The Solo Sessions, Vol. 1評価:★★★★★
1963年物です。 エヴァンスのソロ・ピアノと言えば、グラミー賞を取った『Alone』が知られていて、そこでは厚みのあるソロを聴くことができます。 かたやグラミー物、かたや無名のアルバムなんですが、なぜか、こちらのほうがいい、と感じるのです。何度も聴き比べてみましたが『Solo Sessions』のほうが好きです。冒頭の曲、"What Kind Of Fool Am I?"・・・なんだか、”My Foolish Heart"に似た題名で、静かに、ひとつひとつの音を確かめるように弾き始めるのが印象的です。珍しく"My Favorite Things"も取り上げています。「スパルタカス、愛のテーマ」も聴くことができます。 ・・・誰に聴かせるでもなく、ひとり、部屋でピアノを弾くビル・・・ 半開きのドアから聞こえる音を、彼に気づかれないように息をひそめて聴いている・・・ そんな情景を想像させるようなアルバムだと思います。 |
The Solo Sessions, Vol. 2評価:★★★★
1963年1月、"Solo Sessions 1"と同じ日の録音で、Vol.2として1枚にまとめられたものです。Vol.1と同じように一種の内省的な世界ですが、こちらのほうが、ちょっとチカラが入っているように聴こえます。それでも、"I Loves You Porgy"などのスロー・バラードは静かで奥深い雰囲気に満たされています。興味深いのはパーカーの作品 "Ornithology" で、アドリブが徐々に乗ってきて、エヴァンスが小さな声でハミングするのが聞こえる事です。 また、当時のエヴァンスのスタイルがよくわかる物になっていて、例えばハービー・ハンコックもエヴァンスの影響を受けたひとりですが、ハービーのフレーズの元をここに聞くこともでき、面白さを感じます。 |
Loose Blues評価:★★★★★
名作の誉れ高いリバーサイド盤「インタープレイ」と前後して吹き込まれたレコード。「インタープレイ」ではフレディ・ハバードのラッパが煌びやかだったけど、本作では代わりに渋いズート・シムズがテナーを吹いている。ギターの名手ジム・ホールはどちらでも演奏しているけど、本作ではやはり渋いプレーに徹している。 陽の「インタープレイ」に対して、本作は陰、か。無論、単に陰気と言う訳ではなく、一人でじっくり聴く分にはコッチの方が噛み応えがあるかも。 私個人の愛聴度は、こっちの方が格段に上。あまり人に教えたくない隠れ名盤! |
On Green Dolphin Street評価:★★★★
全体を通してスウィンギーな演奏で、サポートのメンバーの性格がでていて面白い。このトリオでもっと演奏してほしかったと思うくらいです。 ぜひ聴いてみてください。 |
Explorations評価:★★★★★
このアルバムを初めて聴いたのは1973年、18才の夏。夜が明ける少し前に、ターンテーブルに昨日買ったレコードを載せると、流れてきたのは「イスラエル」だった。まるで、この静かな時間の為に用意されたかのような演奏。ビル・エバンスの静謐なまでに研ぎ澄まされたピアノの響きと、スコットラファロの流麗なピチカート、ポール・モチアンの趣味の良く上質なブラッシュワーク。わずか4枚のアルバムを発表しただけで、ラファロの突然の死によって中断されてしまう、ジャズの歴史に残る1962年の名演。曲がマイルス・デイビスとの共作「ナーディス」に変わる頃には、ようやく夜が明けはじめる。濃いブルーに染まる都市の夜明け。海に浮かぶ小島のように建物や工場、ハイウェイなどがシルエットのように立ち上がる。音がアパートの窓から、夜明けの街に朝霧のように静かに流れ出していく。このひとときの時間の為に作られたかのようなアルバム・・・。私はいまだかつて、これほど完璧なまでのアンサンプルで統一されたピアノ・トリオを聴いたことがない。それくらい素晴らしく、抒情的な傑作。スコット・ラファロのベースはこの時代の誰にも似ていない。完璧なコラボレーションを誇る20世紀の名アルバムです。 |
Everybody Digs Bill Evans評価:★★★★★
美しい感じの曲ですね。エバンスの中では好きで時々聴いています。 |
Portrait in Jazz評価:★★★★
JAZZはアフロ・アメリカンのもんだろ、やっぱ!と思っていた私の考え を見事に変えてくれた1枚。あちこちのレビューで名盤と紹介されてい るのは間違いではありませんでした!まず1曲目のイントロでヤラれ 「枯葉」でダウンを奪われ「Blue In Green」でトドメをさされます。 (笑)多分ワルツ・フォー・デビィーの方が評価が高いのかも知れませんが、 私はこちらの方がしっくりきます。ピアノとベースが緊張を保ちつつ 和やかに対話してるんだよね。 |
Sunday At The Village Vanguard評価:★★★★
個人的には若干「ワルツフォーデヴィ」の方が好き。でもビルエバンスのピアノ以上にスコット・ラファロが目立っていて、彼のベースラインだけでも十分楽しめる。3人それぞれのパーツをじっくり聞くには本作が良いです。でも彼の素晴らしいベースラインは必聴もの。また臨場感のあるオーディエンスの雑音も雰囲気がたまらなく良い。 |
Waltz for Debby評価:★★★★
正直、この「怪演」をどう評価していいのかわからない。 テーマ部分はとてもキレイ系のジャズ・ピアノ風でうつくしいとはたしかに思う。でも、ほとんどアドリヴのない「マイ・フーリッシュ・ハート」をイイ、と言ってみても、それはビル・エヴァンスの魅力を的確に言い当てているとは思えないのだ。 「ワルツ・フォー・デビー」にしても、「マイ・ロマンス」にしても、テーマ以外のアドリヴの部分に来ると、正直言って寝てしまう。このライヴで、ほとんど聴衆はかれの演奏を聴いていなかったといわれているが、それも頷けるような気がする。さらにかれのアドリヴに輪をかけて困ってしまうのがあのスコット・ラファロの意味不明のベースだ。かれを絶賛する向きが多いようだが、ビル・エヴァンス・トリオの一番の邪魔者は彼だったのではないか。文句のない名盤「Explorations」でも、あのベースだけが余計なように思う。 なので、たぶんこの演奏を評価するファンは、ごく少数のよっぽどの達人か、大多数のジャズ初心者なのだろうと思う。わたくしのようにある程度のジャズ経験はあるけれどもプロの聴き手ではないという人間にとっては、未だに謎の演奏なのである。 |
At Shelly's Manne Hole評価:★★★★★
エヴァンスの数多い作品の中でも五指に入る傑作だと思います。 エヴァンスのピアノはいつになくリラックスしており、速いテンポの曲でも後年のように弾きすぎることはありません。イスラエルのベースもたよりなさそうな初期の作品に比べてずいぶん自信をもったバッキングやソロを行っています。それにブラシのうまいバンカーのドラムを得て、このクラブデイトからとは思えないほどグループとしてのまとまりが感じられます。 録音もいいと思います。クラブの雰囲気の中にも各楽器のディテールか捉えられていて、私はオーディオチェックの一枚として使っています。 |
Interplay Sessions評価:★★★★
Evansのリーダーアルバムでは珍しい5人編成。 トリオ編成より緊張感は落ちるものの、その分聴きやすい。 ジムホールのギターは秀逸。アンダーカレントでのデュオに勝るとも劣らない。 トランペットのフレディも若さ溢れる演奏で好感が持てる。 「あなたと夜と音楽と」は必聴。 |
Tokyo Concert評価:★★★★★
エヴァンス、ゴメス、モレル三人の非常に円熟したインタープレイを聞くことが出来ます。『up with the lark』,『green dolphin street』等エヴァンスの澄んだピアノが清々しい。 |
Moon Beams評価:★★★★
ビレッジ・ヴァンガードのライブから1年後、ラファロの死から立ち直ったエバンスの同一のセッションから、バラードばかりをまとめたのがこのアルバム。全編を支配するほの暗いムードが素晴らしく、BGM(静かなピアノトリオ)として気楽に聴けるような内容ではありません。でも、正直言って、最後まで通して聴くとこちらの緊張感が続きません。本を拾い読みするように、好きな曲を数曲聴いています。 冒頭のRe:Person I KnewがプロデューサーのOrrin Keepnewsのアナグラムだとは知りませんでした。言われてみればそうですね。エバンスらしいユーモアだと思います。 |
Montreux 3評価:★★★★★
エディーゴメス+エバンスの75年モントルージャズフェスでのライブ音源。名手2人の卓越したプレーがやはり見事。ライブアルバムと言うのはなかなかいいのがないのが現実。がしかしこれはすんなりと聞ける。2人のコール&リスポンスが奇跡的にうまくいっているからだろう。名人芸を極めたようなエディーのベースプレー+まるで詩人のように音を紡ぐエバンスのコラボレーションをじっくりたのしむそんな1枚。オーディエンスのダイレクトな反応がこれまた興味深い。 10点中8点 |
Quintessence評価:★★★★★
最初に買ってしまった頃、エライ後悔した。なぜなら、エヴァンスハピアノトリオでしょって先入主があったから、うっかりクインテットものを買っちまった!というだけのことですが、先入主とはおそろしいものでこんなになじむ(和むではない)かっこいい、小じゃれた音楽なのを理解するまでにはずいぶん遠回りしたものです。エヴァンスには同等の作品にinterplay(1961年)やWe Will Meet Again(1979年)がありますが、フレディハバードが入ることによって強引にハードバップ化してしまった前者や「日本人好み」でくくられそうな安っぽいロマンチシズム臭が強い後者(すいません、個人的な趣味ですから...)に比べ、このアルバムはジャケ写ままのクールで突き放した寂寥感がたまらなくかっこいい!フィリージョーも成長したって事か!うるさくなく、渋くサポートしているし、やはりジムホールよりもケニーバレルノブルージーさがプラスしたか、それよりもエヴァンス自身ひげが生えた分、いろいろあったって事だよね。A Child Is BornとかMartinaとか、やっぱ40、50代の(まだ知らないけど)のやるせない感じが迫ってきます。そうするとWe Will Meet Againがそんなでもないのが不思議だけど、それはまた別の機会に。このアルバム、マイナーだけどいいですよ、ほんと。 |
I Will Say Goodbye評価:★★★★
溝のふちで足を滑らして危うく落ちそうになった。 何かをつかんでようやく体制を立て直した。 暗く、そしてどうしようもないくらい深い 運命という溝。 掴んだその手にあったのは悲しいほど綺麗な曲を生む鍵盤。 |
Eloquence評価:★★★★
前半1-4はベースとピアノのデュオ。 後半2-8はエヴァンスのみのピアノソロという内容のアルバム。特に前半の<1><2>にはアコースティックピアノの他、 エレクトリックピアノがメロディーに使われており、 一体どんな格好で弾いてるんだ! と思わず言いたくなってしまうような技術の高さ。 これ、後で録り足したっていうのではなさそうだし・・・ 個人的にはTr<2>のボサノヴァの大御所ジョビンの作った曲を弾いたのが、 特にお気に入りであったりする。 あのジョアン作品とエヴァンスのピアノが絡まるのだ。 ボサノヴァも好きな私としてはとてもたまらないものがある。 とは言え、ほぼ完全にジャズものと化しているような気もするが・・・ そして、タイトルである「Eloquence(雄弁術)」にあるとおり、 他の曲でもエヴァンスの持つ音楽というものを、 他の人間に対して強く、でも何処か瀟洒で洒落っ気たっぷりに主張しているようにも思える。 1-4の間、ベースを弾くのは中期のメンバーであるゴメス。 まだまだ色々と知らない人間であるけれども、 このCDも素晴らしいものがあるとは思える。 |
Affinity評価:★★★★
エバンスが、珍しくもハーモニカおじさん、トゥーツ・シールマンスと共演した作品。編成はトリオ+ハーモニカ+ts/fl。 ポール・サイモンの"Do it for your love"の様なスローなバラッドとノリの良い"Sno peas"みたいな曲がバランス良く配されており、概して叙情的で優しい雰囲気の作品。 丁々発止のインタープレイと言う訳ではなく、噛み応えはあまりないが、逆にジャズファン以外の人にも気に入って貰えるかも知れない。 |
Artist's Choice: Highlights from Turn Out the Stars評価:★★★★★
本作品の29年前の最初のバンガードセッションは、何せ観客がうるさかった。演奏中、大笑いするおっさんまでいた。その日は所詮、コーラスグループの前座だったんだから仕方ない。 現在、その演奏がいかに絶賛されていても、当時はその程度の評価しか受けていないトリオだったのだから。 ところが本作品では、晩年のエヴァンスに観客が静かに聞き入っている。 元々観客のおしゃべりがひどいNYのクラブでは、観客の静けさは超一流の演奏家だけに与えられる特権である。 そしてその背景の静けさ(オーデイオ的に言えば、SNの良さ)と、当時最新の、マルチチャンネル業務用録音装置(付属の解説書の写真で見る限り、アンペックスの24チャンネルレコーダーで76センチ/秒録音か?)のお陰で非常に高音質で収録されている。ビルエバンスの作品中、録音の良さでは、78年11月録音のマリアンパートランドとのラジオインタビュー作品と並ぶ。その後のキーストーンセッションと比べても、この時点で余命三ヶ月だったにも関わらず、演奏はまだ落ち着いていて心に沁みる。 延々と続くNardisには私は付き合いきれないが、他の曲はセッション毎にそれぞれ変化があって楽しめる。 エバンスの晩年の名曲が次々に披露されるが、作曲家としての才能が再び開花しようとしていたのがよく判る。それだけに彼の早すぎる死は残念。ただ、Waltz for Debbyの演奏が無いのは不満。 願わくば、この好録音をSACD(ワーナーレコードだからDVDーAでも構わない)でより高音質で楽しみたい。 |
Trio '65評価:★★★★
タイトルは似ていても、ピーコック=モチアンとやったトリオ64の続編ではなく、イスラエル=バンカーと組んだトリオによる作品。コレと言ってセールスポイントの無い比較的ジミな作品だが、"Israel"や"Elsa"の再演となれば、"Explorations"にシビレたファンなら即買いでしょう。 リバーサイド4部作ほどの凄みは無いけれど、コッチの方は逆に緊張感が薄くリラックスした演奏になっている分、聴く方としても気楽に聞いていられる。毎日聴くならコッチ。 個人的に言うと、エバンスの"'Round about Midnight"は本作の演奏が一番気に入っている。 |
At The Montreux Jazz Festival評価:★★★★★
「いつか王子様」のアドリブの流れるような指さばきは聞いていると気持ちよくなってくる!ラファロとの演奏に匹敵します! 他の曲もエヴァンスがアグレッシブで熱気があっていいです。ただしドラマーが少し叩きすぎかな。特にナーディス(ライブだから仕方ないけど・・・)ジャック・デジョネットはキースジャレットトリオの印象が強いのでエヴァンスにはあっていない気がする・・ でもエヴァンスの好きなアルバム5本の指に入ります! |
Bill Evans at Town Hall評価:★★★★
このころのエヴァンスは少し地味で物足りないところもあるけど、その分 美しい。3の冒頭は特に綺麗だ。5は父との記憶を思い出しながら弾いているようで感動的。 |
Bill Evans Alone評価:★★★★★
このアルバムについては、多くを語る必要はないでしょう。グラミー賞受賞、ピアノソロ演奏というジャンルの確立と、本作が果たした業績に対して意義を唱える人は皆無でしょう。その位の大名盤です。ほとんど全てのジャズピアニストが、なにがしかの影響を受けたはずです。14分半の大作、−の「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」は、ソロ演奏の自由度を世間に示しました。エバンスのファンは必ず持っているはずですが、仮にまだの方がいらっしゃたら、迷わずミュージック・ショップへ直行しましょう。至福のときがあなたをまっています。 |
Empathy/A Simple Matter of Conviction評価:★★★★★
なんだかとっても上品なスィング感覚。アドリブ部もとても美麗です。 カクテルバーで聴きたいジェントルマン的ジャズ。 10点中8点 |
Half Moon Bay評価:★★★★★
エヴァンスの、作品には駄作がない、といわれていますが。それでも、あの名ベース奏者、スコット・ラファロとコンビを組んだ、4枚があげられる。しかし、これは、それに勝るとも劣らぬ出来である。くつろいだ雰囲気のなかにも緊張感を湛えた上質な演奏と選曲のすばらしさ。とくに3曲目の「Time Rememberd]から「Very Eerly]に移行して行くあたりのかっこよさといったら、1度は聴いて頂きたい。と、エバンスに、おすすめいたします。 |
アローン(アゲイン)(+3)評価:★★★★★
エバンスを聴く上で、どうしても欠かせないものが、ソロ演奏である。優れたピアニストであればあるほど、トリオによる演奏の制約を超えて、ソロ演奏へと向かっていくのは(リスナーも望むように)必然といえるだろう。エバンス以前も以降も名だたるプレイヤーがソロ演奏を発表しているが、中でもエバンスのソロは一際光を放っている。他の奏者は、アルバム一枚分をソロで埋め尽くすのには、やや難があり、途中で飽きが生じる場合も少なくない。エバンスは多重録音物を除いて正式なソロとしては2枚しか発表していないが、いずれも時間の風雪を超えて、今尚人々に愛聴されている。彼のソロ演奏はリリシズムとロマンティズムに溢れ、聴き手を決して飽きさせない。一枚とうして聴いても、各曲の印象より全体としての印象が優り、まるで出来の良い小説を一気に読んだ後のような満足感が得られる。この『アローン(アゲイン)』もその例で、安定した演奏と各曲の有機的なつながりにより、聴く者に大きな充実感と、感動を与えてくれる。今後も聴き継がれていく、ピアノソロの名盤として、その先頭を走り続けるだろう。 |
アイ・ウィル・セイ・グッド・バイ+2評価:★★★★
全体的にセンチメンタルなつくりになっています。 表題曲を含めて、まさに「別れ」のためのアルバムです。 しかしながら、いつも感心させられるのはビル・エヴァンスという人の選曲です。 “I will say goodbye”などもルグランの作としては埋もれている曲ですが、 エヴァンスの手によって見事によみがえっています。こんなことを言っては失礼かとは思いますが、原曲を思い浮かべて 「こんなにも良い曲だったかしら」と改めて原曲を掘り起こしたほどです。 静かなしっとりとしたアルバムです。 |
From Left to Right評価:★★★★★
フェンダーローズの癒される音+ビルエバンスの内面からにじみ出てくる熱、とでもいうのでしょうか。一曲目のテーマに移る所なんか最高です。涙が出そうになります! |
Homecoming評価:★★★★★
1979年11月6日(亡くなる前年)ビルの出身校南ルイジアナ大学でのライブ。晩年のトリオ、マーク・ジョンソン/ジョー・ラババーラとの演奏です。音質は必ずしも良いとはいえませんが、大学のホールの残響がとても美し響き、身近にいる聴衆との一体感を満喫出来る演奏になっています。ファンであれば是非聴いて欲しい一枚です。 |
Time Remembered評価:★★★★★
−−−がソロ、−から後がリヴァーサイド時代の最後を飾る"At Shelly's Manne-Hole"に収録しきれなかったTRIOでの演奏で、言わば「残り物」を集めたわけであるが、これほど強力な残り物もなかろう。 まずは、「シェリーズ・マンホール」の演奏が素晴らしい。この−−−は、'80年代にやはり同じ "Time Remembered" のタイトルでLPで出され、私もそのころから愛聴しているが、なぜそれまで未発表だったのだろうと首をかしげるような最高の演奏だ。今回CDで買い直して聴いてみたら、思ったより音がよいのでますます気に入ってきた。 それに加えてソロの5曲が素晴らしい。本人が気に入らずに80年代までオクラになっていたものだというが、どれも最上の演奏である。−−−は、ラファロの死後立ち直ろうとしていた'62年のもの、−のみが'58年の演奏。特に、10分を越す−の「ダニー・ボーイ」が、メロディが淡々と慈しむように紡がれ、胸を打つ。前半の5曲を目的に買ってもまちがいはない。 どちらから見ても、「最強の残り物」集だ。 |
ビル・エヴァンス・トリオ・アット・シェリーズ・マン・ホール+1評価:★★★★★
リバーサイド吹き込みでライブと言うと、ワルツ・フォー・デビーが余りにも有名。ではあるけど、リバーサイド録音の掉尾を飾る本作も、名作の名に相応しい名演。ここでベースを弾いているのはチャック・イスラエル。ラファロや後任のエディ・ゴメスほど饒舌ではないけど、堅実なプレーでトリオに落ち着きを与えている。冒頭の"Is it romantic?"以下、親しみやすい曲が揃っているのも良い。エバンスファンなら愛聴盤になること間違いなし! |
Practice Tape, Vol. 1評価:★★★★
このページをご覧になり、このCDの購入を検討されている方は、当然のことながらEvans Freakの方と思います。このCDは、Freakの方でもきっとご満足いただける珍盤です。そう、題名の通り、Evansの練習の模様を録音したもので、Voicingの検討や打ち合わせの会話も録音されています。Evansの指使いならぬ息遣いが聞こえるCDといえるでしょう。プロデューサーは実の息子のEvan Evansです。 |
Waltz for Debby評価:★★★★★
本、K−2リマスター版は、在来のCD版よりはるかに音質の改善が見られるので、既にビルエバンスファンの方は絶対、価格差を超えてこちらの方がお勧め。(なお最新のSACD版は、値段が張るが、それ以上に、超越した音質改善がある)もう一曲目からノックアウト。40年以上前の録音なのに、何という臨場感、迫力。そこに初期の演奏に凝り過ぎない、エバンスが組んだ最高のベーシスト、スコット ラファロと組むことにより得られる安心感、充実感から生まれる、落ち着いた静かな演奏がある。 この名曲、名演奏が繰り広げられる中で、あの場に居合わせた幸運な観客は何故あのように、おしゃべりを続けるのだろうか。音質が改善されれば、されるほど、観客の煩さが目立つのが腹立たしい。当時のビルエヴァンスの立場がまだ軽量級だったからか。エヴァンスのCDは、ほとんど持っているが、その最高峰で、いつも原点に戻るように聴くのがWaltz for Debbyである。 |
アンダーカレント評価:★★★★★
ミュージシャン同士の対話、「インタープレイ」というジャズ用語を定着させた、と言われる、ピアノとギターの二重奏による名盤。兎にも角にも−が凄い。基本的にピアノメインの時はギターが、ギターが出る時はピアノが、それぞれバッキングをつけているのですが、これが単なる「伴奏」ではない!お互いを煽る煽る。さぁ行け。もっと行け。次第に高揚の度合いが増し、熱演に盛り上がっていくさまが圧巻。トランスしてるんじゃないでしょうか、これ。 (以上、想像) その他も、たまらなくロマンティックで、粋に奏でるトラック満載。 美しさの中に緊張感をはらんだ、まさにインタープレイ。 因みに−は、ジャズを普段聴かない私の友人が聴いて、感動してました。 |
Last Waltz: The Final Recordings Live評価:★★★★★
公式に残された死亡二週間前の最後の録音である。曲目がほとんど同じで、本作品の三ヶ月前に録音されたビレッジ バンガードでの演奏と比べると、レコード会社による正式録音と、クラブに常設の装置での録音との違いの大きさが判る。でも、本作品の演奏の方が、健康の悪化が反映されてか、各曲が当初弱々しく始まり、後半に入り最後の力を振り絞って炎のような演奏になる。ほんとうに最後になった本演奏の翌週のニューヨークでの二日間の演奏曲目は不明であるが、キーストーンコーナーの一週間で、一回だけ演奏されたWaltz for Debbyが最後の演奏だった可能性が強い。まるで灯火のように、力なく、最初からアドリブっぽく最後の力を振り絞るように演奏されるラストワルツが、エヴァンスの余命を象徴しているように、今となっては感じられる。他の曲と比べて、軽く流された感じで、エバンスの曲中、最もWaltz for Debbyが好きな私には、すこし肩透かしを食らったような欲求不満が残る。 それに比べて、やけに力が入って何度もこれでもか、これでもかと演奏されるナーデイスが、エヴァンスの晩年の執念を感じさせる。 |
ポートレイト・イン・ジャズ評価:★★★★★
このCDと本、コーヒーあれば至福な一時が過ごせます。 |
Bill Evans's Finest Hour評価:★★★★★
エバンスの、良い所取りのCDです。オムニバスに集められているので、色々なタイプのエバンスが詰まっていますが、聴いていると溜め息が出てししまう...いいなーエバンスって再確認させられるCDです。疲れた夜に聴くときっと癒されるはずです。 |
Paris Concert, Edition One評価:★★★★
ビルエヴァンスの最高傑作は実はCONSECRATIONだったりして。だって、死に至る直前の恐るべき気迫・死相・燃え尽きる直前のエネルギー...ス、スゴイッ!というしかない迫力なのですが、いかんせん、長すぎる・荒すぎる・激しすぎるという側面も認めなければなりません。The Paris Concertは同じトリオメンバーによるもうちょっと前のライブ録音です。まだ、死に神にとりつかれる寸前の完璧なエヴァンスを聴くことができるわけです。エヴァンストリオというとベース・ドラムスも三位一体の、という説明が多いけど、このマークジョンソン/ジョーラバーバラのトリオは確実にエヴァンスだけのものである。かといって彼らが単なる脇役かというとそうではなくというより、3人ともエヴァンス化しており、エヴァンスのピアノを美しくするためにベース・ドラムスもピアノ化している、という感じなのだ。(うまく言えないが、そこの辺がバドパウエルトリオとの違いなのね)こういう特徴はホーンなどが入ったAffinityやWe Will Meet Againではわかりづらい。この静粛な世界はアルバムジャケットそのままだ。ただ、アルバム編集上、すごく惜しい点があるのだ。曲間の大拍手、ビックリするのである。覚めてしまうのである。ライブだからって律儀に入れなくてもよかったんじゃあーりませんか? |
Paris Concert, Edition Two評価:★★★
パリコンサートはマイルスのブラックホークなどののように演奏日違いではなく、マイファニーとフォア&モアのようにそれぞれの編集意図にもとづいて切り分けたものだと思った。(但し両方で1日分では無かったような?はっきりしなくてすいません)とすると、どこがどう違って2枚にわけたのよ?と思うのが当然ですが、こりゃ、聴いてもよくわかりません。雰囲気や演奏に大きな差はないと思うのですがいかがでしょう。基本的に好きな曲が入っている方を選んで良いのでは。強いて言えばエディション1はエヴァンスの当時のオハコをまとめ、2ではオリジナル曲を中心にした構成。そういう意味でより追悼色が強まっているのかな。インタビューも入っているし。ところで、1でもMy Romanceで結構やかましいですが、こちらではあのNardisをラバーバラがやけくそ的に叩きまくります。これはうるさい。ライブでは良かったかも知れないけど、家で聴くには曲間の大歓声並にうるさい。というわけでこちらは★3つ |
モントゥルーII評価:★★★★
エバンスのモントルーでのライブと言えば、言わずと知れた68年録音の「お城のエバンス」が余りにも有名だが、その二年後にCTIレーベルから出たのが本作品。エバンスのCTI吹き込みは、この作品だけだったかな。ちなみに−はゴメスとのデュオで、ファンタジーから出た。 収録された曲は、殆どがお馴染みのものばかりだが、「アルフィー」の美しさにはノックアウトされる。他はゴメス−モレルとのトリオによる平均的な演奏。前作ほどの鮮烈さは無いけど、エバンスのレコードとしての水準には十分達している。 |
イージー・トゥ・ラブ評価:★★★★★
このCDは私が一番大好きなCDです。このアルバムは彼が若かった時の演奏です。 エバンズは若いときは暗くて、センチメンタリストでたっぷりと時間を使ってピアノを弾いています。 多分フツーのジャズが好きな人には物足りないんだろうけど、この切ない美しさは誰にも真似できないし、これ以上はないだろうと思わせます。 僕のお勧めはDANNY BOY とLIKE SOMEONE IN LOVEです。 悲しいときにお酒におぼれながら自分のだらしなさをふりかえりつつ聞くと、心の奥まで染み入ります。 エバンズ好きにはたまらない一枚です。 ぜひ一回聞いてみてください。 |
ポートレイト・イン・ジャズ+1 [XRCD]評価:★★★★★
「ワルツ・フォー・デビー」「アンダーカレント」「サンデー・アット・ビレジバンガード」と並ぶエヴァンスのベストの1枚。CDではオリジナルになかった別テークの「枯葉」が入っているが、やはりオリジナル版の「枯葉」がいい。スパイラル状に絡みつくエヴァンスとスコット・ラファロとのインタープレイを聴いて欲しい。天才ベーシスト、ラファロの死後いろいろなベーシストと共演しているが、やはりラファロ、モチアン(ドラム)とのトリオの演奏を超えるものはない。秋の寂しい日に聴くと、セントラルパークに枯葉を拾いに行きたくなる。(松本敏之) |
ワルツ・フォー・デビィ+4 [XRCD]評価:★★★★★
内容の素晴らしさはもう言うに及ばないので、音質面についてレビューさせていただきます。 ビクターから発売されている同名アルバムは3種類のマスタリングがあります。 XRCDとK−2とデジタルK−2の3種類です。 実際聴き比べてみて一番音が良かったのは当然といえば当然かもしれませんが、XRCDでした。 音の繊細さやクリアな感じは一番です。 2番目はデジタルK−2で3番目はK−2です。 人によって色々と音の好みがあるので絶対とは言えませんが、良い機器で聴くほど差は大きいと思います。 少し値段は高いですが、是非、一番良い音で良い作品をお聴きください。 きっともっとこの作品が好きになると思います。 |
サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード +4 [XRCD]評価:★★★★★
20年程前、ジャズ雑誌の企画で「ビルエバンスのピアノは女性的か?」という趣旨の記事があり、賛否両方の意見が掲載されていたように思う。結局のところ、彼のピアノは非常に男っぽい演奏ではないかと思う。一聴しただけでは耳当たりのいいカクテルピアノっぽく聞こえるのもわからないでもないが。リラックスした演奏だからそう聞こえるのか?本作はヴィレッジヴァンガードでのライブ盤で、ポールモチアン(ds)、スコットラファロ(b)と組んだ名トリオの演奏が聞ける。私は特に「不思議の国のアリス」を好んで聞いている。CD化に際して何曲分かの別テイクが沢山収録されたのも嬉しい。 |
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