プロデュースはCTIの首領であるC.テイラー。これにD.グルーシン(key)、E.ゲイル(g)、S.ガッド(ds)、W.リー(b)などが、よりフュージョンらしさを演出しています。[1]や[2]など、Aファーマーのメロディーラインや奏法だけを抽出すれば生粋のJazzなのかも知れませんが、(特に)S.ガッドのdsを聴くと。。。どうしようもなくフュージョンであることが感じられます。いいですぇ、ガッド先生 (^^; また、[1]、[4]でのE.ゲイル先生のgも素晴らしいです。
隠れ名盤という程隠れていませんし、ましてや”A.ファーマー入門に本作を。。”などと言っても一笑に付されるでしょう。しかし、なんともリラックスした中で悠々とtp/flug.hornを奏でるA.ファーマーも良いじゃないですか。所謂、A.ファーマーの名盤は未聴の私ですが、決して本作が駄作だとは思いません(フュージョンファンとして)。
先に後年の彼の代表作を聴いておられる方には、本作では”L.リトナー色”というのが希薄に感じられると思います。実際には次作の”キャプテンフィンガーズ”で後年に通じるスタイルを確立させていると言われていますので、本作と次作との間で(音やスタイルを含む)大きな変化があったのでしょう。
本作では、バリバリと弾きまくるスタイルではなく、巧さを感じさせつつも緩やかに楽曲に沿ったプレーを展開しています。D.グルーシン(key)を始め、H.メイソン(ds)やE.ワッツ(ts)など、以降の”ジェントルソウツ”につながる人脈も参加しており、クオリティは十分。
少し”黒っぽい”サウンドもあり、何やら当時のフュージョン系の流行を意識していたらしいところもうかがえます。また、アントニオ.C.ジョビンの作品も取り上げたりしています。近年、モータウン・サウンド、アントニオ.C.ジョビンなどへのトリビュート作品を立て続けにリリースしている事実と照らし合わせると、20年以上の時間を隔てて彼が原点立ち戻っているような感じがして、何とも興味深いですね。
このデータは、06年02月12日1時4分21秒現在のデータであり、現時点では変更されている可能性があります。