イン・ア・スペシャル・ウェイ評価:★★★★
70's中期は”ネクサス”や”トーン・タントラム”といったメロウ/グルーヴィーなフュージョンサウンド作品を残したG.ハリス(p)。本作もその路線で残された'76年作。 ライナーを書いておられる小林某氏はその中ではっきり”B級作品”と言っておられます。まぁ、ライナーだから良いことしか書かないライターよりは親近感が湧きますが、無論、その言葉を理解する上では、ライナー全体に目を通してみてください。 ライナーとは別に私個人の感想はと言えば、他の70's中期作品も聴いている事もあり(且つ、それらの音は大好きなので)専門家の方ほどシビアに”B級”の烙印を押すには至りません(^^; 当然、スリーサウンズ時代および”ネクサス”以降のストレートなジャズへの回帰を”本来の姿(?)”として捉えれば、本作は駄作なのかも知れません。 先の小林氏は”ラリー・マイゼルの悪影響”とも評しておられますが、マイゼル(兄弟)の仕事も実は私は大好きなものですが、、(^^; しかし、G.ハリス本人もストレートなジャズをやりたくて本作を作った訳でもないでしょうし、寧ろ、同時期には先のマイゼル兄弟−スカイハイ・プロダクション−と組んでD.バードも同系の作品を多数リリースしていますよね(ブルーノートから)。 時代への迎合というと聞こえが悪いのですが、”俺にグルーヴはこうだ!”というG.ハリスの意気込みだったのでは?と思うのです。 まぁ、早い話が”ジャズ”を期待して聴く作品ではなく、グルーヴ至上主義(^^;的な一品として扱えば、少なくとも私にはいい感じの作品なのです。特に[4]でのノリは非常に気持ちのいいものです。また、[9]はJ.コルトレーンの名曲をカバー。フュージョンっぽいアレンジながらも、A.ローレンス(ts)のおおらかなブローとも相まって、個人的なイチおし曲でもあります。 L.リトナー(g)、A.マッケイ(g)、H.メイソン(ds)、J.ギャドソン(ds)、C.レイニー(b)、P.ベイリー(vo、perc)、J.ピータース(elp、synth)等、かなり豪華な面子が参加。 |
RAINEY/WALKER B評価:★★★★★
カバー、オリジナル(C.レイニー作)を含め、本作に収録されている何れもが非常にセンスのよい作品です。今更この作品の主役であるご両人を紹介するまでもないでしょうが、流石に”巧い”です。私個人としては、やはりデヴィッド.T.ウォーカーのプレーに耳が行ってしまいますが、根底を支えるC.レイニーの職人技にもグッときます。最後の曲などはベースとドラム(ちなみに、L.ンドゥグ.チャンクラーです)のシンプルなデュオ曲なのですが、グイグイとグルーヴさせるさまは圧巻です。 #そこいらのお子様ロックバンド、よーく聴きなさいよ! 個人的な一押しは[2]、[3]、[9]といった何れもカバー曲なのですが、もうメロメロになるほどかっこいいんです。このご両人の顔合わせは他アーティストのバックという位置付けでは何度か実現していたのかも知れませんが、こうやって改めて二人が意気投合して作り上げた本作は、本当に彼等の技を(誇示する訳でなく)見せつけられるいい作品だと思います。 |
サウンド・オブ・ア・ドラム評価:★★★★
カリプソをバックボーンに持つNYノスタジオパーカッショニスト、ラルフのアルバムはどれも、単なるワールドミュージック的な要素ばかりでなくポップな味付けが効いていて、心地よいサウンドになっています。ディープな民族音楽は苦手な人におすすめ。フュージョンファンにはもちろんお薦め。 |
ブラックス・アンド・ブルース評価:★★★★★
もはやレア・グルーヴの定番ともなっている、彼女のリーダー 作としては3枚目のアルバム。 何といっても、人気の要因は−、−の収録で、名うてのミュー ジュシャンによる、卓越したリズム隊を軸にボビーの艶あるフ ルートが縦横無尽にアドリブを繰り広げられる妙は絶品である。全体的に緩めのファンキーさにエレピ、ARPなどでメロウに味 付けしているのも本作の特徴で、そこにデヴィット・Tによる箱 物のギターが加わるとなれば、想像難しくないだろう。 −や−で聞ける、キュートなヴォーカルはリンダ・ルイスやミニ ー・リパートンなどに通じるものがあり、本作の隠れた聞き所。 73年、6月6日、7日,8日録音。スカイ・プロダクションの サウンド・メイキングの下、ラリー・!ミゼルの制作、楽曲、編曲 、ヴォーカルの活躍も忘れてはならない。 BN-LA番台は元より、間違いなくボビーの代表作で”レア・ グルーブ”という括りだけでなく、”午後のカフェ”的な捉え方 も充分に可能。全6曲、必聴である。 |
サウンド・オブ・ア・ドラム評価:★★★★
ラルフマクドナルドのリーダーアルバムは、 ドラマーやパーカッショニストの作品にありがちな「打楽器の応酬」のような要素が少なく、ポップで聴きやすく親しみやすいサウンドで好感が持てます。フュージョンが好きな方には間違いなくお薦めです。ラルフのソングライターとしての魅力も楽しめ、バックの人気スタジオミュージシャンも好演しています。 |
ボトム・ジャック評価:★★★★
ソリストとしてのエレキ・ベースが楽しめる!チャックレイニー、ロッコ、ジョージ・ポーターなどの大御所らが弾きまくる!16系の音楽が好きな人にもお薦め!エレクトリック・ベーシストもソリストになり得ると思い知らせてくれるCDだ。 |
カリフォルニア・シャワー評価:★★★★★
若く才能のあるミュージシャンを積極的に起用し、いろいろな音楽を見事に自分のものにしてしまう渡辺貞夫は、この時期(70年代後半)、日本のフュージョンの牽引役でもあった。 「マイ・ディア・ライフ」よりもリラックスした演奏は、ジャズとポップスの垣根を取り払った、まさにフュージョンの名盤。 |
ザ・チャック・レイニー・コーリション評価:★★★★★
ジャズの書籍にこのアルバムが載っていたけど、どこさがしてもないないずくし!であるからしてのとかしたい。今この頃 |
フー・イズ・ジス・ビッチ・エニウェイ評価:★★★★★
全曲素晴らしい。「YOU TAUGHT ME HOW TO SPEAK IN LOVE」「FEEL LIKE MAKIN' LOVE」は、名曲。 アップテンポの曲とスローテンポな曲が交互になっていて、優しい歌声でそっと包んでくれる。 |
ストリート・レディ評価:★★★★
前作”Black Byrd”('72年)はジャズファンクものの古典としても有名ですが、これに続く本作もMizell Bros.のアレンジ/プロデュースを受け、BLUE NOTEに残した一連のジャズファンク色の強いD.バード作品としかなり楽しめます。 #まぁ、良くも悪くも前作の後光が強いためか、あまり話題にされていない #ようにも思いますが。。フュージョンというカテゴリではないと思いますし、かと言って、そのままジャズという訳でもありません。確かに、ジャズファンクと言ってしまえばそれまでかも知れませんが、寧ろ、R&Bやソウルといった特有のフィーリングを散りばめつつ、例のドナルド節を堪能することができます。 タイトルおよび収録曲名を見れば、(所謂、街角に立つある種の)女性を中心にしたコンセプトアルバムということが伺えます。何れ、そこに込められたメッセージまでは(歌モノではない故)十分に感じ取れない私ですが、ひたすら気持ちのいい音楽であることは請け合います。 #D.T.ウォーカーやC.レイニーなど”音楽職人”が参加しています。 |
ダークネス・ダークネス評価:★★★★
地味に地味にメロディーをたどりながらも、いぶし銀の巧さ織り込んでゆく曲があるかと思うと、炎のギターソロが切れまくる曲もある。ダニー・ハサウェイの有名な「LIVE」で魅せた「You've Got A Friend「君の友達)」を本アルバムでも取り上げ、こちらも素晴らしい仕上がり。ニューソウルを影で支えた達人のこの最高傑作、ニューソウルファンなら騙されたと思って買ってみて! |
ザ・ベスト(芸歴50周年記念特別企画)評価:★★★★
ナベサダが"My Dear Life"に始まるFlying Diskレーベルに残した「クロスオーバー」系の演奏からセレクトしたベスト盤である。70年代後半から80年代前半の日本のジャズ・シーンをリードした演奏として懐かしい音源ばかりだが,古臭さは感じない。ここに収められた演奏の中では,"California Shower"所収の曲が最もポピュラーであろうが,"My Dear Life"からのラスト3曲の味わいも捨てがたい。共演者ではLee Ritenourのギターが突出した魅力を放っている。 |
コリエル評価:★★★★
もうジャケットからして”フラワー・ムーヴメント”してます!冒頭の[1]は頭がクラクラしそうなサイケデリック・ロック(Creameみたい)。L.コリエルがギラギラギターサウンドの合間から”セエーックス!”と叫んでいる様は、”行っちゃってます?”って感じです(^^; 同じく[3]では、よりハードなサウンドでグイグイと迫ってきます。むかーし、私が洋楽というものを聴き始めた頃に漠然と抱いた”ロック”のイメージをそのまま具現化しくれています(バックでドンドコドンドコ唸っているベースも味があります)。かと思えば、[4]ではちょっぴりクラッシクギターっぽい奏法で色を着けてみたり、[5]は急にスムースジャズっぽくボーカルを決めてみたり、[7]ではフルートなどを織り交ぜ、どこかネオアコっぽかったり(この曲、結構好きです)と、まぁ、色んな意味でバラエティに富んでいます。 初版が'69年リリースですから30年も前の音(作品)なんですね。勿論古臭さはあるにしても、この後”ジャズロック”が興隆し、それが”フュージョン”へと昇華させられてゆく過程の中で、キー!パーソンの一人として挙げられるL.コリエルのエスプリがよく反映されていると思います。 #とは言え、耳障りのいい、聴きやすい音楽ではありません。ご注意を (^^; |
SOUL FOOD CAFE評価:★★★
職人、デイヴィッド.T.ウォーカー(g)と、彼とは30年以上の付き合いがあるJ.サンプル(p、key)。一時期、デイヴィッド.T.ウォーカーはクルセイダーズのサポートをやっていたこともありますが、本作('89年作)はクルセイダーズよりも、もっともっとベーシック&シンプルなソウルテイスト溢れるアルバムになっています。H.シルバーの代表曲として名高い[3]や、P.スレッジの歌で有名な[4]など、耳なじみの曲が、デイヴィッド.T.ウォーカーの柔らかなギターと上手くマッチしています。 ただ、悪く言えば”身内のセッション”的な色合いが多分にあり、商業的に”これ”といえる部分がちょっと見当たらないですね。 寧ろ、(私もその一人ですが)”デイヴィッド.T.ウォーカーのプレーが聴きたい”というファン向けのアイテムの1つとして割り切って捉えた方がいいように思います。 #ベテランのC.レイニー(b)も参加。 #プレーはちょっと控えめかな? |
ゼア・ゴーズ・ザ・ネイバーフッド評価:★★★★★
グレイボーイオールスターズ/20thコングレスなどで有名なオルガン奏者=ウオルター。これはソロアルバム。パーカッション類を効果的に駆使したアシッドジャズが聞ける。楽曲がやや弱いが、そこそこのアシッドジャズは聞ける。10点中6点 ウオルターのハモンドの腕前はあんまり評価できないな−−− アシッドジャズ以上アシッドジャズ未満 |
カリフォルニア・シャワー(XRCD-24bit Super Analog/紙ジャケット仕様)評価:★★★★
本作の魅力は、なんといってもデイブ・グルーシンを筆頭にしたバックミュージシャンのパフォーマンスの素晴らしさにあります。彼等の力なくしてこのアルバムは成立しません。中でもプロデュースのグルーシンの貢献度は絶大。グルーシンのファンに強くお薦めします。 |
ザ・ベスト・オブ・リチャード・ティー評価:★★★★★
本当に掛け替えの無いピアニストを我々は失ってしまったんだと、痛切に感じさせられます。 ジャンルにとらわれないその幅広い活動、どんなアーティストのアルバムに参加していても、それと分るピアニズム。こうしてベストの形で聴いてみると、必ずしも本当のベストではありませんが、彼の偉大さがはっきりと理解出来ます。日本のアーティストの皆さんもそうとうお世話になったはずです。リチャード・ティーはとりわけ日本人に愛されていたように思います。 彼のプレイは様々なアーティストのアルバムで聴けます。本作を期に本格的にお聴きになる事をお奨めします! |
アメリカ・ザ・ビューティフル(紙ジャケット仕様)評価:★★★★
合衆国の象徴であるハクトウワシの横顔、目には涙を溜めている。その秀逸な(若しくは皮肉に満ちた?)ジャケット・デザインはグラミーアワードを獲得したのだとか。。 一言で言えば愛国者であるが故に国を憂うG.マクファーランド(composer)のアメリカに対する想いを形(音)にした、というところなのでしょう。 実際には決して軽くないテーマを扱っているのでしょうが、リスナーとしては純粋に楽曲やソロイストのプレーを楽しんでもいいのではないかと思います。 ジャズオーケストラというフォーマットではありますが、構成要素(各楽曲)における表現手法は多少砕けた?感じを受けます。例えば、E.ゲイル氏のgなどのテイストは明らかにロック的な響きです。 時代の端境(因みに本作は'68年作)にあって、社会的な変化と音楽(ジャズ)シーンの双方の変化を想いながら聴くと良いのかも知れません。 先のE.ゲイル氏の他にも、W.バーンハート(p)やH.ロウズ(fl)、J.ファレル(sax)、C.レイニー(b)などの名前もオーケストラの中に見えます。 |
ダズ・ザ・サン・リアリー・シャイン・オン・ザ・ムーン?(紙ジャケット仕様)評価:★★★★★
真夏の避暑地のプールサイド。日差しは強いが涼しい風のおかげで暑さを感じない。例えて言えばそんな風景にふさわしいリラクゼーション・ミュージック。 陽炎のように揺れるオルガンの音色、グラスに氷をころがしたようなヴァイブの音色、柔らかな管楽器の響き、ときにメロディーをたどる口笛やスキャットは気だるくも心地良い午後のそよ風のようだ。 品のいいポップ・ジャジー・ミュージック!ソフト・ロック、ジャズ・ボッサ好きの方には特にお勧め。 見開きの紙ジャケも綺麗です。 |
コーリション(紙ジャケット仕様)評価:★★★★
職人という表現が似合うプレーヤーは本当にカッコいいと思います。単に圧倒的な技術(質、量とも)を持っているという意味からすると、C.レイニー(b)以上のそれを持つ人を探すのは難しくないでしょう。また、圧倒的なセッション量という面でもそうかも知れません。 しかし、その両極だけに位置していては職人ではないのでは?と思います。双方の条件を満たしつつ、天性のフィーリングや信頼といった点についても兼ね備えてこそ、初めて”職人”という響きの似合うプレーヤーが出現するのだと思います。 ですので、ジャケットに記載されている”誰々の曲を聴いたことがあれば、C.レイニーを知っているはず”云々という文句は(私の場合)どうでもいい売りコピーとしか映りません。 そんな事より、普段は耳にも留めない?ベースという楽器、その音を、ここに収められた楽曲からじっくりと聴き取って頂きたいと思うわけです。 ソロアルバム(本作は'71年録音)とは言え、当の本人は自らにスポットライトが当たる事など爪の先ほども望んではないのでは?と(私は勝手に)思っていますが、どうでしょうね(^^; |
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