Bird Is Free評価:★★★★★
当時のLPには1953年と表記されていたが、実際は1952年の録音らしい。観客の誰かがこっそりと録音機で隠し録りしたもので、音はむちゃくちゃ悪いし、パーカー以外のソロはカットされていたりと、かなり難のある音だが、数多いライブ録音の中でもパーカーの演奏の冴えるテンションの高い演奏が聴けるので人気があった。現在では回転ピッチも限りなく正常にした2枚組のコンプリート盤がリリースされたのでこの存在価値はやや薄くなってしまった。 |
Charlie Parker Story評価:★★★★★
Bird(パーカー)の1945年のサヴォイ盤です。実質的には4−5曲ですが、聞いててとても楽しいです。こんなんとかDiz(ガレスピー)とかPres(レスター・ヤング)の40年代頃のを聞いてると、一生懸命集めたBlueNoteのHardBopのCDとか別にいらんかったんちゃうやろかと思いながら、秋の夜長に芋焼酎飲みながら聞いてます。 |
The Complete Legendary Rockland Palace Concert 1952評価:★★★★★
以前からパーカーマニアの間で評価の高かった「BIRD IS FREE」の録音現場には、もうひとつマイクが立っていた。この2枚組みコンプリートは、テクニック的にも音楽的にものりにのっている瞬間を捕らえた歴史的にも貴重な音源であるのは間違いない。 |
Charlie Parker With Strings: The Master Takes評価:★★★★★
もうこのアルバムは僕にとってのバイブルなので、正当な評価が出来ないんだけど、間違いなくこのアルバムにも音楽の神様が宿っています。 ハードバップを極めた男にのみ、神様が出す事を許した至高の音。 たった一つの楽器が奏でる、たった音符一つ分の音色が、何ゆえここまで僕の魂を激しく揺さぶるのか、その理由を僕は知らない。 彼の一吹きがそのまま人生の喜怒哀楽を投影し、音と音の間にさえ人として生きていく事の意味が間断なく塗りこめられている。 「俺の人生、ロクな事無かったけど、それでもなかなかのモンだったぜ。そっちはどうだい?」って「パリの四月」や「時さえ忘れて」がいつも優しく語りかけてくるこのアルバムに僕は何度助けられたことか。 楽器の音色は時に肉声をも凌駕する説得力を持つという事を生まれて初めて実感した。 これはもうJAZZなんかじゃない、 音楽なんかじゃない、 神の声です。 |
Bird & Diz評価:
チャーリー・パーカーの録音の中でも比較的音の良いVerveレーベルに残された、バップ創始の盟友ディジー・ガレスピーとの双頭クインテットの録音である。 ピアノがバド・パウエルだったりするとビバップ・オールスターズなのだが、このクインテットのピアノはあのセロニアス・モンクである。「バップの高僧」(僧とはモンクから来ているのだろう)などといわれるのは、バップ誕生前夜「ミントンズ」というジャズ・クラブにて試行錯誤を繰り返してきた一人だからだろうが、モンクのピアノは、彼の後輩でビバップ・ピアノの開祖となったバド・パウエルに比べると、正統派ビバッパーとは言い難い。同様にジャズ史上最高のテクニシャンであるドラマーのバディ・リッチも、典型的バップ・ドラムではない。逆に言うと、やや異質な2人の参加で演奏にスリルが生まれている。これもまたジャズの醍醐味。(高木宏真) |
Diz 'N Bird at Carnegie Hall評価:★★★★
1947年と言えば一般的に言ってもパーカーのアブラがのりにのっていた頃ではある。しかし、この時期のライブ録音はこの作品以外にもたくさんあるが、スタジオ録音の密度が濃いせいか、確かに素晴らしいものの、中には散漫な印象を受けるものもある。しかし、このライブは、テンションが違う。超アップテンポで演奏される「ディジーアトモスフィア」のパーカーのすさまじいスピードのソロは驚愕もの。初めて聴いたときは「いったいいつ息を吸い込むのか」と心配になったくらいのアドリブの洪水である。ガレスピーも負けじと応戦、冷静なパーカーとは対照的にかなり熱いプレイを聞かせる。後半のガレスピーバンドによる演奏もこれまたご機嫌で、RCAの諸作(スタジオ録音)がさらに熱く。 しかし、残念なのはガレスピーは好調だが、やはりパーカーは他の録音の演奏と比べると、ひらめきは凄いのだが、何度も何度も聴き味わうには、ちょっと密度が薄い感じを受けるという点だ(あくまで私の感想ですが・・・)。しかし、それでも、鯛は鯛。楽しむ意外にも、この天才を知る意味でも貴重な資料となるアルバムだ。とにかくこの凄まじい吹きっぷりを聴いてみてほしい。個人的には二人の競演のラストを飾る「コンファメーション」がおすすめ。 ちなみにこのライブ、30−40年前まではルーレットなど幾つかのレーベルから、抜粋された形で不完全なリリースされていたが、このアルバムはそれの完全版ということになる。 |
Charlie Parker at Storyville評価:★★★★
−プレイもやや枯れ始めて来た時期の、ボストンにおけるライブの実況録音である。パーカーはイマジネーションの乾きやパワーの衰退を感じさせつつも、全体的になかなか好調に吹いており「オーニソロジー」や「アウト・オブ・ノーウェア」のよどみないアドリブはさすがと思わせる。 ちなみに、本作には2セット分が収録されているが、前半のセッションにはピアノ−−にレッド・ガーランドがついている。まだ後の懐の深いプレイは聴かれないが、それでもロマンチシズムの感じさせる演奏。 音質に関しては、パーカーのエアチェック物の中でもかなり録音状態が良く、ロイヤル・ルーストやバードランドのエアチェック物よりもずっとクリアで、それぞれの楽器の音もはっきりとしている。− |
ストーリー・オン・ダイアル Vol.1評価:★★★★★
ノイズ交じりの劣悪な録音、古色蒼然たる音の響き、今では考えられない演奏フォーマットなど、Parkerのどこが凄いのかまったく理解できなかったのが最初の印象。その後、懐古趣味も手伝って数十回聴いているうちに、あんたの気のせいと言われそうだが、ある日突然「目からウロコ」状態。私にとってParkerは特別な存在になった。あらゆる角度から解釈され尽くした感のあるParkerだが、個人的な体験から彼の特異性を表明するなら、「Charlie Parkerはリアルだ」ということ。そもそも音楽を聴くという行為は、LPやCD、最近ではデータに定着された「過去」をトレースし直すという作業と言い換えることができる。しかしそれはあくまでも追体験であって、演奏するプレイヤーやライブ盤なら観客などその場にいる当事者ほどの臨場感を獲得することはどうしても不可能だ。これは音楽に限ったことではなく、メディアに収録され得るすべての芸術に共通する宿命である。では、Parkerは? いつでも、私たちの目の前に「イマ」を現出する世界を展開してくれる。こう思う時がある、Charlie Parkerとは次元の高いJazzの演奏家ではなく位相の異なる文化の創造者ではないか、と。1940年代後半のDialとSavoyは彼の絶頂期を収めた2大レーベル。国内外のレコード会社からさまざまな形とボリュームで発売され続けている。決して押し売りはしないけれど、Parkerを聴くならBGMとしてでもいいから何度もできるだけ繰り返し聴いて欲しい。 |
フィエスタ評価:★★★★★
チャーリーパーカーのアルバムの中でも特にオススメ。聞いてて素直に明るくなります。 |
ポートレイト・イン・ジャズ評価:★★★★★
このCDと本、コーヒーあれば至福な一時が過ごせます。 |
バード/サヴォイ・レコーディングス (マスター・テイクス)評価:★★★★★
「CDジャーナル・データベースからのレビュー」に思わず頷くわけですが、それにしても洗練され尽くしたアドリブの凄さは、本当に天下一品です。ビバップの黎明期と呼べるような時代に、こんな凄い演奏があったなんて…これはもう神懸り的な稀有の芸術ではないでしょうか。 40年から50年代のジャズと言えば、やはり自然にチャーリー・パーカーの名前が挙げられると思うのですが、このCDを聞くとその自然な流れに納得します。大げさですが、他のビバップ・バンドが聞けないくらいです。 マスターテイクばかりを集めたこの二枚組は、オルターニット・テイクスをいくつも集めた「歴史的名演の資料性」を誇るコンプリート盤よりも、アルバムとして聞き流すのに向いていると思います。共演のディジーメ |
リプリー評価:★★★★★
マッド・デイモンが唄うマイ・ファニー・バレンタインも意外によいかもって・・・私はこのサントラを買ってジャズにはまりました。かなりいい曲揃ってます。それもそのはず、この映画、音楽にもかなりこだわったらしい・・・、とか。 |
ケン・バーンズ・ジャズ−20世紀のジャズの宝物評価:★★★★★
ケン・バーンズの膨大な映像ドキュメンタリー「JAZZ」は,常日頃アメリカにおけるジャズの評価の低さに,いらだたしい思いをしているジャズファンの溜飲を下げるに十分な力作だった。ジャズの歴史をたどることによってアメリカ黒人の受けてきた差別の歴史をも浮き彫りにした手腕は見事という他ない。 さて,このアルバムはケン・バーンズの名を冠したシリーズ物の1枚。 世に天才と呼ばれた人は多いけれど,チャーリー・パーカーこそその名にふさわしいだろう。映画「バード」にも描かれた破滅型の人生もまた,平凡な日々を送るしかない我々にとっては魅力的だ。 とにかく彼の演奏を聞かずしてジャズファンは名乗れまい。絶頂期だったサヴォイとダイヤルの代表曲を1枚で聴けるのだから,これからパーカーを聞こうとしている初心者には打って付けだし,たまにはパーカーでも聞くかといったベテランにもお薦めの1枚。 |
Charlie Parker and Miles Davis評価:★★★★★
1945年前後の、チャーリーパーカー、マックスローチ、マイルスデイビスを擁する「スリーデューセス」「ミントンズ・ハウス」時代の録音。この時期のマイルスは、50年代に見せるようなノー・ビブラート、ミュート奏法、などはまだ確立しておらず、まだまだ迫力不足の感はあるものの。その後の彼の飛躍を予感させるような、息吹のようなものは十分に感じられる。それだけでもマイルスファンには必聴だろう。 翻ってチャーリーパーカーは、この時期、ヘロインで身体が相当侵されていたのだが、そんなことは微塵も感じさせないエキサイティングで「ヒップ」な演奏を繰り広げている。マイルスの自伝によると 「ジョンコルトレーンもバードに似た演奏をしたものだが、結局バードのような演奏を出来た奴は誰一人もいなかった」 「さっきまでクスリでヘロヘロになっていたくせに、いざ演奏を始めると誰にも真似できない芸当をした」 等と、絶賛しており、まさにこのCDでは、そのようなバードの演奏をかいま見ることができる。音質も、この時期のものにしてはなかなか良い。 |
SCHWEIN REMIX(SON OF SCHWEINSTEIN)評価:★★★
1曲目のKEN ISHIIによるリミックスは、インダストリアルロックが見事にテクノの楽曲に昇華されている。2曲目のCharlie Clouser(Nine Inch NailsのKey./Programmer)によるリミックスは、静かなイントロから徐々に盛り上がっていき、Nine Inch Nailsらしいカッコよさが存分に発揮されている。3曲目の今井寿(BUCK-TICK)&横山和俊によるセルフリミックスは、アコースティックギターとインダストリアルという組み合わせがとてつもなくカッコいい。Raymond Wattsのヴォーカルがアコギと相性がいいのには驚き。残りの曲はイマイチ。 |
コンプリート・スタジオ・レコーディング・オン・サヴォイ・イヤーズ評価:★★★★★
遥か昔、クラシック雑誌「音楽の友」の巻末ディスクレビューを見ていて愕然とした記憶がある。クラシックのレコードが主役なのは当然として、それ以外のJazzやRock、Popsなどが一括してPopularとカテゴライズされていたからだ。自分が信奉している音楽をetc扱いにされるのは悲しいし、今なら「ひと山いくらカヨッ!」と三村ツッコミを入れたくなるところだ。しかし、音楽の種類は大幅に多様化した現代に至っても状況は同じようで、その雑駁な安直さは変わりない。だがそうした単純な二分法を流用すると、「Parkerの音楽」と「Parker以外の音楽」に峻別できるような気がする。ほぼ100%の音楽は、こういう構図だb!bすなわち聴き手を、マイナーな調子で泣かせ、快活な演奏で元気にさせ、不協和音で不安を掻立て、自然な和みでリラクゼーションを与える。つまり、演者の有様がそのまま観客の気分になるという図式だ。 ところが、Parkerは違う。彼は極限まで昇華したインプロビゼーションによって完璧に換骨奪胎した急速調の数小節のブルースを演奏するが、聴く側は圧倒的な感動を喚起されてしまう。彼はただ純粋に吹いているだけであるにもかかわらず、ぼくらは思わず涙を流してしまう。ここには、前述の「もらい涙」の構図には決して当て嵌まらないシンプルでストレートな関係性が自然発生的に生まれている。Savoyのスタジオ録音で初めて体験したのは、言うのも恥ずかしいがこの純粋な音楽的感動であり、それこそParkerとそれ以〓?を分ける鍵なのではないかと思っている。 |
コンプリート・ロイヤル・ルースト・ライヴ・レコーディングス・オン・サヴォイ・イヤーズ評価:★★★★★
僕がチャーリー・パーカーとであったのは中三の時です。父が持っていたCDを片っ端から聴いていた頃のことです。チャーリー・パーカーの「ナウズ・ザ・タイム」を聴いた時、なんだこりゃすげえなと思いました。音源を見たら1950年代だったので驚きました。全然古くないです。モダン・ジャズ。 このCDは初めて彼の作品をまったく知らない人よりも知っている人のほうがいいです。ベスト盤もうじゃうじゃ出てますのでそっちを買ってください。でもこのCDすげーカッコいい!!! |
スウェディッシュ・シュナップス+4評価:★★★★
この一枚はあの有名なラヴァー・マンを除いて殆どがブルース形式の曲でかためられています。バック・ホーム・ブルース、K.C Blues等ではパーカーならではのカンザス流のブルースプレイを聴く事ができますし。でもパーカーの吹くアルトは決して泥臭くありません!とにかくスピード感、ドライブ感が人並みはずれているので今聴いてもモダンすぎる程なのです。ラバー・マンはパーカーにとって余り良い思い出のある曲ではないせいか心なしか、これだけは今一つという所です。パーカーが亡くなって、そろそろ半世紀の時を経ますが、未だにパーカーのアドリブ・フレーズは新鮮です。パーカーのブルースを、かため聴きをするのには最適の一枚です!最高ですよ。 |
エイプリル・イン・パリ~チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス+4評価:★★★★★
チャーリー・パーカーというとビ・バップというイメージですが、このアルバムは、聞いていて、なんというか非常にリラックスできる作品です。バックにストリングスが付いていますが、その他に、ミッチミラー合唱団のリーダーであった、あのミッチ・ミラーがオーボエで参加していますし、宇宙人的テクニックのドラマー、バディ・リッチが大人しく参加したりしていて、メンバー構成も意外性のある内容です。とにかく、アルバム全体が、ほのぼのした感じで、リクライニング・ソファーなんかで聴くにはもってこいです。BGMとしても最高です。 |
バード・アンド・デイズ+3評価:★★★★★
名曲リープフロッグのが4テイク入っています。これがすごい。まるでやすきよの漫才を聞いているが如く、いい感じで引き立てながらもお互いの主張が重なり合ってくる。まさに名コンビ。両者とも幸せであったろうとひしひし感じ得ます。 |
チャーリー・パーカー・オン・ダイアル完全盤評価:★★★★★
CDに聴くパーカーの全盛時代は1947年、すなわちダイアル・レーベルの時代がそれに当たるのだが、サヴォイ・レーベルに吹き込まれたその前後を含む時代の吹き込みも、勝るとも劣らぬ名演揃いだった。 サヴォイに比較して、ダイアルの演奏は最初のテイクほど良いと言われるが、テープを使用してお蔵入りの録音をあまり残さなかったことが関係しているかもしれない。 特別なファンでもない限り、同じ曲の別テイクをたくさん聴かされることには辟易するかもしれない。そういう向きには「マスターテイクス」の方をおすすめする。 いずれにしても、全盛期のパーカーの豊富なアイデアと圧倒的な迫力には、ただただ唖然とするばかりである。 ディスク1−10は俗に「フェイマス・アルト・ブレイク」と言われているもの。演奏自体は失敗に終わったが、あまりに素晴らしいブレイクで捨てるには惜しい(パーカー自身、二度とこんなブレイクは吹けないぞとふてくされたらしい)ということで、特別に残された短いテイク。13から16は、体調不良のパーカーがもうろうとして吹き込んだ有名なセッションで、特に14はスタジオ内を異様な感動に包んだ問題作。決してベストな演奏だとは言えないが、パーカーを知る上では欠かせない、ジャズ・ファン必聴の演奏。 なお、パーカーは16の演奏が終わると、マイクの周りをくるくる回り始め、ホテルに担ぎ込まれたが、パンツ1枚でホテル内をうろうろしたあげく、火を付けて、当局のご厄介になった。 ディスク2からの名演の数々については、説明は不要だろう。これが本来のパーカーの名演奏だ。 |
コンプリート・ヴァーヴ・マスター・テイクス評価:★★★★
私、初めてCDショップでこの不可思議なボックスを見てから、実際に購入するまで、およそ1週間悩みました。先ず見たこともないアルミ製の箱、弁当箱を二回り程小さくした様なその箱には、なにやら心霊写真を思わせるような写真がプリントされているんですね、たぶんパーカーの写真なのでしょうが、どういうセンスしてんでしょうかね。それに直輸入盤の文字、音質大丈夫なんでしょうね、ダイアル完全版には、24ビットリマスターの印刷がされているので、安心して購入出来たのですが、何処にも、リマスター、高音質の文字が見あたりません。家に帰って、ホームページで収録曲を調べてみると、長く慣れ親しんだ複数のヴァーヴ盤CDの曲目がほとんど収録されているではありませんか。えい!と気合い一発で購入しました。家に持ち帰り、この不可思議なアルミ製弁当箱を開封して聞いて、大満足です。パーカーのヴァーヴ盤CDのほとんどをこのセットでしかもトラックナンバー順に聞けるのは、すごく幸せです。音質も98年に再発売された24ビットリマスター盤、スウエディッシュ・シュナップスと聴きくべても劣っているとは思えません。翻訳されたライナーノートの内容も充実しています。パーカー・ファンのみなさん、おすすめです。ただ、このボックスのセンスだけは疑問に思いましたが。 |
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