草薙くんと矢田さんの好演、小日向文世や大杉漣がすばらしい助演ぶりを発揮している。
この作品でも森下愛子演じる麗子先生が秀雄先生の薬を知ってガンを追及するのは、どう考えてもおかしい。本人が本当に胃腸薬だと信じていたらどうするのかとか、抗ガン剤を飲んでいる割にその副作用のようすが見受けられない・・・など見えてくる。だが、わたしが言いたいのはそんな細かいことの揚げ足拾いではない。テレビドラマなのだからそういった部分はある程度仕方ないと思う。むしろ、そういった粗をどれだけ役者、演出、ストーリー、音楽が覆い尽くせるかだと感じる。そういった視点で見た場合に、この作品は十分にカバーしていたと思える。
ストーリーは佳境に入り、テーマは病気との闘いよりも合唱部の実現に移行されている。10話では秀雄の誕生日をみどりと二人で温泉に行き祝う場面が用意されている。この回での一番はみどりが夜中起きると秀雄が窓に向かって一人で座っており、近づくと秀雄が号泣するシーンである。「死にたくないよ−!」と嗚咽するシーンは涙なしでは見られないだろう。
11話は最終話。合唱コンクールの決勝戦での出場を病院のベッドで迎えなければならないことを金田医師が強い意志表示する。また逆らって、舞台に向かう秀雄を、危険を承知の上でそっと寄り添うみどり先生の姿に胸を打たれる。
この作品を1話から11話までぶっ通しで見た。何度泣いたことだろう。おかげで翌日は頭が痛く、目も腫れぼったくなって、きっつい作品だった。
このデータは、06年02月12日1時12分58秒現在のデータであり、現時点では変更されている可能性があります。