ラウンド・ミッドナイト評価:★★★★
ドラムのウェックルはテクニカルで人気もありますが、スタジオミュージシャンとしての評価はともかく、ジャズプレイヤーとしてはいまひとつ面白みに欠ける。(対して、同じスタジオマンでもスティーブガッドは非常に音楽的に感じる。)「チック・コリアのピアノトリオ物」としては、そういう訳で残念ながら最低ランク。 |
ライヴ・フロム・ザ・ブルーノー評価:★★★★
チックのアコースティックバンドというと、真っ先に思い浮かぶところとしてデイブウェックルがドラムを叩いているスタジオ盤がありますが、このライブCDではビニーカリウタがドラム。そうなった経緯は分かりませんが、演奏内容はウェックル参加のモノを遥かに凌ぐ出来映え。カリウタのドラミングはとてもワイルドで、ドラミングのボキャブラリーは必ずしもジャズ的ではないにも関わらず、聞こえ方は非常にジャズ的。「マッドハッター」に収録されている「ハンプティダンプティ」が演奏されているのが嬉しい。とにかく、数あるチックコリアの作品の中でもかなり好きな一枚です。 |
トリビュート・トゥ・ジャコ・パストリアス評価:★★★★
このアルバムの聴き所・・・やはりマーカスだろう。ジャコもその実力を認めた現代を代表するエレキベース奏者のマーカス。彼はマイルスバンドに在籍していた時、『Mr PASTRIUS』という曲をマイルスに提供しているし、そのアルバムで『TEEN TOWN』もカバーしている。当然ジャコを意識(尊敬)しているのだが、このアルバムではマーカスはジャコのフレットレスの曲に対してフレッティドでトリビュートそている。それはおそらく、ジャコと同じスタイルで演奏しても、それは『ジャコの真似』にしかならないと思ったのではないだろうか。 内容では、今をときめくベーシストが大集結しかっこいい仕上がりとなっている。 |
ワン・フォー・オール評価:★★★★★
これはライブ盤です。参加ミュージシャンも矢野顕子(p)、 ジョン・パテトゥイッチ(b)などなど豪華。 最初の曲「HAVANA」ではベースのソロから始まって、 ギターのフレーズが重なっていくと、すでに渋好みの アルバムを漂わせています。それから、ギター・デュオによる「LIBERTANGO」も聴き応えあります。 この曲は、チェロのヨーヨーマでもおなじみだと思います。 そして全員参加の「MILESTONES」も”素晴らしいで−す”。 |
ハドソン・プロジェクト評価:★★★★★
コンテンポラリー・ジャズのトップ・クラスのミュージシャンが一堂に会したライブ・アルバムで、それぞれのソロは燃えまくっている。ビッグバンド・スタイルではあまり聴くことのできないミンツァーのソロもたっぷりと聴ける。6弦エレクトリック・ベースとウッド・ベースを自在に操るパティトゥッチにはただ敬服するのみ。とにかく魅力満載の一枚。 |
チック・コリア評価:★★★
CCEB及びCCAB前作から1・2曲が抜粋されて1つにまとまった作品。このアルバムを聴くと、CCEBがどのようにロックテイストからキャッチーなポップに移っていたかがわかる。しかし、やはりチックコリアといえばスペインであろう。このアルバムに収められているスペインは日本盤の『スタンダーズ&モア』のロングバージョンとは違うショートバージョンとなっている。 |
ハーモニカ日和−プレイズ・スタンダード評価:★★★★
デンマーク出身のハーモニカ奏者、リー・オスカーは、元々エリック・バートンのバック・バンドとして「WAR」に在籍、その傍ら、ソロとしてもプレ−、1976年にリリ−スした「約束の旅」が日本では資生堂のCMソングとして流れ、ヒットを記録しました。こちらは1996年に、前作から15年ぶりとなる久々のリーダー・アルバムです。ジャズのスタンダードを彼のハーモニカでアレンジ、非常に気持ちのいいサウンドに仕上がっています。とは言っても録音は89年との事ですので、オクラ入り寸前だったわけですね。フュージョン・ミュージシャンであるフランク・ギャンバレ、ジョン・パティスウィッチなどが参加しています。 |
ネイチャー・ボーイ評価:★★★★★
ジョン・パティトゥッチ、ピーター・アースキンとのコラボレイトアルバム。 小曽根のアレンジが冴え渡るのは毎度の事だが、 今回はニール・セダカの「雨に微笑みを」が、 ジャズアレンジでサビを聴かせる心憎い演出となっている。 「クリスマス・ソング」は、パティトゥッチのベースが染み渡る、 しっとりとした大人のスタンダード。「オーニソロジー」や「オール・オブ・ユー」は、 軽快なピアノタッチで、スィング感も余すことなく伝えてくれる。 「ビフォー・アイ・ワズ・ボーン」は、唯一のオリジナル曲で、 琴線に触れるような美しいスローナンバーのバラードだ。 小曽根真のスタンダードは、 ジャズの楽しさを存分に伝えるスタンダードだ。 |
ランダム・ハーツ評価:★★★★
冒頭からラストまで、「即興風」なジャズサウンドが全編にあふれている、いかにもジャズ的な映画。しかも音楽に合わせたかの様な映像も ブルーな「配色」で見事に一致している。そういえば監督のシドニー・ポラックと音楽のデイブ・グルーシンは以前、ロバート・レッドフォードで「コンドル」といったタイトルの映画を作ったはず。道理で見事な仕事です。 |
ガット・マイ・メンタル評価:★★★
70thフュージョンシーンで、ギタリストとしての確固たる地位を 築いたS.カーンですが、その後、彼独特の理論に基づいてジャズ 寄りにそのスタイルを変化させてきた、その集大成とも言える アルバムではないかと思います。 ただし(ここからは完全に私個人の好き嫌いですが)、 フュージョンというカテゴリ、そこにある音を本作で期待してはいけません。完全な(?)モダンジャズです。 70thフュージョンシーンで鳴らしたS.カーンを敬愛する リスナーの一人としては、あの頃のハード&クール、そして マジカル(幻想的)な音を基準に本作を聴いてしまうと、その ギャップに戸惑ってしまいます。 要は、S.カーンと知って本作を聴くリスナーが何を期待するのか に寄るところが大きいと言うことです。 |
イメージズ評価:★★★★
91年夏のマウント・フジ・ジャズフェスティバルでのライブ録音。 ベースはジョン・パティトゥッチ、ドラムはジャック・ディジョネット。 バカテクで有名になったゴンサロ・ルバルカバですが、このアルバムでも ピアノを縦横無尽に弾きまくってます。鍵盤上を高速で疾走する パッセージの連続がもたらす爽快感は、彼でしか味わえないものです。その一方で、ジョン・レノン作曲の「イマジン」ではヒューマンな一面も 覗かせています。 |
ライト・イヤーズ評価:★★★
CCEB諸作でもっとも『フュージョン』な作品。J-FUSIONを思わせるサウンドだ。よくスーパーで流れていそうな感じ?です。個人的にこのアルバムのベストは『TIME TRACK』。ただし、あまりチック・コリアらしさを感じられない。明るくてかっこいい音楽を聴きたい人におすすめ。 |
クロスローズ評価:★★★★
C.コリア・エレクトリック・バンド(C.E.B)での活躍でも知られるE.マリエンサル(sax)の'90年作品。そのC.E.Bから身内であるC.コリア(p)を始め、J.パティトゥチ(b)、D.ウェックル(ds)が、その他にもV.カリウタ(ds)、R.フェランテ(key)、A.アクーニャ(perc)等が参加。自由に伸びやかに歌うE.マリエンサルのSAXを中心に据え、西海岸モノとは一味違う爽快さと、東海岸モノととも違う大らかさのような部分を巧く表現していると思います。 ぐっと大人びたメロディーが魅力の[3]、C.コリアとJ.パティトゥチのウッドベースがかっこいい[4]が個人的にな一押しです(因みに、ここでのdsはV.カリウタ)。 また、C.E.Bの同僚であるF.ギャンバレ(今作には参加していませんが)作の[5]では、J.パティトゥチのベースによる(?)ギターライクなプレーも味わえます。 |
デュークへの想い評価:★★★★★
まずのCDのブックレットというか、ライナーノーツが豪華で素敵です。デュークエリントン、ジョニーホッジス、ベンウェブスター達のモノクロ写真がいっぱいで、彼らの音楽に捧げて音楽やっているよという雰囲気がいっぱい。デイブグルーシン自身の写真もかっこいいです。音楽的には、例によって凄いプレイヤーがぞろぞろ出てきます。ブライアンブロンバーグ、ジョンパティトゥッチが前半、後半を分けて出てくる! トムスコットが素晴らしいソロを取りますよ。でも一等賞は、クラークテリーで、トランペット、フリューゲルホーン、スキャットにヴォーカルと大活躍でどれもこれも楽しいしさいこ−です。"キャラバン"。デイブグルーシンがここぞとばかりにジャズピアニストの本領を発揮で、スリリング。最後の"ソフィスティケイテッド レディ"から"A列車で行こう"の流れもいかにも彼らしいのでぜひ聴いてみて下さい。前者はピアノソロ。後者は、ちょっと驚くとてもスローなテンポ。ドンマレイの録音の良さは今でも光ってますね。 |
トゥルーリー評価:★★★★★
このアルバムを聴いたは時正直びっくりした。聴いたこともないような風変わりなフュージョンミュージック。 パットメセニーのようなサウンドもちょっとうかがわせる。ミュージッシャンだったら、ニヤリとするようなユーモアと緻密なアイディアが楽しい。 アルバム全体を通してTANDOORI TAXIとか、ふざけたタイトルばかりだが、演奏のクオリティは素晴らしい!そしてグループ感が凄い。 次から次へと万華鏡のように展開される音の洪水。聴く者を飽きさせない。あらゆる音楽をミックスした個性的で卓逸したアレンジと新鮮なサウンド。 |
ウエスト・サイド・ストーリー評価:★★★★★
グロリアエステファンが、"TONIGHT"を歌っている! グロリアとデイブグルーシンの組み合わせは大成功ですね。このアルバムの中でキラリとこの曲が光っています。素晴らしいアレンジとキュートな歌。これだけでもチェックしてみて下さいね。参加ミュージシャンは、マイケルブレッカー、ビルエヴァンス(サックスの方)、ジョナサンバトラー、ロニーキューバ、ジョンパティトゥッチ、リーリトナー、アルトゥーロサンドバル、デイブヴァレンティン、デイブウェックルトと並べれば、おもうお分かりでしょう。そう、GRPオールスタ−ビッグバンドの続編なのです。レナードバーンスタインにデイブグルーシン他の素敵なアレンジャーが挑んだ本当の意味での豪華版! |
リベル・タンゴ評価:★★★★
一言で言えば、哀愁と旅情を感じるアルバムでした。 何曲かオーケストラの演奏も加わって、もれもまた哀愁の漂うアコースティックな世界が展開されいています。ディメオラのオリジナルが6曲と、ピアソラの曲が3曲(2、6、8曲目)のミックスされてますが違和感は感じません。ただ、哀愁度でいけばピアソラ作の方かな。少し地味かなとも思える展開の曲が多いです。 しかし相変わらずギターのクオリティはいつもの様に高いと思います。そんな中、4曲目がけっこう力の入った曲。また、5曲目はトランペットのバックも入ってけっこう元気の良い曲で印象的。ジャズのフレーバーはほとんどなく、タンゴの印象が強いアルバムでした。 |
WIZARD OF OZONE−小曽根真ベスト・セレクション評価:★★★★★
私は、本人出演のビールのCMで流れている「ウィ―・アー・オール・アローン」が聞きたくて買ったのですが、どの曲もカッコイイです。小曽根さんのピアノテクニックに酔いしれた1枚です。初心者でも十分に楽しめると思います。 |
フットプリンツ!~Best Live!評価:★★★★★
Wayne Shorterが有能なバックバンドを従えて発表したライブ盤。これが素晴らしい出来である。Weather Reportでの活動を通じて,ソプラノ・サックスに傾斜していたWayneが,久々にテナーを吹きまくっており,長年Wayneのテナー・プレーに飢えていたファンを満足させること請け合いである。Sanctuary−Masquelero−Valse Triste−Goという冒頭の4曲の並びを見ただけで鳥肌ものである。バックのリズム隊は全員優秀であるが,中でもBrian Bladeのドラムスが出色。Wayneのソロ作としてはNative Dancer以来の傑作であると同時に,2002年に出たジャズ・アルバムの中でも屈指の傑作である。Wayne Shorter完全復活。恐るべし。 |
トリビュート・トゥ・ジャコ・パストリアス+1評価:★★★
そうそうたる顔触れを集めての企画だが、結局はオリジナルの演奏や意図を超えられないことが明らかになってしまったように感じる。とはいっても、ジャコと比較しなければそれなりに良い内容なのかも、という思いも一方である。どういうモノを仕上げても最後はジャコとの比較をまぬがれないという、結構怖い企画なのかもしれない。トレーシーの肖像をマーカスミラーが一人多重録音でやっているのは個人的に面白かった。 |
ストールン・モーメンツ評価:★★★★★
70年代のフュージョンギタリストの出発からRITでみせたポップアプローチを経て、円熟したリトナーの音色を聞かせる一枚です。 本作でスタンダードを中心に奏でる新しい方向性はリトナーが真のジャズギタリストと認識するに相応しい出来映えです。シンプルにリトナーに接したい方へお奨めします。 |
ディレクションズ・イン・ミュージック~マイルス&コルトレーン・トリビュート評価:★★★★
ライブ音源なのでやはりスタジオ録音された物とは違うものになる。そのへんは好みなのだが、私はスタジオのほうが好きです。でもライブ音源にはライヴ音源の良さもある。 |
ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・デイブ・グルーシン:GRPクラシック・コレクション評価:★★★★
バランスの良い選曲でグルーシンのキャリアを一望できるベスト盤だが、グルーシンの代表的なアルバム「マウンテンダンス」から一曲も収録されていないのがあまりにも惜しい。これがあれば完璧だった。 |
アレグリア評価:★★★
ピアノのブラッド・メルドー参加、というので相当期待していたのだが。前作のライブ盤も、悪くは無かったのだが、もの凄く集中する事を要求される、疲れるアルバムだったので。聴いた結果は・・・またしても「悪くは無い」だった。95年の「ハイ・ライフ」は文句なしの傑作だったのだが。ショーターのサックスは、相変わらずいいのだが、「相変わらず」なのだ。別に奏法を変えろ、というつもりもないが、そう繰り返して聴く気には、あまりならないな、残念ながら。キャッチーな−は、たまに聴きますが。しかし、いくら大物だから(だったから?)と言っても、ちょっと大騒ぎしすぎかなぁ、という気もしますね。僕も含めて。 |
スタンダーズ・アンド・モア評価:★★★★★
結局のところ、チック・コリアといえば"Spain"となるわけである。まあ、仕方がないよね。いい曲なんだから。このアルバムに入っている曲は当然、アコースティック・バンドだから"light as a feather"に収録されている"Spain"とは違う。前者はシンプルでチック・コリアのピアノが鋭く際立っており、後者はフュージョン系でフルートによってソフトな印象がある曲となっている。どちらも味わいが違うが、いい味を出しているので聞き比べて見ることをオススメする。 ところで、以外にも"Spain"に肩を並べる曲もある。"So In Love"である。オリジナル曲ではないが見事なぐらいに渋くキメているので、このアルバムは買い、である。 |
・・・ティル・ゼン評価:★★★★★
ジョン・パティトゥッチ(b)、ブライアン・ブレイド(ds)、ベン・ストリート(b)、アダム・クルーズ(ds,steel pan)、リズ・ライト(vo)、ドニー・マッカスリン(ss)が参加、プロデュースはトミー・リピューマです。アルバム全体の雰囲気は、明るいラテンにウェイン・ショーターの宇宙的な要素が加わったって感じです。聴きやすくも奥深く、じーっと鑑賞するのにも、食事の時などにBGMにも最適だと思います。曲はペレスのオリジナルが3曲、シコ・ブアルキの曲、スティーヴィー・ワンダーの「オーヴァー・ジョイド」、ミルトン・ナシメントの「ヴェラ・クルス」、モンクの「アグリー・ビューティー」などなど盛りだくさんです!リズ・ライトは2曲参加しており、1曲はペレスが作曲しライトが作詞した「…ティル・ゼン」で、もう1曲はジョニ・ミッチェルの「フィドル・アンド・ザ・ドラム」です。いやーこれはかなり良いアルバムですよ!!皆さん買いましょう! |
ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド評価:★★★★★
エレクトリックバンドの最高傑作は1枚目!、なんて書くと、その後のは、なんじゃい、と言われてしまうかもsれないけど、このアルバムが凄いのは、かのRTFがクロスオーバーの走りとして始まりながら、途中、相当エレクトリックロック化しながらも、結局ミュージックマジックあたりから、その方向性を分散させていったチック(あれもこれもやりたいひとだからねえ)によって、完成形を見なかったRTFジャズロックを完全に結晶させたのが実は、このエレクトリックバンドであり、それは、その処女アルバムにつまっているのよ。これを聞いて、ジャズファンもロックファンも退屈と言う人はいないと思うわ。 |
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