At Newport評価:★★★★
今までビッグバンドというのはどこが聴きどころなのかわからず、食わず嫌いにも似たところがあったがこれには驚いた。 ゴルソン、モーガン、ウィントン・ケリーといった大物が、ビッグバンドを背景に縦横無尽の大熱演。曲目も‘I remember Clifford’など魅力溢れるチョイスとなっている。とにかく厚みのあるバックと互角以上の演奏を繰り広げるそれぞれのアドリブがすごく、この熱さがビッグバンドの魅力なのかもしれないと納得した。 ただでさえ熱いのに、ガレスピーと観客のやりとりも忠実に録音しており、ジャズ・フェスティバルの雰囲気をそのまま実感できるリアルなライブ・アルバムとなった。 ビッグバンド苦手意識を払拭してくれた感謝の1枚。お勧めです。 |
Duets: Sonny Rollins and Sonny Stitt評価:★★★★
ロリンズとガレスピーのソロ合戦という感じ。ペットとテナーの特徴がよく出ている.それぞれの楽器のアドリブの極地はかくあれかしというもの。ただしロリンズは今ひとつ乗り切れていない感がある.ガレスピーの持ち歌が故に軍配が上がった、といったところか。 |
Sonny Side Up評価:★★★★★
私個人的にはこれ以上良いアルバムは無いと思う。 個人的な好みもあって、スティットとロリンズのテナーでのバトルが聞けるのは言うまでも無く素晴らしいし嬉しい限りだが、スティットもロリンズもディジーも最高の状態でプレイしているように感じられ、音楽的な内容も素晴らしいことをやっている。 これ以上スリリングで、ジャズの面白さが感じ取れるアルバムは他に知らない。 絶対に聞いて損は無いと思う。ジャズをやられる方には是非、聞いていただきたいアルバムです。 |
Diz 'N Bird at Carnegie Hall評価:★★★★
1947年と言えば一般的に言ってもパーカーのアブラがのりにのっていた頃ではある。しかし、この時期のライブ録音はこの作品以外にもたくさんあるが、スタジオ録音の密度が濃いせいか、確かに素晴らしいものの、中には散漫な印象を受けるものもある。しかし、このライブは、テンションが違う。超アップテンポで演奏される「ディジーアトモスフィア」のパーカーのすさまじいスピードのソロは驚愕もの。初めて聴いたときは「いったいいつ息を吸い込むのか」と心配になったくらいのアドリブの洪水である。ガレスピーも負けじと応戦、冷静なパーカーとは対照的にかなり熱いプレイを聞かせる。後半のガレスピーバンドによる演奏もこれまたご機嫌で、RCAの諸作(スタジオ録音)がさらに熱く。 しかし、残念なのはガレスピーは好調だが、やはりパーカーは他の録音の演奏と比べると、ひらめきは凄いのだが、何度も何度も聴き味わうには、ちょっと密度が薄い感じを受けるという点だ(あくまで私の感想ですが・・・)。しかし、それでも、鯛は鯛。楽しむ意外にも、この天才を知る意味でも貴重な資料となるアルバムだ。とにかくこの凄まじい吹きっぷりを聴いてみてほしい。個人的には二人の競演のラストを飾る「コンファメーション」がおすすめ。 ちなみにこのライブ、30−40年前まではルーレットなど幾つかのレーベルから、抜粋された形で不完全なリリースされていたが、このアルバムはそれの完全版ということになる。 |
ストーリー・オン・ダイアル Vol.1評価:★★★★★
ノイズ交じりの劣悪な録音、古色蒼然たる音の響き、今では考えられない演奏フォーマットなど、Parkerのどこが凄いのかまったく理解できなかったのが最初の印象。その後、懐古趣味も手伝って数十回聴いているうちに、あんたの気のせいと言われそうだが、ある日突然「目からウロコ」状態。私にとってParkerは特別な存在になった。あらゆる角度から解釈され尽くした感のあるParkerだが、個人的な体験から彼の特異性を表明するなら、「Charlie Parkerはリアルだ」ということ。そもそも音楽を聴くという行為は、LPやCD、最近ではデータに定着された「過去」をトレースし直すという作業と言い換えることができる。しかしそれはあくまでも追体験であって、演奏するプレイヤーやライブ盤なら観客などその場にいる当事者ほどの臨場感を獲得することはどうしても不可能だ。これは音楽に限ったことではなく、メディアに収録され得るすべての芸術に共通する宿命である。では、Parkerは? いつでも、私たちの目の前に「イマ」を現出する世界を展開してくれる。こう思う時がある、Charlie Parkerとは次元の高いJazzの演奏家ではなく位相の異なる文化の創造者ではないか、と。1940年代後半のDialとSavoyは彼の絶頂期を収めた2大レーベル。国内外のレコード会社からさまざまな形とボリュームで発売され続けている。決して押し売りはしないけれど、Parkerを聴くならBGMとしてでもいいから何度もできるだけ繰り返し聴いて欲しい。 |
Charlie Christian/Dizzy Gillespie/Thelonius Monk評価:★★★★★
1941年、ニューヨークのライブハウス"Minton's PlayHouse"はさながら、 ジャズの実験室状態であったことは史実が証明している。クリスチャン、セ ロニアス・モンク、ケニー・クラーク、ジョー・ガイ、ディジー・ガレスピ ー等々,この1枚は当時の先鋭的なミュージシャン達で録音されたクリスチャンの斬新なギター・プレイが収録されている。1曲目の"Swing To Bop"を 聴けばすぐに理解できる。とにかくフレーズがモダンなのである。クリスチャ ンが出て来る以前の、ジャズ・ギタリストはリズム・キーパーと言う地味な、 役まわりであったが、クリスチャンはこれをホーン楽器の様に変えた革命児で ある。もの凄いスピード感&ドライブ感である!モンクのピアノも後年のスタ イルとは全く違い、バップ・フレーズの連発で、ここも聴き所であるし、ジョ ー・ガイのディジーを意識した、トランペットも非常に楽しめる。"Up On Teddy's Hill""Down On Teddy's Hill"のクリスチャンのアドリブは 何回聴いても、進みすぎている感じを受けるくらいである。ベニー・グッド マンとの録音が殆どのクリスチャンであるが、グッドマンとのプレイで、こ こまでスリルを感じさせてくれる1枚は自分の知る限りでは無い。全てのジャ ズ・ファンに聴いて貰いたいモダン・ジャズ・ギターの記念碑的な最高の1枚 である! |
グルーヴィン・ハイ評価:★★★★★
ガレスピーは,パーカー,パウエルと共にビ・バップ革命を先頭に立って推進したトランペッター。 本作は彼のリーダー作中の代表的傑作であるばかりでなく,ジャズ・ファンにとって基本的ライブラリーの1枚といえる。 中でも1945年録音のパーカーとの「ホット・ハウス」「ソルト・ピーナッツ」「グルーヴィン・ハイ」は初期のモダン・ジャズを語る上で欠かせない歴史的名演。 その他,自身率いていた猛烈にワイルドなビッグ・バンドにおいて、いっそうの光彩を放つ彼のプレイも聴ける。なお、このバンドには,ジョン・ルイス,レイ・ブラウン,ミルト・ジャクソンなど後年のジャズ・ジャイアントが顔を揃えており、興味尽きない。 とにかく,ビ・バップとはこれです。 |
バード/サヴォイ・レコーディングス (マスター・テイクス)評価:★★★★★
「CDジャーナル・データベースからのレビュー」に思わず頷くわけですが、それにしても洗練され尽くしたアドリブの凄さは、本当に天下一品です。ビバップの黎明期と呼べるような時代に、こんな凄い演奏があったなんて…これはもう神懸り的な稀有の芸術ではないでしょうか。 40年から50年代のジャズと言えば、やはり自然にチャーリー・パーカーの名前が挙げられると思うのですが、このCDを聞くとその自然な流れに納得します。大げさですが、他のビバップ・バンドが聞けないくらいです。 マスターテイクばかりを集めたこの二枚組は、オルターニット・テイクスをいくつも集めた「歴史的名演の資料性」を誇るコンプリート盤よりも、アルバムとして聞き流すのに向いていると思います。共演のディジーメ |
ケン・バーンズ・ジャズ−20世紀のジャズの宝物評価:★★★★★
ケン・バーンズの膨大な映像ドキュメンタリー「JAZZ」は,常日頃アメリカにおけるジャズの評価の低さに,いらだたしい思いをしているジャズファンの溜飲を下げるに十分な力作だった。ジャズの歴史をたどることによってアメリカ黒人の受けてきた差別の歴史をも浮き彫りにした手腕は見事という他ない。 さて,このアルバムはケン・バーンズの名を冠したシリーズ物の1枚。 世に天才と呼ばれた人は多いけれど,チャーリー・パーカーこそその名にふさわしいだろう。映画「バード」にも描かれた破滅型の人生もまた,平凡な日々を送るしかない我々にとっては魅力的だ。 とにかく彼の演奏を聞かずしてジャズファンは名乗れまい。絶頂期だったサヴォイとダイヤルの代表曲を1枚で聴けるのだから,これからパーカーを聞こうとしている初心者には打って付けだし,たまにはパーカーでも聞くかといったベテランにもお薦めの1枚。 |
スイングジャーナル・ゴールド・ディスク・ベスト評価:★★★
ビギナー向けなのでしょうか? ビギナーにはそれなりに受けはいいかもしれませんが、やはりレーベルの偏りに不満が残ります。ライナーのとおりビクターの国内リリースするレーベルのみだけというのが非常に辛いこのCD...レーベルはやはり好き嫌いがあると思うのですが...いかがでしょう? 選曲は★★☆☆☆、価格は★★★☆☆ |
チュニジアの夜評価:★★★★★
華やかなビッグバンドはいつでもウキウキさせられますが、この顔ぶれはそれ以上に凄いものがあります。 それぞれが既に大御所のミュージシャンだけあって、演奏を楽しむ彼らの余裕すら感じさせるこの1枚。このアルバムの最後に収められている「チュニジアの夜」ですが、様々なアーティスト、ビッグバンドがこの曲を演奏する中でも、私はこのアレンジが特に気に入っています。Faddisのトランペットも冴えわたり、Moody、Leeなどの コラボレーションがまるで夢のようで、ガレスビーの偉業が改めて思われます。 |
マイ・ファースト・ジャズ~スタンダード評価:★★★★★
楽器演奏曲、歌唱曲がほどよくミックスされてます。ジャズを勉強しはじめたばかりでも「お、聞いたことあるぞ」という有名な曲&ミュージシャンがズラリとならんでいるので嬉しくなります。サラ・ヴォーンがダイナミックに歌う「バードランドの子守唄」、エロール・ガーナーの色っぽい「ミスティ」、オスカー・ピーターソンのはじけるような「ウッディンユー」。そうそう、スタン・ゲッツの「イパネマの娘」も定番ですね。 じっくり聴くことも、サラッと流して聴くことも出来る不思議なアルバムです。わたしは大好きですよ。 |
電気 低音王評価:★★★★
エレクトリックベースに焦点を当てたコンピレーション。黙々と低音でラインを刻み続ける楽器であったベースが、ジャコパストリアスという天才による革命以降、バンドアンサブルの中で役割を担うようになったかを思い知らされる。ベースという楽器がプレーヤーの個性で非常に多様な音を生み出し、それが全体のアンサンブルに影響しているかがをいや良く分ります。この手のコンピアルバムは、選曲が片寄って???のものが多い中、選曲のバランスも良く、日本代表として鳴瀬善博、水野正敏、江川ほーじんが取り上げられているのもGood。スタンリークラークはどうしたとか、エイブラハブラボリエルがいないじゃないかとか、日本代表から櫻井哲夫が外れるのは絶対おかしいといった声もあるかも知れないし、好きな方は全部オリジナルアルバムで持ってるかも知れないけれど、それはそれとして80年代以降のフュージョンシーンをベースという楽器の視点から俯瞰するのにも丁度良いアルバム。 |
ディジー・ガレスピー・アット・ニューポート+3評価:★★★★★
米国のトランペッター、ディジー・ガレスピーのアルバムです。当時ガレスピーは中東親善音楽使節に任命され、国の援助の元にビッグバンドを率いて中東ツアーを行いました。これはそのビッグバンドが米国で行ったコンサートを収めたものです。ガレスピーには小編成のバンドによる演奏が多いのですが、そのダイナミックな音楽性はビッグバンドでさらに輝きを増します。思わず吹き出してしまうほどコミカルな演奏から、涙を誘うものまで、ガレスピーの幅広い魅力が余すところ無く収められた名盤です。 |
バード・アンド・デイズ+3評価:★★★★★
名曲リープフロッグのが4テイク入っています。これがすごい。まるでやすきよの漫才を聞いているが如く、いい感じで引き立てながらもお互いの主張が重なり合ってくる。まさに名コンビ。両者とも幸せであったろうとひしひし感じ得ます。 |
ソニー・サイド・アップ評価:★★★★★
スティットもロリンズも個人的に大好きなテナーマンであり、各々が絶頂期にテナー・バトルを繰り広げたという、夢のようなアルバムです。 ガレスピーは、行司のような立場であり、これは、二人のテナーマンのバトルをじっくり聴くべきアルバムです。二人ともテクニックにかけては引けをとらないどころか、名人といえる人達なので丁々発止のバトルとなっていますが(特に2曲目)、二人のソロのアイデアの違いがくっきりわかることも確かです。途切れることなく、もりもりと吹き続けるスティットに対して、ロリンズは、個性的な彼らしいユーモアを交えたさすがの吹きっぷり。どっちの勝ちかというより、お互いの技に酔いしれることができ最高です。個人的に二人とも昔、ライブ演奏を見たことがあり、大好きなので甲乙はつけられません。残念なのは、バトル第二弾が企画されなかったことでしょう。いずれにしても畏るべし、ヴァーヴ・レーベルです。 |
フォー・ミュージシャンズ・オンリー(紙ジャケット仕様)評価:★★★★★
30年前にこのレコードを買い、繰り返し聞いたのを思い出します。CDになって再販しないか心待ちにしていたアルバムです。心地のよいビバップが最高!! |
ニュー・ウェイヴ評価:★★★★★
かの有名な[GETZ/GILBERTO](1963)の世界的大ヒットの前年に、ジャズ界の巨人ディジーはすでにボッサを消化吸収し、ボッサ・ジャズをカタチにしていたのです。私がこのアルバムの存在を知ったのは、ボサ・ノヴァ関連の書籍に紹介されていたからなのですが、あいにくそのときにはまだCD化されておらず手にいれることはできませんでした。 ですがこの度、フィンガー・スナッピン・ミュージックという企画により世界初CD化され、 こうして私のような、CDにしか手を出せない音楽ファンがレビューを書けるというのは、まったく幸せなことです。 このアルバムは前記しましたように、歴史的にも重要な意味を持っていますが、それ以上に、巨人ディジーのセンスと技術に裏付けされたボッサ・ジャズの名盤であります。 ボサ・ノヴァはサンバ=ボサ・ノヴァなんだ、というジョビンの言葉を代弁するようなハッピーで、ノリのいい一枚です。 たしかに[GETZ/GILBERTO]でのスタン・ゲッツの演奏はクールで、完璧かも知れませんが、私にはまるで歌うようなディジーの演奏のほうが、あたたかくて心地よいのです。 再発してくださった方にお礼を申し上げたい心持でいっぱいです。 |
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