」との対決で第二次大戦を再現。スイス銀行でのやりとりも迫力がある。調達屋2度めの登場。

ゴルゴ13 (Volume4)

評価:★★★★★

「査察シースルー」米ソ直接対決ものの典型。冒頭の依頼からラストまでアメリカ側とロシア側の緊迫ぶりが心地よい。モロトフまで出てくるとは!
「WHO?」過去を持つヒロインが主人公。心理ドラマとしての色彩も強い。

「価値なき値」ネイティブ・アメリカンものと追跡ものが合わさっている。寝た女がまわし者、という場合の典型的なシチュエーションが出てくる。
「魔笛のシュツカ」かつての殺し屋もの、とでも分類できそう。AVOとの対決もあり、二段構えになっているところがミソ。殺し屋の娘とのサブストーリーも秀逸。

ゴルゴ13 (Volume5)

評価:★★★★★

「帰って来た標的」ここまで意外と少なかったマフィアの殺し合い、香港とアメリカを行き来する。行きずりで助けたアジア人売春婦がいい味を出している。
「殺意の交差」ジムに通うゴルゴ。シリーズ中でも一番命が危なかった話の一つかもしれない。
「白の死線」依頼主の裏切り。「白龍のぼり立つ」へと連なる雪山系のお話。なぜか江戸艶笑小咄が余白に。。。

「スタジアムに血を流して」寝た女が敵、というパターンと、自分より上かもしれないスナイパーの登場。この時も結構危なかった。ここにも江戸小咄が。。。
「飢餓共和国」アフリカ内戦もの。相手の女性が気に入らなかったらしいゴルゴ。壮絶な攻防とラストの特攻がすさまじい。

ゴルゴ13 (Volume6)

評価:★★★★★

「喪服の似合うとき」ギランバレー症候群?の発症。女医との邂逅もいい味を出している。
「ラブはナイフ」ニセゴルゴ登場。ありきたりとも言えるが、いかにもいそうなカップルのリアリティがなかなかよい。
「17人の渇き」KGB対MI6、スパイもの。アガサ・クリティー的な謎解きがメインで、ゴルゴは最後に登場。

「激怒の大地」南米&スパイもの。ゴルゴに声をかける姉弟がなかなかいい。年輩の殺し屋との会話もおもしろい。

ゴルゴ13 (Volume7)

評価:★★★★★

「AT PIN-HOLE!」ハイジャック&スパイもの。なんといっても「1キロ先のフットボール」射撃が見せ場。そしてハンドメイカー、デイブとの会話がいい。刻一刻と状況が悪化する展開も手に汗握る。文句無しの傑作。
「Dr. V・ワルター」沖縄登場。亡命もの。仇役の女性が特に美人。

「国際ダイアモンド保安機構」これは「南仏海岸」「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」などと同系統ではある。拷問が残酷。
「番号預金口座」トルヒーヨとの知恵比べ。間に挟まった初老の男と執事がいい。20キロダンベル2つを持って腹筋するゴルゴ。

ゴルゴ13 (Volume8)

評価:★★★★★

 第37話『AT PIN-HOLE!』、増刊1話『17人の渇き』、第38話『ラオスのけし』、第39話『雪は黒いドレスの肩に』、第40話『マニトバ●MANI TOBA(前編)』収録。
 『AT PIN-HOLE!』では、ゴルゴ13も信頼を寄せる、銃職人デイブ・マッカートニーが初登場する。しかし、銃を造らせている間の時間潰しに、ちゃっかり女性を抱いているなんて、なんとウラヤマシイ……。話自体は、時間との闘いで、スリリングなサスペンス要素のあるものである。
 『ビッグコミック』増刊号に掲載された『17人の渇き』は、ゴルゴが登場しない。いや、最後の2ページにだけ登場して、『いいとこ取り』の感じがある。17人の乗員・乗客が乗るヨットという密室でのスパイ探しというミステリー仕立てで、ミステリー自体は、ゴルゴが登場しなくても成立している。ゴルゴが脇役になっても『ゴルゴ13シリーズ』であることを示した最初の作品。
 『雪は黒いドレスの肩に』も、『17人の渇き』ほどではないが、ゴルゴが脇役に回っていて、登場シーンが少ない。ゴルゴの仕事が、結果的にある女性を救うこととなる話だが、ちょっと切ないストーリーである。
 『マニトバ』は、発表順の収録&ページ数の制限の為、前後編に分けられて、第8巻には前編を収録している。二重依頼の初のケースだと思う。饒舌で、洒落たセリフの多いゴルゴがおもしろい。
 いろんな『初物』が楽しめる1冊です。

ゴルゴ13 (Volume9)

評価:★★★★★

 第40話『マニトバ●MANI TOBA(後編)』、第41話『そして死が残った』、第42話『女王陛下の憂鬱(ゆううつ)』、第43話『ゲートイン GATE IN』、第44話『Voo Doo(ブードゥー)(前編)』収録。
 『シェーッ!』といえば、赤塚不二夫のキャラクター、イヤミの決め言葉。私が子どもの頃に、大流行した。私と同じ年代なら、誰もがあのシェーのポーズを撮った写真が残っているはず。
 実は、ゴルゴ13にも、『シェー』がよく登場する。と言っても、イヤミのシェーではなく、効果音だ。ナイフを投げるときなどの音が、普通は『シュッ』だと思うのだが、ゴルゴ13では、『シェッ』が使われている。
 で、本第9巻で、どれくらい登場するのか、調べてみた。
 174ページ6コマ目。ゴルゴが時計に仕込んでいた超小型ナイフで敵の服を引き裂く音。『シェーッ』
 ……
 この巻には、1カ所しかありませんでした。(汗)
 この文庫版ゴルゴ13シリーズは、発表順の収録という原則を守る為、1話を前編と後編に分割して、2巻に渡って収録される場合があります。
 この巻には、8巻からのつづきと、10巻に続く話の両方がありますが、特に『Voo Doo』の方は、ゴルゴがブードゥーの呪いと戦う話。途中で10巻に続くのは、ちょっと酷だ。
 第10巻も同時に買いたい第9巻です。

ゴルゴ13 (Volume10)

評価:★★★★★

 第44話『Voo Doo(ブードゥー)(後編)』、増刊2話『デスマスクの肖像』、第45話『アラスカ工作員』、第46話『鎮魂歌(レクイエム)に牙を』、第47話『リオの葬送』、第48話『ナチス鉤十字章(ハーケンクロイツ)は錆びず』、第49話『ラ・カルナバル』収録。
 第45話『アラスカ工作員』から第49話『ラ・カルナバル』までは、一連の続きものとなっている。
 アラスカに始まり、モスクワ、ロンドン、そしてブラジルのリオ・デ・ジャネイロ、マナウスと、次次と舞台を移しながら展開されるスパイ・サスペンスは、やっぱりハリウッドで映画化したら、おもしろいだろうなあ、と思う。
 そういえば、マット・デイモン主演の映画『ボーン・スプレマシー』が、そんな感じだ。元CIAエージェントの主人公ジェイソン・ボーンも、知力・体力・精神力ともに、ゴルゴに匹敵するといえる。
 東洋人(日系?)という設定は崩れるが、マット・デイモンのゴルゴ13も、悪くないかも知れない。

ゴルゴ13 (Volume12)

評価:★★★★★

 第54話『死の収穫(後編)』、第55話『ANGRY(アングリー) WAVES(ウェーブス)』、増刊4話『誕生日(バースデー)に白豚(クラッカー)を殺せ!!』、第56話『みな殺しの森』、第57話『キャサワリー(前編)』収録。
 『ANGRY WAVES』では、ビンセント・ケスラー(シャドウ)という狙撃屋が登場する。射撃の腕はいい。ゴルゴ13も一目置くほど。
 まあ、ゴルゴは慎重なので、どんな相手でも、手を抜くことはないのだが。
 が、性格が悪い。刑務所に入っていた4年近くもの間、待っていてくれた女エバを、些細なことで殺してしまう。
 このエバが、なかなか可愛くて、いい。(って、単なるマンガのキャラクターなんですけど)
 『誕生日に白豚を殺せ!!』は、アメリカでの人種(黒人)差別問題を、取り扱った話。
 『みな殺しの森』では、過去に2度、ゴルゴ13の仕事現場に居合わせた女が、3度目の偶然で、ゴルゴに会う。これだけたくさんあっちこっちで仕事をしているゴルゴなので、こういうこともあり得るのだろう。
 今、ハリウッドでは、慢性的なネタ切れ状態で、新しい脚本を探していると聞く。ゴルゴ13を映画化すれば、おもしろいシナリオがたくさん書けると思うのだが、そういう話はないのかなあ……。

ゴルゴ13 (Volume13)

評価:★★★★★

 第57話『キャサワリー(後編)』、第58話『カリブ海の死影』、第59話『日本人・東研作』、第60話『砂漠(サハラ)の逆光』収録。
 『キャサワリー』は、女殺し屋。怖いです。しかも、ゴルゴには持病のギランバレー症候群(?)が……。ゴルゴピンチ! と、思いきや、意外とあっさりと倒してしまいましたとさ。
 『カリブ海の死影』は、一見『コラテラル』っぽく事件に巻き込まれるゴルゴ13。しかしゴルゴは不可解な行動をとる。その種明かしは、最後に用意されています。
 『日本人・東研作』は、ゴルゴの出生の秘密を暴こうとするジャーナリスト、マンディ・ワシントンが登場。ゴルゴの正体として、『東研作』なる日本人が浮かび上がる。しかし、東研作は死んでいた、ということでその説は否定される。しかししかし、死んだと言った人物は、実際に目撃したのではなく、人づてに聞いただけ。本当に死んだかどうかわからない。だから私は、東研作=ゴルゴ13である可能性は、まだあると思う。
 『砂漠の逆光』では、ゴルゴへの仕事の依頼の仕方の難しさがわかる。現金ではなくダイヤで報酬を払うという依頼人に対して、「おれは……現金(キャッシュ)以外の取り引きはしないことにしている…………」と、いったんは断わるものの、最後は引き受けている。一方、おそらく十分過ぎるほどの金額の現金を提示した依頼人に対しては、断わった上に、依頼人を殺してしまった。まあこの場合は、依頼人がゴルゴを殺そうとしたからだが。この2人の依頼人の違いは何か? それは依頼人の『誠実さ』である。金額の多寡は関係ない。他のエピソードでも、結構安い報酬で仕事を引き受けることがある。ゴルゴは案外と人情家なのだ。

ゴルゴ13 (Volume14)

評価:★★★★★

 第61話『アクシデンタル』、第62話『九竜(カオルン)の餓狼』、第63話前編『モスクワ人形 MOSCOW・DOLL』、第63話中編『モスクワ人形 HELL・DIVER(ヘルダイバー)』、第63話後編『モスクワ人形 SHADOW・HUNTER(シャドウ・ハンター)』、増刊5話『素晴しきシカゴ(前編)』収録。
 『アクシデンタル』では、標的に狙いを定め、風速などの環境条件を計算して、ゴルゴ13が引き金を引いたまさにその瞬間、何ごとも起こらなかったことから話が始まる。何ごとも起こらない……、不発弾である。あってはならない1発の不発弾。そこには裏があるのかないのか? ゴルゴの『捜査』が始まる。ゴルゴの、武器調達システムがわかる作品である。
 『九竜の餓狼』では、ある“トリック攻撃”が登場する。ああ、懐かしいなあ。このトリック、僕が子どもの頃に持っていた、子ども向けのスパイクイズ本に載ってた。さすがゴルゴは、トリックを見破って、反撃する。そして、ゴルゴの敵として、“散弾銃(ショットガン)スミニー”が登場する。が、所詮彼も、ゴルゴにかなう人物ではなかった……。
 『モスクワ人形 MOSCOW・DOLL』は、僕の好きなタイプの、ちょっと悲しい話。ソ連の国営衣料品店の21歳の女性店員ミーナ・ソロコフが、罠にはめられて、KGBの諜報員に仕立て上げられてしまう。ゴルゴ13とは、任務の上で直接敵対することはなかったのだが……。悲しい結末、非情である。
 『素晴しきシカゴ』は、ハードボイルドです。(前編)ということでまだほんの最初の部分しか載っていませんが、続きが読みたくなります。

ゴルゴ13 (Volume15)

評価:★★★★★

 増刊5話『素晴しきシカゴ(後編)』、第64話『ペガサス計画』、増刊5話『デス・バレイ』、第65話『死角の断面』、第66話『柩に誓いを』、第67話『"Dabbie!"(前編)』収録。
 『素晴しきシカゴ』。第14巻で前編を読んで、非常に期待したのですが、ページ数も少なく、あっけなくて、ちょっと肩透かし感が……。
 『ペガサス計画』とは、北ベトナム国境にある難攻不落の要塞、“バリゲの僧院”に囚われている、クレティス・H・リッチモンド少佐を救出する、あるいはその生命を絶つ、という計画。計画ナンバー1−4は、すべて失敗。救出はおろか、僧院を破壊することすらできない。残るは計画G、最強のテロリスト、ゴルゴ13に頼むしかない。依頼人の前への登場の仕方、仕事のパートナーの選び方、要塞への侵入と脱出、見どころの多い作品である。
 『デス・バレイ』。"DEATH VALLEY"、死の谷とは、カリフォルニアとネバタ州境近くにある、広大な砂漠と岩山の谷。FBIに追われたゴルゴが通りかかった。おかげで命拾いした者と、命を落とした者たち。ゴルゴ通る所死あり、だ。
 『死角の断面』。標的はゴルフ場でプレイ中。命を狙われていると知っても、『ここでは逃走経路が確保できないから、逆に安全だ』と、プレイを中断しようとしない。しかしゴルゴは、粛粛と仕事をこなし、悠悠と逃走した。そのトリックは、スキッピング・ショット(跳弾射撃)。そ、そんなばかなっ!
 『柩に誓いを』では、いくつかあるといわれている、ゴルゴ13への連絡方法の1つが詳しく紹介されている。ゴルゴに仕事を依頼したい人は、参考になるだろう。今も有効かどうかは甚だ疑問ではあるが……。
 『"Dabbie!"』は、人種差別激しいアメリカ南部での、ゴルゴ13と黒人の少女デビィとの物語。(前編)は、2人が出会うまで。

ゴルゴ13 (Volume16)

評価:★★★★★

 第67話『"Dabbie!"(後編)』、第68話『死を運ぶ者共』、第69話『動作(アクション)・24分の4』、第70話『ヒート・ウェーブ(灼熱)』収録。

 やはり、『"Dabbie!"』がいい。人を殺すことが生業のゴルゴ13が、人を助けることがある。誰にも頼ろうとしない、また、その必要もないゴルゴ13を、守ろうとする人も、しばしば登場する。デビィもその1人だ。だが、ゴルゴの人助けも、ゴルゴへの親切も、無駄になることが多い。デビィもまた……。去る時は、いつもひとり……。
 『動作(アクション)・24分の4』では、ゴルゴの早撃ちの早業が、科学的に分析される。が、それもまた無駄……。
 冷酷なプロフェッショナルであるゴルゴが、ときに温かい一面も見せる4編。もちろんオススメです。

ゴルゴ13 (Volume17)

評価:★★★★★

 『蝶を射つ!!』『欧州官僚特別便―ユーロクラットスペシャル―』『残光』『白い巨人―ヒガンテ・ブランコ―』『アーリィ・オータム(前編)』収録。
 『白い巨人―ヒガンテ・ブランコ―』。私はこの話が好きだ。

 『創造神は、太陽に命じて虹の帯を解かせ、インディオの危機を救うためにそれを伝って火箭を携えた白い巨人を、この地にたまわれた』という言い伝えを信じるインディオの少年ピッカロ。
 そのピッカロの目の前に、言い伝え通りに現れたのが、ゴルゴ13だ。

 ゴルゴは、粛粛と、自分の仕事を遂行しているだけなのだが、それがいちいちピッカロの願い通りになる。ますますゴルゴを白い巨人と信じ、喜ぶピッカロ。
 その真相と結末は、悲しいものなのだが、まったく異質な存在と思え!るゴルゴ13と少年という組み合わせが、なんだか微笑ましい好編だ。

ゴルゴ13 (Volume18)

評価:★★★★★

 『アーリィ・オータム(後編)』『スエズの東』『魔女の出て来た日』『ジェット・ストリーム』『幽霊定期便―ゴースト・ライナー―(前編)』収録。
 サブタイトルにもなっている『スエズの東』。ゴルゴへの依頼は、砂漠での400メートル先の直径10センチの印。
 だが、その標的は、存在しなかった。本当の標的は……。

 『ジェット・ストリーム』。ハイジャックされた飛行機に、ゴルゴ13が乗っていた。
 ゴルゴを使って、事件を解決したいMI6のヒューム部長は、どうやってゴルゴに仕事を依頼するのか。
 映画を観ているような、ドキドキワクワクが、文庫サイズで楽しめる。

ゴルゴ13 (Volume19)

評価:★★★★★

 『幽霊定期便―ゴースト・ライナー―(後編)』『ペギーの子守歌』『銃殺人ひとり』『海へ向かうエバ』『黒い肌の狙撃者(前編)』収録。
 『銃殺人ひとり』は、ひとり息子を誘拐され、あげくに殺された大富豪が、警察の庇護の下にある3人の犯人に対する復讐を、ゴルゴ13に依頼する。殺伐とした話なのに、何故か心温まる感動が、私を包んだ。

 『海へ向かうエバ』は、名作の誉れ高い人気作。
 もちろん、買いの一冊だ。

ゴルゴ13 (Volume20)

評価:★★★★

 『黒い肌の狙撃者(後編)』『殺しの紋章五爪竜』『国家秩序維持省』『統計解析射撃』収録。

 『黒い肌の狙撃者』では、ターゲットに近付くため、黒人に化ける。全身くまなく(コックの先まで真っ黒に!)日焼けするゴルゴ。どうやって黒くしたのかは、謎だ。日焼けをしているシーンでは、パンツまで穿いているのに……。

 『統計解析射撃』では、ターゲットに近付くため、わざと捕まり、数日間におよぶ拷問を受ける。
 報酬の多寡に関係なく、目的達成の為には、何でもするゴルゴ。まさにプロフェッショナルだ。『チャンスは………一度で………いい!』

ゴルゴ13 (Volume21)

評価:★★★

 『折れた矢(ブロークン・アロー)』『地獄への回廊』『ヒドラ』『プルトニウム239(前編)』収録。

 寡黙なゴルゴも、仕事上、誰かに扮したときは、その役になりきって、結構いろんなセリフを言う。

 『だから言ったろう…………おまえとのことは、あの時で終ったんだって、な…………』『女ってやつはまったくくどいぜ………警察がなんのためにあるんだって言ってやったら、やっと行きゃあがった!』

 でも、例の無表情のままでしゃべっているので、演技力には少少疑問があるのだが、相手は完全にだまされているようなので、やっぱり演技力があるのだろう。(日本人特有のポーカー・フェースだという風に“誤解”してくれる場合もあるようだが)
 ゴルゴらしくないゴルゴを楽しめるのでは!と思います。

ゴルゴ13 (Volume22)

評価:★★★★★

 『プルトニウム239(後編)』『潜入者の素顔』『呪術の島』『曲線の男』収録。

 『潜入者の素顔』では、ユダヤ人になりすますため、割礼痕をつける手術を受けたゴルゴ。まんまとそれは成功するが、しかし、あの暗い中で、シーツに潜り込んで、どうやってその痕を『見た』のだろうか?

 『曲線の男』では、ラストで、約束事を破った依頼者を殺害するが、その方法(爆死)に、ゴルゴの『怒り』が、それも、約束事を破ったことに対する怒りではなく、数数の命を弄んで来た依頼者に対する怒りが感じられるのは、私だけであろうか?

ゴルゴ13 (Volume23)

評価:★★★★★

 『英雄都市』『夜は消えず』『破局点』『ザ・スーパースター(前編)』収録。

 『夜は消えず』。保養に訪れた、フランスの田舎町。ホテルのバルコニーで、日光浴をするゴルゴ。スズメの気配につい、拳銃を向けて身構えてしまう。その拳銃をじっと見つめて、「………………」。このときのゴルゴの表情がいい。そして、自分の命を狙った者に対する、寛大な処置が見ものだ。

 『破局点』。B=f(P.E)。この数式で、犯罪者の行動が予測できるとする犯罪心理学者が、この学説を裏付けるために、無謀にもゴルゴ13を使って実験をする。いや、ミスがなければ、実験は成功していたかも知れない。自分の行動が予測されていることに気付いたゴルゴが、娼婦の言葉にヒントを得て作り出した『破局点』とは……。

発表順に収録されている文庫(SPコミックス コンパクト)版。大判のSPコミックス版を持っていない人は、こちらで揃えてみてはどうだろうか?

ゴルゴ13 (Volume24)

評価:★★★★★

 『ザ・スーパースター(後編)』『カリフォルニア軍団』『レディ・ビッチ』『聖者からの依頼』収録。

 『ザ・スーパースター』。おそらくゴルゴ13が仕事を引き受けた中で一番安い報酬だろう。名セリフもある。仲間に『臆病者(ラビット)』と馬鹿にされ、強くなりたいと願う少年に、「ぼくの足音でどうして飛び上がったんですか?」と訊かれ、「おれが、うさぎ(ラビット)のように臆病だからだ……………」「だが………臆病のせいでこうして生きている…………」「虎(タイガー)のような男は、その勇猛さのおかげで、早死にすることになりかねない………………」「強すぎるのは、弱すぎるのと同様に自分の命をちぢめるものだ………」。少年に優しいゴルゴに会える1編。

 『カリフォルニア軍団』。たまに、ゴルゴ13に対して、一方的に敵対心を燃やし、戦いを挑んでくる者がいるが、カリフォルニア軍団も、その1つだ。だが、たとえ『軍団』でも、ゴルゴを倒すことはできない。

 発表順に収録されている文庫(SPコミックス コンパクト)版。ゴルゴ13を揃えるなら、お勧めです。

ゴルゴ13 (Volume25)

評価:★★★★★

 『60日間の空白への再会』『芹沢家殺人事件』『ハロウィン ニューヨーク(前編)』収録。

60日間の空白への再会』は、脱獄ものの、人気のある1編。日中は軽く40度はこえるむし風呂以上の暑さ、反対に、夜は寒くて眠れない、普通の人間じゃ1か月と耐えられないように設計してある独房に入れられるも、59日間平然と耐え、そして60日目の朝、脱獄した方法とは?

 『芹沢家殺人事件』。ゴルゴ13の生い立ちを探る話は、どれも人気があるが、これはその中でも一番人気のあるという話。150ページ程度の長編であるが、ゴルゴ13は、登場しない。異常なまでの元刑事の執念に、おどろおどろしい世界が繰り広げられる。

 発表順に収録されている文庫(SPコミックス コンパクト)版。これからゴルゴ13を揃えようという人に、お勧めです。

ゴルゴ13 (Volume26)

評価:★★★★★

 『ハロウィン ニューヨーク(後編)』『死者の唄〈シギリジャ〉』『配役〈キャスティング〉』『落日の死影』『やけただれた砂』収録。
 ゴルゴ13は、映画のようだ。ただの殺人マンガではなく、人生があり、ドラマがある。そして、悲しい。

 でも、実際の映画には、なかなかできない、ような気がする。ゴルゴ13を演じる俳優が見当たらないのだ。(何度か映画化されているが、残念ながら、私は観ていない)
 『配役』は、ゴルゴ13本人を使って、映画を撮る、という、無謀な話だ。殺人の依頼をして、隠し撮りで……。

 ゴルゴがその企みに気付くのは、やはり一生懸命生きている女の些細なミスからだ。やはり、悲しい。
 どの作品か忘れたが、登場人物が、ゴルゴ13のことを、『世界でも5本の指に入る』と評しているのを読んだことがある。
 その、ゴルゴ13以外の、4本の中の1本が、『落日の死影』に登場する。

 ゴルゴ13と、互角のプロ。この1話だけでの登場が、もったいないくらい。いや、1話だけだから、いいのか。
 『やけただれた砂』もまた、悲しい。なんだか感傷的になってしまった、1冊だ。

ゴルゴ13 (Volume27)

評価:★★★★★

 『スキャンダルの未払い金』『行方不明のH氏』『帝王の罠』収録。
 3編とも、人の命を狙うのが職業であるゴルゴ13が、逆に命を狙われる。
 もちろん、いずれも、うさぎのような臆病さで、細心の注意を払い、相手のミスにつけこみ、難を逃れる。
 特に『帝王の罠』がいい。罠とは知らずに、独り敵の城(ビル)に乗り込んだゴルゴ。

 しかも、用意しておいた脱出ルートが、不慮の事故により、絶たれてしまう。まさに絶体絶命。
 その脱出方法が、『羊たちの沈黙』で、ハンニバル・レクター博士が用いた方法にちょっと似ている。もちろん、ゴルゴの方が、10年以上古い。
 自分の命が狙われても、きっちりと仕事をこなすゴルゴ。
 私もそうありたい。(^^;A

ゴルゴ13 (28)

評価:★★★★

『ハワード・ヒューズ氏の息子』『プレイバック』『氷結海峡』『アサシン暗殺教団』収録。

 ゴルゴ13は、もてる。『プレイバック』は、ちょっと異質。

 DIA(米国防情報局)の女性局員のディアナが、資料の中に出てくるゴルゴ13に、恋してしまう。恋焦がれた結果、取った行動とは?
 資料に出てくるだけで、女性をこんなにも虜にしてしまう、ゴルゴ13に乾杯だ!(意味不明)

 『氷結海峡』では、24時間暗黒の世界、零下30度で、ブリザード(雪嵐)が吹き荒れる、冬のベーリング海峡で、イヌイットの中のイヌイット、超人イヌイットとゴルゴ13が対決する。でも、ゴルゴ13のとった手段は、ちょっと卑怯? でも、それだけ不利な状況、手強い相手だった、ということか。
 文庫サイズなので、電車の中でも読み易い。

ゴルゴ13 (Volume29)

評価:★★★★★

 『CHECK MATE チェック・メイト』『STALE MATE ステール・メイト』『神に贈られし物』『レイプ数え唄』収録。

 『チェック・メイト』は、チェスで、『王手』のこと。『ステール・メイト』は、『詰み』のことだそうだ。この2つの話は、1つずつ完結しているが、続き物でもある。

 チェス好きの男が、ゴルゴ13に対して、『王手』をかけ、『詰み』の状況に追い込む。その手段が、ちょっと想像できないほど、凄い。

 『神に贈られし物』は、ちょっといつもと違った雰囲気の話の展開。厳戒体制の大統領指名大会の会場に、プラスチック製のオモチャのピストルを持って現れるゴルゴ13。ゲームコーナーで射的に興じ、風船を持って……。淡淡と、仕事を終えるが、マークされていた警察に捕まってしまう。そこからがおもしろい。ゴルゴ13にとって、並みの捜査官は、相手にならない。
 『レイプ数え唄』。この奇妙な歌詞の数え唄の、メロディがとても気になる。

 ゴルゴ13は、仕事の依頼を受けるときによく、『とにかくやってみよう』と言う。なんともあいまいな返事で、『できるのかできないのか、はっきりせんかい!』と思ったりもするが、今まで、『やってみたけどダメだった』なんてことはなくて、きちんと仕事を完了しているので、『とにかくやってみよう』というのは、謙遜なのかも知れない。

 『レイプ数え唄』でも、ちょっと成功しそうにない仕事を依頼され、『とにかくやってみよう』と引き受ける。依頼人の用意した方法は、見事に失敗してしまい、依頼人も殺されてしまう。が、ゴルゴ13流のやり方で、仕事をやり遂げる。ゴルゴにとっては、依頼された仕事だからやっただけなのかも知れないが、最後のセリフといい、依頼人の為に復讐という意志を持って遂げたように見える。
 背表紙は、黒字に金色の『ゴルゴ13』の文字。本棚に並べると、壮観です。

ゴルゴ13 (Volume30)

評価:★★★★

 『殲滅』、『大きな口の湖上』、『三匹の女豹』、『軽火器vs戦車砲(前編)』収録。
 最初の3編には、すべて、女性が重要な人物として登場する。
 ゴルゴに命を救われた女、ゴルゴを利用し利用されようとする敵の女、そして、ゴルゴの命を狙う女。
 本書巻末の解説にもありますが、『大きな口の湖上』の話は、確かに考えれば考えるほど、不思議な話だ。
 最初と最後は、辻褄が合っているように見える。が、その間の過程では、明らかにアクシデントが、予測不可能な出来事が連続している。
 解説者の言うように、ゴルゴは、様様な変化の手を読んでいて、最後の詰み筋に至ることは、必然だったのだろうか……。
 実際に読んで、味わって欲しい。

ゴルゴ13 (Volume31)

評価:★★★★

 『軽火器vs戦車砲(後編)』、『戦艦ヨークシャーの反乱』、『独裁者の晩餐』、『カリブの血だまり』収録。

 ゴルゴって、全部読み切っているのだろうか?
 絶体絶命のピンチに陥って、幸運にも、生き延びた、そんな話が、結構多い。
 そのピンチからの脱出も、ゴルゴの筋書き通り、というのはちょっと、ムリを感じる。

 ゴルゴは、とてつもなく、運のいい奴、と考える方が、しっくり来るかも知れない。

ゴルゴ13 (Volume32)

評価:★★★★

 『タンブル・ウイード●根なし草』『チチカカ湖はどしゃぶり』『タラントゥーラ=舞踏蜘蛛』『おろしや間諜伝説』収録。
 ゴルゴ13は、その人を生かしておけば、自分の身に危害が及ぶ可能性がある場合、躊躇なく、殺してしまう。

 しかし、たまに、見逃してしまう場合がある。それはやはり、ゴルゴ13が、生かしておいても、大丈夫だと、判断したからであろう。
 『タンブル・ウイード●根なし草』の、クレメンタインも、その1人だ。

 『チチカカ湖はどしゃぶり』は、ゴルゴ13の、用意周到な暗殺計画、普通の人に役割を与え動かして、全体として1つの仕事をやり遂げるコーディネート能力が、楽しめる。
 そして、『おろしや間諜伝説』は、ゴルゴ13の、出生譚。ゴルゴ13の生い立ちとして、かなり信憑性がありそうな話だが、……。
 ちなみに、『おろしや』とは、ロシアのことだそうだ。

ゴルゴ13 (Volume33)

評価:★★★★

 『ピリオドの向こう』『鬼畜の宴』『SEXY・TIGERセクシー・タイガー』『陽気な狙撃者』『死の翼ふれるべし』収録。
 ゴルゴ13は、かなりの数の言語を操るが、この巻には、めずらしい場面が描かれている。
 『死の翼ふれるべし』で、狙撃の方法を検討する為に、ホテルの一室で、図面を描いて考えている場面だ。

 その図面の中に、『オリオン座』等の、文字が書かれているのだ。日本語で……。
 ゴルゴ13の生い立ちは謎だが、日本人の血が入っている可能性は高いので、日本語で書いていてもおかしくはないし、そうであればなんとなく嬉しくなってくる。

 ただし、他の言語で話していても、フキダシの中の文字は、日本語の場合が多いので、この図面の中の文字も、我我日本人のために、作者が日本語に訳して描いてくれているのかも知れない。

 いずれにせよ、後後証拠となる可能性のある、紙に図面を描くなんてことは、ゴルゴ13には非常にめずらしいことだ。もちろん、燃やすなどして、完全に隠滅しただろうが……。

ゴルゴ13 (Volume34)

評価:★★★★

 第133話『チャイナ タウン』、第134話『タッチ・ダウン TOUCH DOWN』、増刊9話『皇帝と共に北へ向かう』、第135話『飛翔』収録。
 『ゴルゴ13』は、映画になったらいいなと、常常思います。実際、何回か映画化されているそうですが、できればハリウッド級スケールの実写版で。
 『チャイナ タウン』だと、カンフー・アクション映画になるし、『タッチ・ダウン TOUCH DOWN』だと、ハイテクサスペンス、『皇帝と共に北へ向かう』では、南極で人類を細菌兵器から救い、『飛翔』だと、スパイ映画になる。
 原作は既に、500話ぐらいあるのだから、シナリオを選りすぐっても、『男はつらいよ』の記録も抜けるくらいの映画ができると思うのですが。
 ただ、問題は、ゴルゴ13役ですね。これがなかなか適役がいません。

 このマンガが映画化されたら、なんてことを考えながら、楽しんでます。

ゴルゴ13 (Volume35)

評価:★★★★★

 第136話『海神(ポセイドン)が目覚める』、第137話『軌道上狙撃』、増刊10話『アカプルコ散華の夜(ファイアー・ワーク)』、第138話『アメリカの異邦人(前編)』収録。
 赤道直下のジャングルから、極寒の極地まで、海でも山でも砂漠でも、仕事の為ならどこへでも行くゴルゴ13であるが、『軌道上狙撃』ではついに、宇宙へ行ってしまった。

 1975年のことである。1990年の、秋山豊寛氏による日本人初の宇宙飛行よりも、15年も前の話だ。(まあ、ゴルゴ13は、日本人じゃないかも知れないが……)
 しかも、『下等な黄色人種を宇宙に行かせてはならない』という思想の持ち主の妨害により、宇宙空間に取り残されてしまう。
 それでもパニクることなく、地上に生還して来るとは、さすがゴルゴだ。

ゴルゴ13 (Volume36)

評価:★★★★

 第138話『アメリカの異邦人(後編)』、第139話『シシリー島の墓標』、増刊11話『刑事よさらば』、第140話『アイボリー・コネクション』、増刊12話『B&Cクラブ会員死す』収録。

 ゴルゴ13に仕事を依頼する人は、もちろん、ゴルゴ13は、依頼通りの仕事をするが、それによって、救われるとは限らない。

 『シシリー島の墓標』も、そんな話だ。悲しい話であるが、私は結構好きな方だ。
 また、ゴルゴ13に、レベルが違うのに、挑戦する輩(集団の場合もある)が、後を絶たない。
 『B&Cクラブ会員死す』も、そんな話だ。『やめときゃいいのに』てな感じで、ちょっと痛快でもある。
 読み出したら、止まりません。

ゴルゴ13 (Volume37)

評価:★★★★★

 第141話『蒼狼漂う果て』、第142話『波止場を我が手に』、第143話『地獄からの生還者』収録。

 『蒼狼漂う果て』は、これがゴルゴ13の正体かな、と思わせて、結局そうかどうかはわからない、という、おなじみのパターンだ。
 私自身は、これまでの中で、一番信憑性が高いように思う。

 ま、そもそも架空の人物であるゴルゴ13に対して、作り話に信憑性が高いも何も、あったもんじゃないのだが。
 でも、おもしろい。

ゴルゴ13 (Volume38)

評価:★★★★★

 第144話『ヒット・エンド・ラン』、第145話『モンゴルの鷹』、第146話『ラ・マニョ・ディアス(神の手)』、第149話『トリポリの埋葬』収録。

 私、まだゴルゴ13という漫画を、読んだことのなかった頃は、何故か、主人公であるゴルゴ13は、ほとんど登場しない、変わった漫画だと思っておりました。

 もう20年前になりますが、家庭教師先の家に単行本がありまして、そこで初めてまともに読んだ訳ですが、なんだ、思ったより登場するじゃん、という感じでした。
 まあ、他の漫画よりは、主人公の露出度は低いと思いますが。
 あるストーリーがあって、その中の登場人物の一人、むしろ脇役みたいに、ゴルゴ13が登場するような話も、よくあります。

 本巻収録の『ヒット・エンド・ラン』は、その最たるものといえるでしょう。
 なんと、写真と、他の登場人物の妄想の中でしか、ゴルゴ13は登場しません。
 でも、それでもやっぱりこの漫画は『ゴルゴ13』なのです。おもしろい。

ゴルゴ13 (Volume39)

評価:★★★★★

 第147話『ミステリーの女王』、第148話『薔薇の下で(サブ・ローザ)』、第150話『PRIVATE TIME(プライベート・タイム)』、第151話『国王(シャー)に死を』収録。
 また一人、ゴルゴ13にちょっかいを出す人物が現れた。『ミステリーの女王』推理作家のマッジ・ペンローズだ。

 ゴルゴ13をモデルにした小説を書くという。のみならず、ゴルゴ13の命まで狙うのだ。推理作家のくせに?

 中盤で、第59話『日本人・東研作』に登場した、世界的なジャーナリスト、マンディ・ワシントンに向って、「ゴルゴ13が死ぬか私が死ぬか…… 結末を、お楽しみに、ね!」なんて捨て台詞を吐く場面があるが、我我読者には、結末はわかっている(笑)。そしてマンディ・ワシントンにも。

 しかし、結末がわかっていても、内容のおもしろさは、損なわれることはない。その結末に至る道筋が、想像を超えるスケールなのだ。
 ゴルゴ13は、自分に危害を加えようとする者に対しては、情け容赦はしない。ジェット戦闘機を買い、島を買い、……。
 すごいね。

ゴルゴ13 (Volume40)

評価:★★★★

 第152話『ヒューム卿最後の事件』、第153話『ミッドナイト・エンジェル』、第154話『暗黒海流』、第155話『橋は崩れた』収録。
 ゴルゴ13は、連載開始当初の頃は、よく『ニヤリ』としていたものだが、いつのまにかポーカーフェイスが定着して、拷問を受けたときの苦しむ顔や、予期せぬハプニングが起きたときの驚いた顔以外は、表情を変えることはなくなった。

 この巻では、そのゴルゴ13の、めずらしい表情を見ることができる。『苦笑い』だ。
 あの、いつでも無表情のゴルゴ13が、確かに苦笑いしている。それだけ、バンコクのミッドナイト・エンジェル、マリーの性格がいいということなのだろう。
 『暗黒海流』は、日本が舞台。ゴルゴ13が、京成線を利用しているのは、ちょっと意外な感じがした。

ゴルゴ13 (Volume41)

評価:★★★★

 第156話『ニューヨークの謎』、第157話『ビハインド・ザ・プレジデント』、第158話『代打(ピンチ・ヒッター)』、第159話『メスリーヌの猫』収録。
 『代打(ピンチ・ヒッター)』では、同業者(狙撃手)が登場する。ゴルゴ13に登場するゴルゴの同業者には、良い奴と悪い奴、2種類があるが、この作品に登場するのは、良い奴の方だ。

 そして、良い奴でも悪い奴でも、大抵の場合、ゴルゴ13にやられてしまうのだが、この作品では……。
 ところで、猫の目は、クルクル変わる物の喩えとして使われるが、時間によって決まっているとは、知りませんでした。
 この本は、ウンチク本でもあるのですね。

ゴルゴ13 (Volume42)

評価:★★★★★

 第160話『ガリンペイロ』、第161話『機関全開(エンジン フル スロットル)』、第162話『ペチコートレーンの夜霧』、第164話『ロベン監獄島』収録。

 『ガリンペイロ』とは、天然ダイヤ掘りを本業とする山師のことだそうです。そのガリンペイロ達に、女房と娘を殺されたブラジルのインディオのマリオ。ゴルゴに復讐を依頼するが、ゴルゴは「警察に………… まかせるんだな…………」と、突っぱねる。血を吐きながらも尚も食い下がるマリオは、ゴルゴの返事を聞く前に、息絶えてしまう。報酬として受け取ったダイヤが如何程の価値があったのか知らないが、その後の仕事っぷりが、凄い。明らかに、赤字だったと思うのですが、ひとりマリオの為だけでなく、虐げられたインディオ達の為に、命を賭けて、一肌脱いだと思うのは、センチ過ぎるでしょうか。
 その他、特殊なシチュエーションに放り込まれたゴルゴの『役割』の謎に興味がわく『機関全開』や、標的を倒す為に刑務所に潜入する『ロベン監獄島』など、佳作揃いの1冊です。

ゴルゴ13 (Volume50)

評価:★★★★★

「複合標的群」「ラスト・ループ」「パンプ・ザ・ガリバー」「クレムリン名簿」

ゴルゴ13 (Volume51)

評価:★★★★★

「110度の狙点」「ザ・メッセンジャー」「マシン・カウボーイ」「GO遡行UP」

ゴルゴ13 52 (52)

評価:★★★★

相変わらず、レザーのような冷たい眼ですね。この巻だけでなく、ゴルゴ全体を通して言える事は、彼は善でもなく、悪でもないという事でしょうか。彼が依頼で撃つものは、いつも時代を動かすモノです。冷たい視線は、世の中の表裏を見極め、しかし達観し、やがて一発の銃弾が、世の中を変えます。いや、変わったのでしょうか?絶えず世界は思想、宗教、習慣により分裂し、互いの血を流し終えるまで争い続けています。一発の銃弾で、世界の流れは止められません。彼は、それを知っているからこそまた今日も、善悪を超越し、愚かな人間の願いを受け、依頼を遂行します。たかが一発の銃弾で、この悲しい世界が終わらない事を知っているから・・・・・。

ゴルゴ13 (Volume53)

評価:★★★★★

「プロキシー・ファイト(後編)」「女カメラマン・キム」「ヘッドハンター」「裏切りのスワスチカ」

ゴルゴ13 (Volume54)

評価:★★★★★

「海難審判(後編)」「真実の瞬間」「AZ4CP72」「2万5千年の荒野」

ゴルゴ13 (Volume56)

評価:★★★★★

「デッド・アングル」「スパニッシュ・ハーレム」「ロックフォードの野望」「メジャー・オペレーション」「サギ師ラッキー」

ゴルゴ13 (Volume57)

評価:★★★★★

「ロックフォードの野望 謀略の死角」「十月革命の子」「アイリッシュ・パディーズ」「シーザーの眼」
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このデータは、06年02月12日0時45分54秒現在のデータであり、現時点では変更されている可能性があります。