レア・コレクション評価:★★★★
ジャコがサイドメンとして参加した作品のオムニバスである。リーダーはもう揃えたからサイドメン作品が欲しい・・・でも全部買うとお金がかかってしょうがない、という人にお勧め。曲目もなかなかいい。ほかに『NOT FUSION BUT JAZZ』や『JAMS レアコレクション』といったサイドメン作品集がある。 |
ブラック・ビューティー評価:★★★★★
カッコイイ! ジャック・ディジョネットのワイルドなドラミングや、アイアートのブラジリアン・パーカッションが大きなウネリを作りだす中でブロウするマイルス。サックスのスティーブグロスマンはマイルスバンドに在籍した期間は決して長くないが、それがもったいない好演。チックコリアの歪んだローズも最高。この時代に生きて、このライブを生で見たかったものだ。 |
ススト評価:★★★★
本作('81)は残念ながらリアルタイムで聴いた訳ではないのですが、同じく音楽好きの知人から「これは聴いておけ」と言われ(今ごろ)手を出した次第です。因果的なものを感じますが、M.デイヴィスが復帰したのが丁度この頃ではなかったでしょうか。確かに、ライナーにあるように、晩年のマイルスが創造した音楽のエッセンスが匂ってくる気もしますが、マイルスそのものを聴き込んでいない悲しさ故、その表現が的確なのか否かは判りません。ただ、もしこの音をリアルタイムで聴いていたら、さぞ自分の音楽嗜好(方向性)は変わっていたであろうことは想像できます。 ジャパニーズフュージョンによく見られる「テクニカル至上」的な部分も好きなのですが、ここで繰る広げられている音はそこら辺りとは少違い、もっと概念的というかトータル性を最重視したような感じを受けました。例えば、[1]にしても、最初は単に無機質な音に思えたのに繰り返し耳にすると、バラエティに富み次から次へと”音が湧いて出てくる”様が非常に面白いもだという感が強まってきます。まだまだ見逃している音は山ほどあるハズですが、これもそのような中の1つに違いなかったと言うことは確かです。 |
ダブル・レインボー評価:★★★★
上記のレビューは全く間違いだと思います。 「ポップ」や「格好良い」などと言ったことは考えないで音だけに集中してくれ、とニューヨークの超一流ミュージシャンたちに日野が言ったというインタビューを発売当時読みました。On The CornerやIn A Silent Wayなどのマイルスコンセプトを日野と菊池の二人が80年代に押し進めた挑戦的大作です。City ConnectionやDay Dreamといった前二作のポップなフュージョンとはがらりと変わって、その流れで初めて聞いた時はショックを受けました。M1のスティーブグロスマンのモーダルなソロやハンコックのローズソロなどは必聴です。あのアンソニージャクソンが「手がカチカチだ、休ませてくれ」と弱音を吐いたそうです。M5のオーストラリアの原住民アボリジンをテーマにした曲もクリエイティブなサウンドです。 |
マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア評価:★★★★★
“俺さえその気になれば最高のロックバンドだって作れる”と豪語したマイルス。“ハコ”は「ロックの殿堂・フィルモア」。相手に不足はない。こうなったら敵陣に乗り込んでの大立ち回りである。親分マイルスが自ら先陣を切って突入、烈火のごとく吹いて吹いて吹きまくる。そうなったら子分も黙っちゃあいられねえとばかり、右からはチック・コリア(el.p)、左からはキース・ジャレット(org)が音塊を叩きつけまくる。後方ではジャック・ディジョネット(ds)が誰も逃がしはしねえと暴れまくり、さらにアイルト・モレイラ(perc)が火に油を注ぐ。新入りのスティーヴ・グロスマン(sax)は親分と兄貴分の勢いに圧倒されビビりながらもなんとか踏ん張る。一番驚いたのはフィルモアに集まったロック野郎達。 |
サマータイム評価:★★★★★
「テーク・ファイヴ」の作曲者として有名なアルトサックス奏者ポール・デスモンドの音楽は聴きやすいためか、なんとなく軽んじられている。デイブ・ブルーベックとのコンビが長く、テーク・ファイブがあまりにも有名になったためと、スタンダード・ナンバーを演奏する機会が多いのも、軽く見られる原因かも知れない。しかし、くぐもったような、しっとりした暖かい音色でもスタンダード曲を軽々と吹くデスモンドは魅力に溢れている。なにより、疲れた時、落ち込んでいる時に聴いても、コルトレーンの音楽のように、暗い気持ちにならない。そこがいい。(ある人にとってはそこが食い足りないのだろうが・・・)。RCAからA&Mに移籍し、名プロデューサーのクリード・テイラーと何枚ものアルバムを残しているが、ベストはやはりこれだろう。表題曲サマータイム以外に「いつか王子様が」「枯葉」などのスタンダードに加え、「過去を求めて」などの珍しい曲や、ビートルズナンバーにも挑戦。ハービー・ハンコック、ロン・カーター、アイアートなどの豪華なサイドメンももちろんいい。熟練したベテランがオーケストラをバックに肩の力を抜いて軽々と吹いた傑作。いつまでも聴き飽きない。(松本敏之) |
ストーン・フラワー評価:★★★
WAVEの興奮、至福感を期待しただけに少々、肩すかしを食らうことになった。 ボサノバというより枯葉を彷彿させるジャジーでムーディーな9曲は、どれも粒揃い。 しかし、構成にはバラつき感が漂い、アルバム全体の高揚感はWAVEから数段落ちる。 ハイライトトラックは、やはりブラジル。楽しげにエレピを弾きながら呟くジョビンが微笑ましい。柔らかな音色のなか、作品はラストのサビアで突如、ビターな後味を残す。 静かにたばこをくゆらせているジャケットが暗示するかのように、とりわけジョビンのプライベート感、特にプレーヤとしての趣味が色濃く出た好盤。 waveとセットで聴きましょう! |
アウト・バック評価:★★★★
御大E.ジョーンズのリズムを要に、C.コリア、A.モレイラらのサポートを受けて創られた堂々のJ.ファレル代表作。CTIレーベルというと、少しフュージョンぽく捉えられそうですが、ここではJ.ファレルのジャズとフュージョンの間を貫くような音が楽しめます。 (時期的には)Return to Forever(1stアルバム)でブレイク直前のJ.ファレル、C.コリアに対し、時同じくA.モレイラもWeather Report(1stアルバム)へ参加していることを鑑みると興味深いですね。 |
アイデンティティー評価:★★★★
と外国人の指紋捺印制度を皮肉ったジャケが強烈だが、中身の方はもっと強烈。 何たって、ブラジルの大天才エギベルト・ジスモンチが全面協力しているからだ。 なぜ突然この共演になったのかは定かではないが、ジスモンチが他人のアルバムにここまでするのははっきり言ってほとんどないので、大変貴重だ。 「ここまでする」というのは誇張ではない。彼は全曲の作編曲、ギターにキーボードに笛に、と八面六臂の大活躍。 負けじとアイルト&フローラ・プリン夫妻も叩きまくり歌いまくり! 当時のアイルトゆかりのデイヴィッド・アマロやアルフォンソ・ジョンソンなどのトンガリメンバーも天才の参加に大ハッスルしており、これで凄いのが出来なきゃおかしい。 結果、ブラジルフュージョン史に残る超絶変態アルバムが完成した。 |
ツァラトゥストラはかく語りき評価:★★★★
なぜかデオダートというミュージシャンは"知っている人は知っている"的な扱いになり勝ちだと思いませんか? 音的にも聴きやすく、好んで"クラブ系"(っていうのかな?)DJがサンプリングのネタに使ったりしていますから、もう少し名前が聞かれても良いように思います。で、本作はそのデオダートを実質的に世界に知らしめた作品といって良いと思います。タイトル曲の1は(あの映画のおかげで)クラッシクファンのみならず、誰もが耳にしたあの曲です。原曲もいいのでしょうが、エレクトリックに色付けされたこの曲もまた一興ですよ(アレンジャーとしての評価が高いのも頷けます)。 |
春の祭典評価:★★★★★
私は長年クラシック音楽を愛聴してきた者で、最近ジャズやロックを聴き始めたのですが、あるフルート教則本にこのアルバムが紹介されていたので購入してみたところ、なるほど名盤ですね。すべてクラシックの名曲をベースにしていますが、しっかり自分たちの音楽にしているところは立派です。フォーレのメランコリックな「パヴァーヌ」から始まりますが、しゃれたアレンジで、インプロビゼーションへの移行も自然です。ストラビンスキーのオーケストラ版「春の祭典」は怪獣映画のサウンドトラックに使えそうな音楽ですが、こちらのジャズ版には一種ミステリアスな雰囲気があって、アンリ・ルソーの絵画の世界を思い起こさせます。ドビュッシーの無伴奏フルート独奏曲「シリンクス」では多重録音を巧みに!かし、私は原曲より気に入っています。最後はバッハのブランデンブルク協奏曲第3番で、第1楽章はリズムがジャズのビートとは違っているのか、少しやりにくそうですが、室内楽風に品良くまとめています。その一方、第2楽章は、水を得た魚のように、のびのびとした、実に生き生きした音楽です。主人公でフルーティストのヒューバート・ロウズは高度な技巧の持ち主なのだろうと思いますが、それを見せびらかすのではなく、雰囲気を大切にした即興演奏を繰り広げていて、ほんものの音楽家という感じがしますね。また、ベースのロン・カーターが随所でキラリと光るようなセンスの良さを見せていて、彼の豊かな表現力にも感心しました。 |
DIS IS DA DRUM評価:★★★★★
アコースティックではなく、本CDはFuture Shockのアルバムのように、デジタル楽器を駆使した名作である。CD音質にもこだわったのか、本CDのサウンドはベースがズシーンと効く上に、音も厚い。曲は言うまでもなく、ハービーらしく、華麗、ファンキー、Jazzy、かっちょいい等多彩な表現ができる曲が多数入っている。中でも、Butterfly(1970年代にハービーが出したFLOODに収録されている曲)をリアレンジしたのが美しく蘇っている。ハービー自身もこの曲は綺麗に仕上がったと自画自賛していたらしい。私もそう思う。何度聞いても飽きない一枚である。 |
ライト・アズ・ア・フェザー評価:★★★★★
アルバム『リターントゥフォーエーバー』の姉妹編としてよく紹介されていますが、私はちょっと違う気がします。確かに、録音時期や面子は一緒ですが、ファーストにあった透明感よりは、アクティブさが目立ち、まったく違った雰囲気です。そのため、一聴した時は期待と違ったのですが、これはこれ。完成度は高く、ファーストとは切り離して楽しめばいいと思います。 |
ライト・アズ・ア・フェザー (完全盤)評価:★★★★★
500 Miles Highの突き抜けるような爽快感、Spainの熱い演奏。どれを取っても素晴らしいものです。ディスク1の素晴らしさは語る必要など無いと思います。それは完全盤でない方でも分かるからです。 ディスク2の方はMatrixから始まりますが、これも素晴らしいです。楽しい音楽になっています。What Games Shall We Play Today?等はぬるいような気もしますが、これはこれで良い感じといえます。Spainは手拍子が入っていません。しかし、このことによって演奏の巧みさが再認識されると思います。 お金に余裕がある、又はチックのファンの方は完全版を買う事を是非お勧めいたします。 |
エクスペクテイションズ評価:★★★★★
チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンにデューイ・レッドマン、アイアート・モレイラといった超強力な面々と繰り広げる80分近い傑作。 本作はオーケストラをバックに各人がアドリブを取る構成であるが、まず驚かされるのは、キースのコンポーザーとしての並々外れた才能である。全曲キースのものだが、どれ一つとしてだれることのない傑作が続く。ヘイデンのいつもながらの凄まじいベース音に、デューイのフリーキーなテナー、モレイラのパーカッションも素晴らしい。 個人的には“Liberation Music Orchestra”を完全に超えた作品だと思っている。 |
ライヴ・イヴル評価:★★★★
当時のマイルスバンドの方向性はマクラフリンが引っ張っていたと思うがキースが強い磁場を持ってて、キース抜きの作品とは明らかに雰囲気が違う。マイルスはいつもと同じ。まあこういうのもありだな。 |
ブラック・ビューティ評価:★★★★
このアルバム、同じような音源のive At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time(ウェインショーター入り)やもともとのAt Fillmore(キースジャレット入り)に比べ地味な存在ですが、中身は、というと地味です。やっぱり(笑)しかし、それは演奏自体が悪いというよりは音のバランスというかドラム、パーカッションの鳴り物が変に小さめ、なせいではないか、ともかくなんで何でか知らないけど盛り上がらないのである。しかし、そんな中にも聴き所はあって、それはDisc1のSanctuary。この曲はマイルスのパッツ、パーラー4連発が全てと言っても過言じゃありませんが、ここでのそれは、パッ、パァッ、ハフ、出ないんであります、肝心のぱーーーー、のロングトーンが。どうしたんでしょう?マイルスは、そりゃないよ! それじゃだめじゃん、という無かれ、この時「親分やばいぜ!」と気づいたチックとグロスマンズの援護射撃がここの聴き所、!!んか必要以上のにぎやかしぶりが清水の次郎長的な任侠を思わせるのです。マイルスおそらく本当に出なかったのは1発目だけかもしれませんが、その後も確信犯的に出しません。そこへチックとグロスマンのごにゃんごにゃんごにゃん....地味な聴き所ですいません。(笑) |
ツァラトゥストラはかく語りき評価:★★★★
一曲目の「ツァラトゥストラはかく語りき」はデオダート最大のヒット作。クラシックの名曲をジャズロック仕立てにした名演奏です。ジャズフュージョンファンならこの曲だけでも必聴。 |
リターン・トゥ・フォーエヴァー評価:★★★★★
たった4曲ですが、ものすごく濃密な40分が味わえます。1は、どこかスプーキーな感じがただよう曲、思議でも美しい。2はとにかく美しい。よくマイルスの「インアサイレントウェイ」と比較されますが(といっても、個人的にはそのフルフォームとですけど)、その透明度は互角!3は、これまた美しいヴォーカルナンバー、これで、フローラが好きになったら、次の『light as a feather』に進むといいです。で、4、始めは1と似た感じで進み途中から、3のようなフローラのヴォーカルが入り、そして大エンダンという構成の約20分。すばらしいです。 |
ディレクションズ評価:★★★★★
Circle In The Roundとならんで、マイルス引退時期に出た未発表(ボツ音源)集。そしてどちらもハードバップ時代からエレクトリックまで何でもかんでも詰め込んだ感が否めず、いかんせん手がでなかった。ところが聴いてみたら意外によいのである。もちろん前半のハードバップ期からアコースティックの頂点を極める寸前までにボツになったトラックはどうでもよく、こんなのその時のオリジナルのボーナスにでもしとけ!といいたくなるのだが、後半の黄金のカルテットが終末へと向かいIn A Silent WayまたはBitches Brewが誕生する前後の音源はなかなか聞き逃せない。はっきり言ってかっこいい、おお!こんな事もやっていたのかという驚きが大。マイルスが活動中にオリジナルであるかのように出されたBig Funよりも断然である。と、ここまでの感想はCircle In The Roundもいっしょ。ワタクシがDirectionsをより高く買いたいのはマクラフリン、キースジャレットなんかの数少ないスタジオ録音が聴けるところだ。マクラフリンの見せ場はまずDuran。yesternowの元であろうWillie Nelsonはずーっとエキサイテイングな演奏だ。キースが大らかにエレピを転がすkondaはGet Up With It収録のHonky Tonkが産まれる寸前の記録(ではないか)。ついでにいえばジョーベック参加のWater On The Pondも前記Circle In The Roundより何がしたいかわかる仕上がり。もろウェザーリポートっぽいAscentなんかマイルスのオリジナルではあんまり表出されていない世界で興味深い。Funも楽しいし。残り物にも福があるって本当だったんだなぁ |
ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト評価:★★★★★
Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ss, ts), Chick Corea (el-p), Dave Holland (b), Jack DeJohnette (d), Airto Moreira (perc)というメンバー。いわゆるロストクインテットにアイアートが加わった編成。アイアートのクィーカ(ウホホホと獣の声の様な音がする楽器)が、ファンクビートの中でものすごく効果的に使われていると思う。その他のメンバーの演奏も過激この上なく、ファンにはたまらない作品。これまでのフィルモアライブでサックスを吹いていたスティーブグロスマンよりも、本作のウェインショーターの方がよりトリッキーなプレイで好み。 |
ECM 24-bit ベスト・セレクションズ評価:★★★★★
名作リターントゥフォーエバー、ゲイリーバートンとのデュオはいわずもがなだが、80年代のロイヘインズとミロスラフヴィトウスとのトリオも素晴らしい。特にライブで演奏されるI Hear a Rhapsodyの瑞々しい演奏は本盤の白眉。 |
LOVE JAZZ BOSSA NOVA評価:★★★★★
黒いオルフェ イパネマの娘 おいしい水 などこれそBOSSAの王道!と言った名曲が詰まった、素敵なコンピレーションアルバム。 ジャズのテイストがかなりお洒落感を出していますが、 聞き覚えのある名曲ばかりなので、初心者の人にも聴き易いのでは?と思います。 ちょっとだらだらしてしまった休日の午後に、アンニュイな気分に浸りながら聴いてみるのもいいかもしれません。 |
ライヴ・イヴル評価:★★★★★
1970年末のライブパフォーマンスをメインに、短いスタジオ録音の曲とともに構成したアルバム。なんといってもライブテイクの物凄さに圧倒される。ジャック・ディジョネットの凶暴なドラミングやキース・ジャレットの予想不可能なアプローチ、マイケル・ヘンダーソンのファンキーなベースラインにマクラフリンのロックなギター。そして負けじと(?)激しくブロウする御大マイルス。対するスタジオテイクは、ライブに比して静かで瞑想的なムードに包まれている。こちらにはブラジルの才人、エルメート・パスコアルが参加しているのも興味深い。 この「ライブイービル」は70年代マイルスの公式盤史上ではやや日陰に置かれた存在かと思うが、そのクオリティはこの時期屈指のものではないだろうか。 |
リターン・トゥ・フォーエヴァー評価:★★★★★
ミステリアスな女性のハミングで始まるこのアルバム、全編を通してとにかくチックコリアの知的で細やかなエレピが心地よくてたまりません。私にとってはまさに「神様からの贈り物」のような存在です。1曲目はミステリアスな女性のハミングから始まり、全体的にはダークな印象ですが、女性のミステリアスで時には叫びにも似たヴォイスが様々な形で曲にからんでいます。また、鋭いフルートの音が、この曲全体の、ゆったりとした中にも攻撃的でとがった印象を象徴しているかもしれません。2曲目は、雰囲気的にはヨーロッパの薄暗い街に霧がかかっているような、静寂と孤独を漂わせた曲。音楽というのは、「音」が隙間なく詰まっていれば「楽しい」というだけでなく、「間(ま)」というものの深い味わいを感じさせてくれる名曲だと思います。それから車のCMでも使われたことのある3曲目。この3曲目と4曲目の「Sometime Ago」の女性ヴォーカルの爽やかさ!そして爽快なフルート!5月の新緑と澄んだ青い空の中をそよ風が流れていくような清涼感。あるいは地中海の碧(あお)い海と空をイメージさせるような、多くの人が一度聴いただけで好印象を持つのも納得の曲です。そして最後の4曲目。静かで個々の楽器のプレイを際立たせたジャジィな演奏に続き、「Sometime Ago」の爽やかなメロディーへと連なります。それが終わると一転して静寂になり、そこからまた徐々に盛り上がっていき、アルバム最後にして最高の聴きどころとなる「La Fiesta」へと流れていきます。それは、激しさと知的な躍動感に満ち満ちており、繰り返されるサビのメロディーラインの美しさには、聴くたびに「爽やかな感動」や「生きている喜び」を感じずにはいられません。嗚呼!たまらない。この素晴らしい音楽を生み出してくれたRTF万歳!チックコリア万歳!! |
潮流+4評価:★★★★
タイトル曲の「潮流」は「波」と同じコード進行の曲。全体的に甘めのサウンドで、なによりもBGMにはピッタリ。単なるイージーリスニングとしてだけでなく、じっくり深く掘り下げて聴いても楽しめる。特に複数収められたボツテイクは興味深い。 |
ライト・アズ・ア・フェザー評価:★★★★★
このアルバムは当時、6曲目のスペインが話題になったそうです。 イントロが、ロドリーゴのアランフェス協奏曲からのアレンジで、 チック独特のこぶしがきいたフィル・インでなかなかです。 主題のメロディが美しく、ソロでは、すばらしいテクニックを 聴くことができます。 1−2曲目は、軽快なリズムに、フローラのボーカルで心地いいサウンドです。4曲目の500マイルス・ハイでは、ジョー・ファレルの興奮する激しいソロが聴き所です。 |
メリー・オール・ソウル+1(紙)評価:★★★
ブルーノートの”幻の珍盤”と呼ばれている本作は、ラズヴェル細木の漫画「ときめきJAZZタイム」にも登場。その入手困難な様が面白おかしく描かれている。これがあのごっついブルーノート・レーベルのレコードだと思うから珍盤と言われてるだけで、内容はなかなか立派なものである。創始者アルフレッド・ライオンの引退後、同レーベルのプロデューサーとしても活躍したピアニスト、デューク・ピアソン自ら手掛けたクリスマスアルバム。 |
リターン・トゥ・フォーエヴァー(紙ジャケット仕様)評価:★★★★★
誰もが認める大傑作で大ヒット作、チックのカモメが待望の紙ジャケ化です。何とも言えない雰囲気とさわやかな清涼感を持った音楽にピタッリの、美しく印象的なカモメのジャケットは、何としてでも紙ジャケで持っておきたい一枚。紙ジャケファンだけでなく、まだ聞いた事のない人にも絶対オススメの一枚です。これを機会にぜひどうぞ。 |
コーリッジ評価:★★★★★
天使の歌声、ブラジルの至宝と呼ばれる、ミルトン・ナシメントの世界デビューアルバムです。オリジナルリリースが1967年、しかもレーベルがCTIですので、今聴くと、大げさなオーケストレーションなど、特にアレンジに古さを感じます。しかし参加しているミュージシャンはハービー・ハンコックを始めそうそうたるメンバーです。収録曲も初期の傑作ぞろいです。特に名曲"ブリッジ(トラヴェッシア)"の英語の詩は聞き逃せません。ミルトンファン、ハンコックファンを始め、ブラジルものが好きな人にとっては外せないアルバムです。(もちろんCTIファンにとっても) |
トゥデイ (紙ジャケット仕様)評価:★★★★
ビートルズやスティーヴィー・ワンダー、A・C・ジョビンなどの曲を、優しく穏やかなアレンジで聴かせる。1曲目「ビコーズ」は控えめな伴奏をバックにしたメランコリックなコーラスが印象的。この曲同様に全編にわたってヴォーカル、スキャット、口笛でメロディーを奏でているが、穏やかではあるがどこか物憂げな雰囲気を醸し出している。 参加ミュージシャンはジャズ畑のメンバーだが、サウンドはジャズ・ポップ・ボッサ、ソフト・ロックといった趣である。 1969年録音。主な参加ミュージシャンGARY McFARLAND;VIBE,VOCAL/HUBERT LAWS;FLUTE/CURTIS FULLER;TROMBONE/RON CARTER;BASS/GRADY TATE;DRUMS/SAM BROWN;GUITAR なお水彩画のイラストのジャッケットはとても綺麗である。 |
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